スギナに除草剤ザクサは有効か
ザクサの成分グルホシネートは、速効性はあるものの、根や地下茎までは枯らし切ることはできず、また生え易いというデメリットがあります。
このため、スギナのような、根が地下に多い、また地下茎が発達し易い多年生雑草では、地上部を枯らすだけになり、効率的とは言えません。多年生雑草には、グリホサート系除草剤の方が有効です。
スギナにザクサを使いたい時
手元にザクサがあって、上手く使いたい、という方は、地上部が生えてきたらザクサを散布することを繰り返すようにしましょう。多年性雑草は、地上部で栄養を作って地下部に溜めていきます。地上部を枯らすと光合成による栄養が作れなくなり地下に溜めることもできなくなって、徐々に弱っていきます。ポイントは地上部が生えてきたら、何度も散布して、できるだけ長い期間、地上部を枯らしておくこと、です。
ザクサ液剤 (明治製菓ファルマ) の特長
ザクサ液剤は新技術「キラルスイッチ」により、除草活性本体である「L-ホスフィノトリシン(一般名:グルホシネートP)」を商品化した、明治製菓ファルマ(meiji-seika-pharma)が開発した青色澄明水溶性液体の性状の、非選択性茎葉処理除草剤です。
効果の進展はグリホサートよりも早 く、1 ~ 3日で効果が発現し、5 ~ 20日で完全な効果がでますが、吸収移行型ではないため、地下部 、つまり根までは枯死せず、雑草・草はグリホサートに比べ、再生しやすい特徴があります。
ザクサは多くの作物に登録があるため、かなりの野菜、水稲、果樹で使用可能で、例えば水田の畦(畔・畦畔)やかんしょなどの畑作での作物の株間、畔間や畦道などで使用するケースが多く見られます。
ザクサの使い方
ザクサは、液剤の除草剤原液なので、希釈して薄めて使用します。使用薬量と希釈水量は、ラベルの裏に細かい使用薬量と希釈水量が書かれていますので、ぜひご参考にしてください。
ザクサの希釈倍率
ザクサは、基本的な下草、雑草には、原液10mlに2Lの希釈水量、つまり、「200倍」の希釈率を目安にし、1Lを100㎡に散布します。
ただし、多年生雑草(翌年も生える雑草)に場合は、希釈率を200倍から100倍とうすめる濃度を上げた方が効果がでます。適用作物やどの雑草に対して使用するかで、うすめる濃度を変えていきましょう。
また、雑草によって、早春、盛夏、晩秋の時期に散布すればいいのか、根元がいいのか葉がいいのかは変わってきます。
ザクサは、雨が降っても大丈夫?
「茎葉処理剤」は、基本的に散布後、雨が降ると雑草に付着した薬液を流すため、効果がなくなることがあります。このため、散布後に雨が降りそうな場合は使用を避けた方が無難です。
しかし、ザクサは、バスタと異なり、「散布後、1時間過ぎた後」 であれば雨の影響を受けなくなり、効果は持続します。(バスタは散布後6時間以内に雨が降ると効果が落ちます)
このため、ザクサは雨をあまり気にせずに使用できる、非常に優れた商品と言えます。
ザクサの成分グルホシネートとは何か? その効果は?
除草剤の成分として使われる「グルホシネート 」とは、アミノ酸系の除草剤で、植物のグルタミンの生成とアンモニアの解毒に必要な酵素であるグルタミンシンテターゼを阻害します。この結果、植物を枯らしてしまいます。
このような、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して、枯らしてしまうタイプの代表的な薬剤は、グルホシネートの他に、グリホサート系、スルホニルウレア系(ベンスルフロンメチル、イマゾフルフロン、ピラゾスルフロンメチルなど多数)、非選択性接触型のアミノ酸系(ビアラホスなど)があります。
グルホシネートは、イネ科、広葉の一年生雑草、多年生雑草、ササ類、雑灌木など、スギナやドクダミ、竹など頑固な雑草含め、ほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は速効性で効果の発現に2 ~ 5日、そして完全な効果に5日~ 20日ほどを要します。
非選択性除草剤のため、水稲が残る水田や、定植後、枯らしたくない作物が残る農地、農耕場所、菜園には向かず、農業に使用する場合は散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。
ザクサの価格
ザクサはホームセンター、ECストアなどによりますが、大体2Lで7,000円前後の価格で売られています。バスタもほぼ値段は同じ程度です。
適用作物によりますが、10a(アール)あたり500mL使用すると想定すると、圃場10aあたり1,750円ほどの価格になります。