この記事では、水耕栽培に使えるおすすめの肥料を網羅的にご紹介します。
水耕栽培で使いたいおすすめの肥料一覧
土壌には様々な植物の生長に欠かせない養分が含まれていますが、水自体には養分は殆どありません。このため、水耕栽培は土で栽培する以上に、適切な肥料を適量分、追肥し続けることが重要になってきます。
水耕栽培は、水に肥料の成分を溶かした培養液で栽培するため、水耕栽培向けの肥料は、液体のもの(液肥)か、粉状・粒状のものを水に溶かして与えることになります。ここでは家庭菜園用、プロ農家用に分けて、おすすめの肥料をご紹介します。
液体肥料とは?
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった肥料のことを指します。液肥を使用する際には、そのまま使用することはせず、製品のラベルに記載されている希釈率に従って、液肥を水で希釈し、濃度を薄めて使用します。
水耕栽培用の肥料 家庭菜園用
液体肥料ハイポニカ
液体肥料ハイポニカは、協和(株)の栽培方式である循環式のDFT式水耕・湛液型水耕栽培方式に使用する肥料技術から生まれた家庭用液体肥料です。A液とB液があり、それぞれを水に合わせて薄めて使います。
下記の記事にハイポニカの水耕栽培システムと肥料について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
液体肥料ハイポニカの詳しい解説はもちろん、ハイポニカを使った水耕栽培キット「ホームハイポニカ 」についても知ることができますよ!
ハイポネックス原液
ハイポネックスは、ハイポネックスジャパンが販売している化成肥料のブランドです。最も有名な肥料として、「ハイポネックス原液」があります。
ハイポネックス原液は、「三大要素(チッソ、リンサン、 カリ)」の他、マグネシウムやカルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素を最適のバランスで配合された液体肥料(液肥)で、水でうすめて使います。
但し、ハイポネックス原液の水耕栽培への使用はおすすめできません。それは、含まれている肥料の栄養素に関係しますが、水耕栽培の場合は次に紹介する微粉ハイポネックスがおすすめです。
微粉ハイポネックス
微粉ハイポネックスは、細かな粉状になった肥料を水に溶かして培養液にして施します。特に植物の根を丈夫にするカリウム(加里)が多く含まれ、植物に活力を与え、強健な植物の生育に効果的です。
ベジタブルライフA
ベジタブルライフAは、プロ農家御用達の肥料を開発しているOATアグリオ(株)が水耕栽培向け肥料として販売している液体肥料(液肥)です。肥料の三大要素である窒素・リン酸・カリは勿論、鉄・銅・亜鉛・モリブデンなどの微量要素も含んでいて、各種野菜の水耕栽培に最適な肥料バランスがとられた液肥です。
ほかの肥料と同様、薄めて使います。1液で済むので手軽に使用することができます。また、土耕栽培やプランター栽培などにも使用することができます。
10kg入の大容量のものもあり、プロ農家も使用しています!
おうちのやさい
おうちやさいは、水耕栽培専門の商社であるグリーングリーン社がアレンジした水耕栽培用の肥料です。「今まで以上に質の高い野菜が楽しめるプレミアムな肥料」とうたっています。水耕栽培だけではなく土耕栽培にも使用することができ、プロの農家や最先端の植物工場でも使われている肥料です。
液体肥料(液肥) プロ農家用
OATハウス肥料シリーズ
OATハウス肥料シリーズは、長年の養液栽培技術を生かし、高度に精製された原料を組み合わせた肥料です。養液土耕栽培や水耕栽培、ロックウール栽培などの生育に必要な養分を含む培養液として、全国に普及しています。また、養分吸収バランスがすぐれ、鉄欠乏症防止のためキレート鉄を配合することにより、各種の養液栽培や野菜の養液育苗用肥料としても安心して使用できます。
使用方法、施用量は、肥料ラベルの説明書に従ってください。基本的には、数倍〜数十倍で希釈して原液を液肥タンクに作製し、それを潅水と同時に、比例式もしくは圧入式の液肥混入器で吸い上げて水に混ぜて供給します。
肥料の種類によって、1液のみ使用するタイプと2液使用するタイプがあります。果菜類、葉菜類、花き類など全般に使用できる処方は「A処方」と呼ばれ、OATハウス1号とOATハウス2号の2液を使用します。下記の公式サイトに処方例が載っていますので参考にしてください。
GG液肥AB
GG液肥ABは、水耕栽培専門の商社であるグリーングリーン社がアレンジした水耕栽培用の肥料です。プロの農家向けに大容量(10kg)となっているため業務用として使用することができます。一般的な水耕栽培用の液肥に比べ、微量要素が多く含まれていることも特長です。
有機肥料・有機液体肥料は水耕栽培で使えるの?
液体肥料は、その製造や性質、品質の保証の観点から化成肥料であることがほとんどですが、動植物を原料とした有機肥料の液体肥料も存在します。このような有機液体肥料は、残念ながら水耕栽培には適さないものがほとんどです。
なぜなら、有機質肥料は成分が外的要因によって変化しやすく、常に同じ肥効にするのは難しいためです。また、有機質が含まれていることから藻が繁殖したり、成分が沈殿するなど培養液が汚れる可能性が高まります。
どうしても使用したい場合は、必ず、その製品の使い方を調べるようにしましょう。
水耕栽培用以外の肥料は使える?
水耕栽培は、土耕栽培と異なるため、水耕栽培に適さないものがほとんどです。また、水耕栽培はpH(培養液の酸度)が変わりやすく土耕に比べてpH(培養液の酸度)の調整が重要です。このため、水耕栽培を行う場合は、上記で紹介した液体肥料のように、水耕栽培用の肥料の使用をおすすめします。
水耕栽培に合う肥料はどこで買えるの?
店舗で購入する
上記で紹介した液体肥料やスプレイヤーは、一般的な大規模ホームセンターでも販売されています。ただし、カルシウム液体肥料などの専門肥料はコメリなど、農業・園芸に特化したホームセンターにしかない場合があります。
また、100均で有名なダイソーなどにも液体肥料が販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。
通販で購入する
店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場など様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。
水耕栽培とは?
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。養液を使って栽培する養液栽培の中で、固形培地を必要としない栽培方法を指します。水耕栽培は、土面のない場所でも気軽に室内で作物を育てることができ、用土の入れ替えや手入れなど土耕栽培特有の手間がありません。このため、家庭で手軽に始めることができます。球根・観葉植物に限らず、トマトやバジルを植えて苗を生育し、収穫することも可能です。
また、土壌の影響を受けづらく、植物に与える栄養素のコントロールもしやすいことから、プロ農家でも採用されている栽培方法です。
ペットボトルでも水耕栽培ができますよ!
ここでは、家庭での水耕栽培肥料をメインに、プロ生産向けの水耕栽培も踏まえて、おすすめの肥料を紹介していきます。
まとめ
水耕栽培肥料は、主に化成肥料の液肥が使用されます。各商品はそれぞれ取扱が異なりますので、それぞれの肥料の使用方法に従い、適切な濃度、pH調整等を行い、こまめに管理するようにしましょう。