小松菜(コマツナ)は、ほぼ一年中栽培が可能で、発芽もしやすいので水耕栽培初心者にもおすすめの野菜です。
この記事では、種から始める小松菜の水耕栽培の方法や、リボベジ(再生野菜)での育て方についてわかりやすく説明します。
小松菜の基礎知識
小松菜は、冬が旬の野菜ですが耐寒性や耐暑性にも優れているため、ほぼ周年栽培が可能です。時期や品種にもよりますが、生育が早いので種をまいてから1か月ほどで収穫できます。適応能力が高いので、露地栽培、プランター栽培、水耕栽培で育てることができます。
学名 | Nasturtium officinale |
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属名 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | 中国・日本 |
発芽温度 | 20℃~25℃ |
生育適温 | 15℃~25℃ |
耐寒性等 | 耐寒性 強い 耐暑性 やや強い |
小松菜(コマツナ)の水耕栽培のポイント
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。土の変わりにハイドロボールやゼオライトなどの培土を使った栽培も水耕栽培の一種でハイドロカルチャーと呼ばれます。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
葉物野菜は水耕栽培に向いており、リーフレタスやベビーリーフ、ルッコラ、大葉、クレソンなどのハーブ類は水耕栽培に向いています。収穫時期も短く、寒さ、暑さにも強い小松菜も水耕栽培に向いた野菜といえます。ただし、小松菜の栽培には日照が大切です。室内でも、日当たりの良い場所で育てることがポイントです。
小松菜の水耕栽培は、播種(タネまき)から始めるのが一般的です。発芽率もよく、種まきから収穫まで1か月ほど。間引いた苗もベビーリーフとして食することもできます。このほかリボベジ(再生野菜)といわれる、スーパーなどで購入した小松菜の一部を使った方法も簡単です。
小松菜の水耕栽培の手順
小松菜の水耕栽培は、播種(タネまき)から始めます。小松菜などの葉物野菜はできるだけ手間なく多く収穫するのに簡単な、スポンジとハイドロボールを使った方法を説明します。
ペットボトルとスポンジを使った方法は、大葉の記事に記載があります。種まきや管理の方法が同じですので、そちらを参考にしてください
種まきの時期
小松菜の発芽温度は20℃~25℃。露地栽培であれば真夏を除く3月~11月までが種まきの時期です。生育適温が15℃~25℃で耐寒性が強く、害虫や病気などのリスクが低く、寒さに当たると甘さが増すことから、秋に散布して冬収穫するのが多く、冬が旬といわれます。
水耕栽培は室内でも育てられます。室内で育てる場合には、発芽温度が保てるのであればいつでも大丈夫です。ただし日照時間が少ないと小松菜は大きく育ちません。暑さに強いとはいえ、真夏の直射日光は葉焼けの危険もあるため、春まきや秋まきがおすすめです。
準備するもの
- 小松菜の種
- スポンジ(台所スポンジでOK。やわらかいもの。メラニンスポンジは不可)
- ハイドロボール(事前に水洗いをしておく)
- スポンジがスッポリ入るぐらいのタッパー
- 水耕栽培用の肥料
- 竹串・カッター
手順
- 手順1スポンジの準備
キッチン用のスポンジを、そのまま使います。カッターで、スポンジに深さ2㎝ほどの切込みを2列入れます。2層式の場合は、硬い方が上です。
タッパーに水をいれ、スポンジに水を吸収させます。
- 手順2種まき
切り込みを入れたスポンジに、竹串などをつかって5㎜間隔でタネをいれていきます。
- 手順3発芽を待つ
タッパーの蓋を、閉めずに、軽く斜めにおいて乾燥を防ぎます。蓋がない場合には、ラップを軽くかぶせ、竹串などで穴をあけておきます。明るい日陰で管理しましょう。スポンジが乾かないように適度に水を足します。
発芽したら、日の当たる場所に移動して育てましょう。
- 手順4水耕栽培に移行
本葉が複数になり、スポンジの下から、根がでてくるぐらいになったら水耕栽培移行する時期です。
タッパーを一度洗って、ハイドロボールを深さ2㎝程度敷き詰めます。ハイドロボールが浸かる程度の水をいれます。この時に水耕栽培用の肥料も入れましょう。
ハイドロボールの上に、スポンジを置きます。培養液(水に肥料を入れた水)は、1週間に1度程度。水がなくなったら足して育てます。
- 手順5収穫
種まきから25日~40日程度で収穫の時期です。根元から2㎝~3㎝残して、1株から数枚ずつ切り取って収穫します。間から新芽がでてくるので、1株から3回ほどは収穫できます。
ハイドロボールについて
土を使わないで植物を育てる栽培方法を水耕栽培と言いますが、水耕栽培の中でも土の代わりに用土(培土)として、ハイドロコーン、ハイドロボールという丸い発泡煉石を使用したり、ゼオライトを使用して栽培する方法をハイドロカルチャーと呼びます。
ハーブなどはペットボトルと水だけで育てる方法が多くありますが、ここではハイドロボールを使った方法を紹介しています。ハイドロボールに直接種をまいて育てることもできます。スポンジを使うことで間引きや、水管理も容易になりますし、栽培が終わればスポンジを捨てるだけなので後処理が簡単になります。
ハイドロボールは、正式名称をレカトンといい、粘土を高温でやくことにより、発砲されます。この発砲されることで、水や空気を保持することができます。空気を多く含むと、根の成長を促しますし、水の管理も容易になります。
観葉植物の水耕栽培につかわれるハイドロボールですが、野菜の水耕栽培にも、植物を固定するのにも役立ちますし、ハイドロボールを培地として直接種を植えつけることもできます。100均などでも手軽に購入でき、洗って再利用も可能です。土のように処理にこまることもないので、ぜひ取り入れてみてください。
小松菜の水耕栽培の育て方
置き場所・環境・水やり
小松菜は、日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。ただし暑さには弱いので、温度が上がりすぎない場所で育てましょう。LEDライトも有効です。
水やりは1週間に1度程度、水道水でOK。ハイドロボールが浸かる程度。入れすぎは根腐れの原因となります。土での栽培と異なり、栄養は肥料でしかとれません。必ず水耕栽培用の肥料を一緒にいれて水やりをしましょう。
肥料
水耕栽培で小松菜を育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
リボベジの場合は、元々の株に栄養が蓄えられているので、水だけでも育ちますが肥料を与えるとより大きく成長します。また収穫も水だけですと1度限りですが、肥料を与えると複数回収穫が楽しめます。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
小松菜の水栽培 リボベジ(再生栽培)
リボベジはリボーンベジタブルの略で、野菜の再生栽培です。小松菜はリボベジが非常に簡単で、根元を水に浸けて、毎日水替えをするだけで肥料がなくとも収穫できてしまいます。
しかし水位を間違えると、根元が腐って再生できないこともあります。ここでは、ペットボトルをつかった小松菜の水栽培について手順を説明します。
小松菜の選び方と準備
選び方
小松菜(コマツナ)をスーパーで買う時には根元をチェックしてみてください。根がついているものがあればそちらを選びましょう。しかし大抵は根は切られていますが、少し根元が残っています。その状態でも、リボベジは可能です。根元の部分が白くきれいなものを選びましょう。
小松菜の準備
小松菜は、根元から3㎝ほど残してカットします。そのとき株の間に新芽がでていたら、そこはカットしないでそのまま成長させます。小松菜はカットした茎からは新芽は生えません。茎と茎の間から新芽がでてきて成長します。せっかく育っている小さな新芽は傷んでいないようならそのまま成長させましょう。

準備するもの
- 根元からカットした小松菜
- ペットボトル(350mlか500ml)
- 水耕栽培の肥料(なくても可)
- カッター、ハサミなど。
リボベジの水栽培の手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。さらに上部の口の部分をカットします。
- 手順2小松菜をペットボトルにセット
ペットボトルの下に水と水耕栽培用の肥料をいれます。(リボベジの場合は肥料はなくても育ちますが、入れると成長が促進され、数回収穫が可能になります)
ペットボトルの上部を逆さにし、口の部分から、根元の部分がでるようにして、ペットボトルの下の部分にセットします。水位は根元が水に浸かる程度です。
- 手順3栽培&収穫
水は3日に1度は替えましょう。リボベジの場合は、半日陰でも育ちますが、できれば窓際の明るい場所で管理すると元気に育ちます。
気温が高いと水が濁りやすくなります。水が濁ったら交換します。日に当てると藻が発生しやすいので、ペットボトルの下の部分をアルミホイル等でカバーをすると、藻が生えにくくなります。
まとめ
小松菜は比較的年間を通して価格が安定している野菜ですが、簡単にリボベジもできるので節約もできますし、植物が育っていくのをみるのも楽しめるので水耕栽培はおすすめです。
水耕栽培は、容器はペットボトルやお豆腐の空パックや、牛乳パックなど。家にあるもので工夫ができます。またハイドロボールなどのグッヅも100円ショップで手軽に買うことができます。また虫も付きにくいのが室内で育てる場合は、うれしいポイントです。野菜やハーブ以外にも観葉植物なども育てることができ、おしゃれに部屋を飾ることができるます。
ぜひこの記事を参考にして、小松菜の水耕栽培にチャレンジしてみてください。この他にも農家webには、ハーブや球根、観葉植物などの水耕栽培の記事がたくさんありますので、ぜひ一度検索してみてください。