キレダー(水和剤)とは何か? その特長は?
キレダー水和剤は、アグロ カネショウ(株)が販売している、コケの除草に使われる、イシクラゲ・ゼニゴケ・藻類専用の除草剤です。
キレダー(水和剤)の有効成分、性状
- ACN[2-アミノ-3-クロロ-1,4-ナフトキノン] 25.0%
- 鉱物質微粉、湿展剤 等 75.0%
性状は黄赤色水和性粉末で、水に溶かして使用する水和剤です。
キレダー(水和剤)の特徴
キレダー(水和剤)は、厄介でしつこいイシクラゲ、ゼニゴケ、藻類にピンポイントで効く、アグロカネショウが販売する苔(コケ)類専用除草剤です。
日本芝(高麗芝など)、西洋芝(ベントグラス)などの芝生に影響を与えないため、ゴルフ場の景観維持によく使用されています。
使用するときに注意したい点
時期
キレダーはコケ類が発生したときに、水に溶かしてじょうろや噴霧器(散布機)で直接コケにかけます。西洋芝に使用する場合は薬害が出る恐れがあるので、高温の時期は避け、冬期芝生育成期に散布するようにしてください。
また、使用中、使用後、激しい雨が予想される場合は、散布を控えるようにしましょう。
効果・薬害・毒性
種類 | 適用雑草 |
---|---|
キレダー | イシクラゲ・コケ類・藻類 |
本剤及び ACN を含む農薬の総使用回数(年限)は以下の通りなので、使用回数には注意してください。
- 本剤及び ACN 3回
キレダーはイシクラゲ・ゼニゴケ・藻類に優れた効果を発揮しますが、他の雑草に対しては、効果が劣ります。スギナやドクダミ、竹、ヤブガラシなどの雑草に困っている場合は、グリホサート系やグルホシネート系の非選択系除草剤や、アシュラムのようなイネ科雑草に効く除草剤を使用する必要があります。その場合は、下記を参考にしてみてください。
キレダーの使い方
キレダーは水和剤なので、水で希釈して薄めて使用します。使用薬量と希釈水量は、袋に細かい使用薬量と希釈水量が書かれています。
基本的な希釈比率は、1gに100mLの希釈水量を目安にします。(適用作物によって異なるので、必ず使用方法を確認してください)
広範囲に渡る場合は加圧式散布機、噴霧器の使用がおすすめです。
その他
除草剤全般の使用する際は、服装等、注意することがあります。下記記事に詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
(補足)除草剤あれこれ
農耕地で使用できるものとできないものがあります
ラウンドアップやサンフーロン、バスタは、畑作や果樹園などの田畑、農耕地で使用することができますが、グリホエースなど、グリホサート系除草剤でも農耕地で使用できないものもあるので、使用の際は必ず確認するようにしましょう。
具体的には、農薬取締法に基づき国に農薬登録をされている除草剤(農薬として登録された除草剤のパッケージには[農林水産省登録第○○号]と表記されています)しか、畑や田んぼ、菜園、植物を植えた庭などの所謂「農耕地」に散布することはできません。
下記に詳しく書いているので、興味ある方は読んでみてください。
尿素を混ぜると(尿素混用)除草剤の効果が高まります
尿素は代表的なチッソ肥料ですが、農薬に少量を混ぜ込ませると、農薬の効果を高めると言われています。理由は、尿素が植物の葉の表面のワックス層やクチクラ層の細胞をゆるめ、農薬を浸達しやすくするためと言われています。混ぜ込ませる量は、希釈した除草剤20Lに一掴み程度の少量が目安です。
尿素を入れることで、除草剤に速効性が出て枯れ始めが迅速になり、また希釈濃度を薄くしてもしっかり効果が出るので、効果にムラが出にくくなります。結果、使用する除草剤の原液量が減るため減農薬となり、コストも少なくなります。大量の除草剤を撒く必要がある農家の方には、おすすめの方法と言えます。また、展着剤を使って効果を上げる方法もあります。
除草剤の種類あれこれ
発芽抑制する「土壌処理剤」か、茎葉処理する「茎葉処理剤」か
除草剤の大きなタイプ分けとして、土表面に散布して雑草の発芽、生育を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。
また、この両方の効果を持つタイプもあって、「茎葉兼土壌処理剤」と呼ばれるものもあります。
「土壌処理剤」は、土壌に成分が残り、雑草の発芽成長を妨げる発芽抑制効果があるなど、茎葉処理のものより多くの植物を除去することができます。
しかしながら、草丈20〜30cm以上草が生長している場合は、効き目が弱く、効果を出すためには、草刈りした後での散布が必要になってきます。「茎葉処理剤」は、散布された薬液に接触、吸着した部分の植物組織だけを枯らします。このタイプの薬剤は種類を限定して効果を発揮することができる選択的除草剤が多くあります。
非選択性か選択性か
次に、除草剤は接触した全ての植物を枯らす「非選択性除草剤」か、対象とする植物種を枯らす「選択性除草剤」かに分けられます。除草剤の研究により、枯らす対象となる植物を絞り込む「選択性除草剤」が多く開発されています。枯らす仕組みは主に、光合成を阻害して枯らすもの、植物ホルモンを撹乱させて生長を阻害するもの、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して枯らすものがあります。
また、除草のための農機具、農具、草刈機(刈払機)、資材については、こちらをご参考ください。
除草剤を使用するとき、草刈りするとき、どんな服装をする必要があるのか、まとめたのは下記になります。
雑草の様々な防除、駆除方法は下の記事がおすすめです。
また、特に防草シート(除草シート)での防除に興味ある方は下の記事をご参考ください。
除草剤の安全性について
除草剤については、様々なイメージ、情報が飛び交っています。下記では、そもそも除草剤は安全なのか、また除草剤を使用するときに気を付けたいポイント、また個別の除草剤の安全性について徹底解説しています。