カヤツリグサの特性
科 | カヤツリグサ科 |
種類 | 一年草 |
分布 | 日本全土 |
学名 | Cyperus microiria Steud. |
別名 | マスクサ,ミツマタ,ネコノサミセン,スゲグサ,サンカクグサ |
道路の端や校庭、農道によく見られる、種子で繁殖するカヤツリグサ科の夏生一年草です。茎を先端と基部の両側から裂くと四角形となり,蚊帳を吊ったようにみえるのでカヤツリグサと呼ばれています。カヤツリグサ科では他に、ヒメクグ、ハマスゲが有名です。
畑地や路上、空き地や畦畔、至る所で発生します。花期は7~10月で,春先に出芽したカヤツリグサは、7月下旬~8月上旬には成熟し,大きい個体は約100,000粒の種子を生産します。
カヤツリグサの大きな特徴は、遮光に弱く,80%の被陰で生育は著しく抑制される点です。このため、日当たりで大きく成長の度合いが変わってきます。
基部は数本分枝して株状になります。高さは30~50cm程になり、葉は細長い線形で先はしだいにとがり、茎と葉には特有の香気があります。花茎に数個の花穂がつき、花穂には,黄褐色~赤褐色で線形の小穂が穂状に多数つきます。小穂は長さ10~15mmで,鱗片は舟型をした楕円形で,先は尖った形状をしています。
おすすめの除草剤
土壌処理剤
カヤツリグサは出芽深度が浅い一年草のため、発生前、発生初期に土壌処理剤で防除するのが効果的です。
ゴーゴーサン乳剤、ゴーゴーサン細粒剤F
ペディメタリンを成分とし、選択性の土壌処理剤の代表的な除草剤です。イネ科雑草と広葉雑草両方の一年草に効果を発揮します。キャベツ、白菜、レタス、にんじんと非常に多くの作物で使用することができる除草剤です。
乳剤は、撒いた後に大雨が降ると被膜が破れてしまう為、天気が心配なときは細粒の方を使用した方が良いでしょう。
フィールドスターP乳剤
酸アミド系の除草成分ジメテナミドPを有効成分とする野菜・畑作用土壌処理型除草剤です。ノビエ、メヒシバ、オヒシバなどの一年生イネ科雑草をはじめ、カヤツリグサ、ヒユ類、スベリヒユに効きます。キャベツ、ブロッコリー、玉ねぎ、大豆、枝豆、とうもろこしや馬鈴薯に使用可能です。
商品名 | ゴーゴーサン | フィールドスターP乳剤 |
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概要 | ||
タイプ | 土壌処理剤 | 土壌処理剤 |
有効成分 | ペディメタリン | ジメテナミドP |
効果がある雑草 | 一年生イネ科雑草 一年生広葉雑草 | 一年生イネ科雑草 |
適用作物 | キャベツ 白菜、レタス にんじん 等 様々 | キャベツ ブロッコリー 玉ねぎ、大豆、枝豆 とうもろこし 馬鈴薯 |
ジニトロアニリン系除草剤のトレファノサイド乳剤、トレファノサイド粒剤などはイネ科に効き、カヤツリグサにはあまり効果がないので、カヤツリグサ対策には使用しないが無難です。
葉茎処理剤
カヤツリグサが畝間などで大量に出芽した場合は、茎葉処理剤を用いて駆除することになります。非選択性で残効のない茎葉処理剤を作物にかからないように散布しましょう。
バスタ、ザクサのような非選択制のグルホシネート系除草剤、またラウンドアップ、サンフーロンといったグリホサート系もおすすめです。
グルホシネート系の代表的な除草剤
商品名 | バスタ液剤 | ザクサ液剤 |
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概要 | ||
販売元 | BASFジャパン(株) | 明治製菓ファルマ(株) |
有効成分 | グルホシネート | グルホシネートPナトリウム塩 |
農耕地使用 | ○ | ○ |
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | ネコソギロングシャワーv9 | アースカマイラズ | カダン 除草剤 ザッソージエース | タッチダウンiQ | サンダーボルト007 | アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 | 早く効いて根まで枯らす除草剤 |
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概要 | |||||||||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | レインボー薬品(株) | アース製薬(株) | フマキラー(株) | シンジェンタジャパン(株) | 日本農薬(株) | アイリスオーヤマ | トムソンコーポレーション(株) |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサート ピラフルフェンエチル | グリホサートカリウム塩 + MCPA | グリホサートイソプロピルアミン塩 + MCPA |
農耕地使用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ |
葉茎処理剤など薬剤の使い方は下記を参考にしてください。
中耕、培土、草取りで除草
カヤツリグサは出芽深度が浅いため、生育初期は中耕・培土、手取り、草取りが有効です。日陰になると生育が顕著に悪くなるので、影をたくさん作る大きい作物を作付けするのも有効です。
生育が進んでしまうと防除が困難になってしまうので、早め早めの防除を心がけましょう。
畝間を耕起することを「中耕」といい、同時に作物の株際に土寄せすることを「培土」と言います!
除草道具については下記を参考にしてみてください。
(農耕地以外での)カヤツリグサの防除方法
除草剤(土壌処理剤)での防除
土壌処理剤は、まだ雑草が生えてきていない、また草丈が低い時期に散布し、地面に膜を張って、新しく生えてくる雑草を抑えるものになります。春先などにしっかり撒けば、長期間防ぐことができます。ここでは、代表的なおすすめの土壌処理剤をご紹介します。
クサノンEX粒剤 (住友化学園芸(株))
ターバシル・フルミオキサジン、2種類の有効成分で、スギナ・ススキ・ヤブガラシ、シロツメクサ、ヒメジョオン、シロザ、アレチノギクなど各種雑草の葉や茎だけでなく根までスッキリ枯らすことができる微粒の土壌処理剤です。低温時にも使え、植栽地を除く樹木等の周辺地に撒くことを想定した薬剤です。
カダン除草王(フマキラー(株))
カダン除草王の成分カルブチレートは、非ホルモン型吸収移行性の尿素系の微粒(粒状)除草剤であり、雑草・草の光合成阻害により除草します。
カダン除草王は、細粒の非選択制除草剤で、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、ブタクサ、ツユクサ、カヤツリグサ、コニシキソウ、ハコベ、エノコログサ、カラスノエンドウなど一年生雑草といわれる一般的な雑草から、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、スギナ、カタバミ、オオイヌノフグリ、オオバコといった多年生広葉雑草、ススキ、チガヤといった多年生イネ科雑草、ササ類など枯れにくい雑草まで、根っこまで枯らすことができます。効果は最大約6ヵ月間と長期間持続することも特徴です。
非選択性で全ての植物、庭木に影響を与えるため、植物、庭木を植えている、植える予定の花壇やまた畑、水田といった農地ではなく、道路や空き地等で撒けることを想定した商品です。
ネコソギパワー粒剤 (ネコソギトップW) (レインボー薬品(株))
アミカルバゾン、ブロマシルを成分とし、粒のまま地面にパラパラ撒くタイプの粒状の除草剤で、除草効果が約5~9ヶ月間という非常に長期間持続するのが特徴です。1~2週間で枯れ始め、30日前後でほとんど枯らすことができ、成分が土壌に一定期間とどまるので、新しい雑草の発生を予防できます。
芝生でメヒシバを除草したい場合は、グリーンアージランやザイトロンアミン、シバゲン、MCPP、2,4-D「石原」アミン塩、シバニードアップなど、芝で使える除草剤も豊富にあります。詳しくは下記を参考にしてください。
防草シートでの防除
カヤツリグサをしっかりと駆除した後、その場所に防草シートを貼ることが可能であれば、防草シートを貼ることは、非常にに有効な防除になります。防草シート(除草シート)は、光をほぼ遮光することで、植物に光合成を行えないように抑制するもので大変有効です。
防草シートについては、下記のコンテンツに詳しく説明していますので、防草シートを貼ることが可能な方は、是非参考にしてください。
まとめ
夏季に繁茂するカヤツリグサは、発芽、出芽する前に予防、早期防除をするのがベストです。うまく土壌処理剤等を用いて防除するようにしましょう。
雑草をしっかり抑えることで病害虫の出現を減らし、殺虫剤、殺菌剤の使用、その後の草刈りを減らすことができます。
その他の庭や畑に生える雑草にお困りの方は、難雑草(イタドリ、スギナ、竹、苔、イヌビエなど)水稲での水田雑草(クログワイ、チガヤなど)の駆除、除草についてまとめた下記コンテンツをどうぞご参考にしてみてください。
また、除草、草刈りのための農機具、農具、草刈機(刈払機)、ブレード(チップソーなど)、資材については、こちらをご参考ください。
除草剤を使用するとき、草刈りするとき、どんな服装をする必要があるのか、まとめたのは下記になります。