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野菜類の肥料

みょうが栽培 おすすめの肥料と与え方

ミョウガ 野菜類の肥料

みょうがは夏の薬味として欠かせない日本古来の野菜です。一度植え付けすれば何年も収穫が楽しめ、初心者の人でも育てやすい野菜です。ここではみょうがのおすすめの肥料や与え方について、栽培方法(地植え・プランター)別にわかりやすく説明します。

みょうが栽培に適した肥料とは

ミョウガは栽培期間が長く、有機質の多い肥沃な土を好みます。肥料分はそれほど多く必要としませんが、リン酸の要求量が多いので、リンの多い肥料が適しています。やせ地でなければ、畑の元肥には堆肥と熔成リン肥料(ようりん)だけでもよいでしょう。

追肥には、三大要素窒素、リン、カリ)が含まれた肥料がよいでしょう。プランターなどでは液体肥料を水やり代わりに与えてもよいでえしょう。

みょうが栽培におすすめの肥料

熔成リン肥料(ようりん)

畑の元肥には堆肥とようりんを使います。

ようりん(熔リン、熔成燐肥)は、リン酸と石灰を含むリン鉱石、珪酸(けい酸)と苦土(マグネシウム)を含む、けい酸苦土含有の鉱さいです。さらにホウ素・マンガンの入ったBMようりんがあります。

土壌改良によく使われるリン酸肥料ですが、リン酸の含有量が高いので、みょうがのようなリン酸の要求量が多い作物の元肥として使用するのが適しています。ようりんに含まれるリンの成分は「く溶性リン酸」で水に溶けにくく、植物の根や微生物が分泌する根酸(有機酸)、炭酸水などによってゆっくりと溶け出して植物に吸収されます。

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有機肥料(有機質肥料)

みょうがは栽培が長くつづくため、堆肥は牛糞など土壌効果の高いものを使いましょう。有機肥料は、鶏ふん油かす米ぬかなどが使えます。油かすだけではリン酸とカリ分が足りないので、リン酸は過りん酸石灰や骨粉、カリは草木灰硫酸カリなどを併用するとよいでしょう。骨粉などが配合された肥料もあります。

1年目は元肥に堆肥などの有機肥料を使っているので、追肥は化成肥料でもかまいませんが2年目以降は、有機肥料をつかうのがおすすめです。有機肥料は完熟のものを使い、米ぬかなどは生のものは使わず、ぼかし肥料の原料として使うのがおすすめです。ぼかし肥料や有機100%肥料などは、初心者の人でも使いやすい肥料です。

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化成肥料

化成肥料を使う場合には、化成肥料8・8・8などの窒素・リン酸・カリウムが均等に入った肥料は、ほとんどの野菜に使えます。化成肥料は基本的に速効性の肥料が多く元肥や追肥にも使えます。肥料の後ろの数値は、肥料分がどれぐらい肥料が入っているかを表しています。8・8・8は肥料100gの中に肥料分が各8gづつ入っています。初心者の人には肥料成分がそれほど高くないため、肥料の施しによる失敗が少ないのでおすすめです。

畑では有機入りの化成肥料もおすすめです。

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野菜の肥料(有機配合肥料)

ホームセンターなどで簡単に手にはいる肥料メーカーが野菜用に作った、野菜用の肥料でも育てることができます。

プランターの元肥としては、肥料が配合されていない土を使う場合には、「マグアンプK中粒」は緩効性肥料としておすすめです。またその他ハイポネックスジャパンの「花と野菜と果実の肥料」や、住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」は有機配合されており元肥や追肥にも使えます。

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液体肥料

プランター栽培や、肥料不足などには液体肥料(液肥)も使うことができます。液体肥料は、「ハイポネックスの野菜の液肥」や「マイガーデン液肥」などがよいでしょう。

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みょうが栽培の肥料の与え方

みょうが栽培の肥料時期

肥料は春の植え付け時に元肥を施し、追肥は葉が5~6枚の頃に1回、その後1ヵ月後にもう一度追肥をします。2年目以降は、植えつけ時と同様に春に堆肥をすき込んで追肥します。

プランター栽培では肥料が水に流れやすいため、植えつけから1ヵ月ほどたったら追肥を開始し、2週間に1度追肥をしながら育てます。

地植え

市販されている苗には、根株(地上株)の他にも、すでに葉のついたポット苗もあります。葉が生き生きとしており、太くしっかりしているものを選びましょう。

元肥

苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。

元肥の方法は、全面施肥と溝施肥があります。みょうがは畑全体にまんべんなく肥料を与える「全面施肥」が一般的です。有機肥料を使う場合は2週間前、化成肥料を使う場合は植え付けの1週間ほど前までに行います。

  1. 栽培するスペース(畝)を決め、土壌phの調整が必要な場合は苦土石灰1㎡あたり100gまいて、深く耕しておきます。
  2. 1から一週間ほどたってから牛糞などの堆肥を、1㎡あたり2kg程度と元肥とし熔成リン肥60gを施肥し、土とよく混ぜて耕してから畝を立てます。(やせ地では緩効性肥料も一緒に施します)
  3. 2から10日ほどたってから、苗を植えつけます。
土壌について

おいしい野菜をつくるには、土づくりは大切です。ミョウガは植え付けすると長く栽培が続くので土づくりは重要です。みょうがは水はけと水もちのバランスのよい土壌を好むため、有機質を含んだ土が適しています。

牛ふんなどの堆肥は、植え付け1か月前までには行いましょう。土壌酸度(pH)は、6.0〜6.5です。土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。土壌酸度は、市販の土壌酸度計や土壌酸度測定液をつかって図りましょう。家庭菜園をする人は一つもっているとよいでしょう。

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堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。

未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。

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追肥

苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。

1回目の追肥は、葉が5枚~6枚の頃、化成肥料もしくは有機配合肥料を1㎡あたり50g程度を、畝の肩部分に肥料を散布してから、畝の周りの土と肥料を一緒に株元に土寄せします。2回目は1回目の追肥から1ヵ月ほどたったころに1回目と同様に追肥をします。2年目以降の追肥も同様に行いましょう。

プランター栽培

みょうがのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。

みょうがは生育中は肥料を切らさず育てます。追肥は、根茎、苗を植えつけてから1か月ほどしたら、1回目の追肥を行います。粒状の化成肥料をばらまくか、固形肥料を置き肥します。化成肥料であれば10g程度を月に1回、液体肥料を水やり代わりに与える場合は2週間に1度施肥します。

みょうが栽培について

みょうがの基礎知識

みょうがはショウガ科の多年草で、日本各地で古くから自生しており、日本の気候にあっているので一度植え付けすれば、あまり手間もかからず3年~4年ほど収穫できます。普段食しているのは、花雷の部分で花みょうがとも呼ばれます。

栽培は、春に地下茎を植えつけると夏から秋にかけて、地際から蕾がでてくるので花が咲く前に収穫します。手間もかからず、日陰でも育ち多湿を好むので、他の野菜では育ちにくい環境でも育つ、育てやすい野菜です。

す。

作物名ミョウガ(茗荷)
属名ショウガ科ミョウガ属
原産地東アジア
発芽温度15℃〜25℃
生育適温20℃〜25℃
栽培難易度簡単

肥料の過不足

肥料は適切な時期に適量与えることが大切です。肥料を与えれば与えるほど大きくなるわけではありません。肥料過多になると、ミョウガは葉や茎ばかりが大きくなるつるボケをおこし、花蕾がすくなくなったり、病気を発生しやすくなります。しかし肥料が足りないと、花蕾が大きくならないこともあります。

土壌環境や天気などによっても、生育状態はかわります。畑などでは有機物が豊富であれば肥料がなくとも育つこともあります。生育状況をみて肥料量を調整しましょう。

病害虫

みょうがは病害虫の被害はあまり多くありませんが、害虫ではハダニヨトウムシ、アザウマ、サツマイモネコブセンチュウなどがつくことがあります。特にハスモンヨトウが葉を食害するので、みつけたらすぐに捕殺しましょう。

病気は、葉枯病や根茎腐敗病などが発生しやすくなります。高温多湿な状況で発生しやすいため、梅雨時期などは、プランター栽培では雨のあたらない軒下などで管理しましょう。また株が混みあわないように、株間をあけて風通しを良くすることも効果があります。発生したらすぐに株ごと引き抜いて処分しましょう。

栽培管理

みょうがを翌年また収穫するためには、肥料だけでなく、乾燥を嫌うみょうがのために敷き藁をしいたり、2年目以降は茎葉が混みあってくるので間引きなどの管理が必要になります。また3~4年ほどたつと株の更新も必要です。

栽培管理については、こちらに詳しくのっているので参考にしてください

まとめ

みょうがは、普段野菜の栽培に向かない場所で栽培が可能で、1度植えつければ何年も収穫できるコスパのよい野菜です。ミョウガを食べすぎるともの忘れすやすくなるという話が昔からありますが、作り話で、そのような成分はないので心配はいりません。

夏の間の薬味として、甘酢づけも人気があります。初心者の人でも簡単に栽培できるので、ぜひプランターや畑でミョウガ栽培にチャレンジしてみてください。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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