水耕栽培とは、土を使わず培養液（肥料分を含んだ水）で、野菜や草木を栽培方法です。畑や庭がなくても、室内で簡単に自分で作ったハーブや野菜が収穫できると人気があります。
水耕栽培用のキットは、自作することもできますが、初心者の方には使いやすい水耕栽培キットもおすすめ。種や容器、肥料など必要なものがそろっているので、誰でもすぐに水耕栽培が始めらます。この記事では初心者の方におすすめの水耕栽培キットについて、機能や特徴についてわかりやすく説明します。
水耕栽培とは
水耕栽培は、土を使わず「水で栽培をする方法」を指します。水耕、水栽培などとも呼ばれます。水耕栽培は、野菜だけでなく果物や花など、様々な植物を衛生的簡単に育てることが可能です。プロの農家だけではなく、家庭菜園・園芸でも人気の栽培方法で、最近では室内やベランダなどで簡単にできる水耕栽培キットが人気です。
土を使う土壌栽培に比べて、虫が付きにくいので無農薬・減農薬栽培がしやすく、手軽で土づくりも不要などメリットも多いですが、土から栄養を取ることができません。そのため培養液（肥料分を含んだ水）で栽培する必要があります。また植物を大きく育てるにはエアポンプを使ったり、日照不足を補うためにLEDライトが必要な場合もあります。
水耕栽培におすすめの植物
水耕栽培では、さまざまな植物を育てることができます。収穫を楽しみたいのであれば初心者の方におすすめな野菜は、葉物野菜やハーブがよいでしょう。
水菜や、ベビーリーフ、リーフレタス、ほうれん草や小松菜なども野菜や、大葉（しそ）、ルッコラ、バジル、ミント、パクチーなどのハーブは、少量を摘んで食卓にすぐ使えるので便利です。
またサボテンなどの多肉植物や、チューリップやヒヤシンスなどの球根類、ポトスやカポック、サンスベリアなどの観葉植物も水耕栽培することができます。
水耕栽培キットの選び方
水耕栽培キットは種類が豊富です。ペットボトルと種が付いている簡易的なものから、ポンプやLEDライトがついた本格的なものまで。ご自分の環境や、育てたい植物によっても変わります。選び方のポイントを説明します。
LED照明付き
ほとんどの植物は、日照が足りないと上部な大きな苗は育ちません。そのため、自宅で育てる場合の環境によってLED照明があるかどうかは決めるとよいでしょう。水耕栽培の場合は室内の窓際や、日当たりのあまりよくないベランダでも3時間ほどの日当たりを確保できれば、ハーブや葉物野菜などは育てることができます。
日当たりの良くない場所で育てる場合は、LEDライトがついているものがおすすめです。植物を育てるためのLEDライトは、光の量や植物との位置などの環境整備も必要です。別で購入することもできますが、LED照明が標準装備されているものであれば、タイマー機能などが付いているものも多く、日照時間を調整するのも簡単です。
エアポンプ付き
植物の根を大きく成長させるには、根に酸素を届けることができるエアポンプが使われます。
土壌栽培では、土に酸素が豊富に含まれるため根が大きく育ちます。水耕栽培の場合は、水にも酸素は含まれていますが、土より少ないため根が大きく育ちにくくなります。ペットボトルと水で育てる場合などは、根を全部水に浸けず一部を空気に触れさせることで酸素を吸収させています。
本格的に水耕栽培をされている方は、エアポンプをつかって栽培しています。しかしエアポンプがなくとも葉物野菜や、ハーブなどの収穫期間の短い植物であれば十分収穫が楽しめます。
自動給水付き
水耕栽培は、培養液（肥料を含んだ水）で育てるため、水が切れてしまうとすぐに水枯れしてしまいます。毎日水換えをする必要がない水耕栽培は、意外と水やりを忘れてしまいがちです。また旅行や出張などで、長期に家を空ける時などにも、養液が減ったら不足分を足してくれる、自動給水機能がついたものが便利です。
水枯れとは、根が水分を吸えずに植物が枯れてしまうことです。水耕栽培の場合、根が水についていないと水分を吸収することができません。そのため、水が切れてしまうとすぐに枯れてしまいます。
水枯れ一歩手前になり、植物の生長が止まった場合は、すぐに水を入れて様子を見てください。このとき、肥料は水に溶かさずに、水のみで植物の回復を待ちます。葉が張って元気になってきたら、肥料の投入を再開しましょう。
植物別 専用栽培キット
一番手軽なのが、育てたい植物別の専用の栽培キットです。豆苗や、ブロッコリースプラウト、カイワレ大根など、種をまいてすぐ生長する新芽（スプラウト）用の容器などは、100均などでも簡単に手にはいります。
また、容器と種、肥料がセットになった使い捨てのものなどは、値段も数百円～購入できるので、とりあえず、水耕栽培してみたいという方にもおすすめです。リビングファームは、LEDを搭載した本格的な水耕栽培キットココベジシリーズもあります。
おしゃれな形のものを選ぶ
インテリア重視の栽培セットもあります。照明メーカーのオリンピア照明のAkarina（アカリーナ）シリーズは、居心地の良い光で育てたいとの思いから白色のLEDライトをつかっています。関節照明のかわりに使うなど、簡単な葉物や観葉植物を育てるのによいでしょう。
おすすめ水耕栽培キット
iDOO 水耕栽培キット
iDOOは、アメリカカリフォルニア生まれの総合ホームブランド。スマートなデザインで、2種のLEDライトで花・果物、野菜を育てることができます。この他、水中ポンプ、自動水循環システムなどがあり、オート運転モードもあるので、初心者の方でも簡単に育てることができます。サイズも6株、8株、12株、20株育てられるので、スペースに合わせて選ぶことができます。
これだけの機能がそろっていて、1万円程度とお手頃。日の当たらないキッチンでも、すくすく野菜が育ちます。
ゼンポー 水畑ミニ
カー用品と雑貨のゼンポーが販売している水耕栽培キットの「水畑シリーズ」は、値段が手ごろな水耕栽培キットとして人気があります。
LED照明付きのものや、エアポンプ付きのものもありますが、初心者の方におすすめしたいのは「水畑ミニ」です。エアポンプ、スポンジ、容器、種（ミニチンゲンサイ）がついていて、市場価格は2600円ほど。別に肥料が必要ですがプランタータイプのサイズもちょうどよく、ペットボトルを使って、自動給水できるのもポイントです。
日当たりの良い環境で育てられるのであれば、こちらの水畑ミニは手軽でおすすめです。
ホームハイポニカぷくぷく２
ハイポニカの肥料は、水耕栽培の肥料として有名ですが、元々ハイポニカとは、1970年、協和株式会社の創業者・野澤重雄により開発された水耕栽培システムです。ハイポニカ栽培の大きな特徴は循環構造で、このシステムにより土より1.5倍～2倍成長が早くなります。
家庭のベランダ等で気軽にハイポニカ液体肥料を使って栽培ができる、ホームハイポニカと言う水耕栽培キットも販売しています。
「ホームハイポニカぷくぷく２」は、ホームハイポニカシリーズの中でも手軽な、家庭園芸用の水耕栽培キットで、実のなる野菜（トマト、キュウリ、メロンなど）を栽培するのに適しています。液体肥料や種（ミニトマト）など、必要なものが全部そろっているので届いたらすぐ、栽培が開始できます。
この他にも、MASUCO（マスコ）や、PLAABO（プラーボ）、601果菜ちゃんなどさまざまな種類があります。ホームハイポニカについては下記の記事で紹介しています。
まとめ
水耕栽培のキットは、ペットボトルやスポンジ、タッパー、牛乳パックや空き瓶、花瓶などを使って自作することも可能です。しかし2～3日に1度は水替えをしたり、藻が生えないようにアルミホイルなどをはったりすると、見栄えがわるくなってしまったりします。
水耕栽培キットは、おしゃれなものを選べばまるで観葉植物のように、野菜を育てたりすることもできます。農家webでは、ペットボトルなどをつかった野菜やハーブの栽培記事や、観葉植物の記事も多くあります。
まずは、そちらから始めてみて、自分の家の環境や育て方などから最適な栽培キットを見つけてみてください。