雑草や草を生えないようにするため、土面に設置する防草シート。ホームセンターに行くと、たくさんの種類の防草シートが販売されています。
ここでは、防草シートの中でも性能面で最強を誇るデュポン(dupont)製のザバーン350Gをはじめ、世界で1番売れている防草シート「ザバーン」の敷き方(貼り方、DIY)を説明していきます。
ザバーン(プランテックス)とは?
ザバーン(プランテックス)は、世界有数のサイエンスメーカーである米国のデュポン(dupont)社が開発したポリプロピレン4層スパンボンド不織布の製品名です。
「ザバーン」の後ろに付く数字(350や240など)は、1㎡(平方メートル)あたりの重さ(g)を表しています。数字の後ろに付いているアルファベットは、色(Gはグリーン、Bはブラック、BBはブラックとブラウンのリバーシブル)を表しています。
ザバーンは極太の350Gをはじめとして下記の6規格あります。
商品名 | ザバーン350G | ザバーン240G | ザバーン136 | ザバーン128 | プランテックス68 |
---|---|---|---|---|---|
概要 | |||||
坪量(g/㎡) | 350 | 240 | 136 | 128 | 68 |
厚さ(mm) | 0.8 | 0.64 | 0.4 | 0.4 | 0.27 |
お知らせ:防草シートの名称変更について|旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ ホームページ
ザバーンは何がすごいのか?
防草シートに求められる性能
植物は生長するために、空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)と水に光のエネルギーを加えて炭水化物を生成し、酸素を放出する機能、光合成を行います。防草シート(除草シート)は、光を遮る(遮光)ことで、植物に光合成を行えないように抑制します。この結果、植物は炭水化物を生成できなくなり、生長しなくなります。このため、どれだけ遮光できるか、「遮光率」の高さが極めて重要になります。
また、雑草はシートの縦横の織目の隙間を突き抜けてくるので、繊維がランダムに配向している不織布のように「貫通に強い」構造になっているか、また「厚みと強度」があるほうが、当然防御力は増すので、厚みと密度や強度がしっかりあるかが重要になります。
更に、防草シート(除草シート)は野外で使用するため、日光による劣化のほかに、水にさらされ続けることで加水分解する材質は劣化も早く、透水性が低いと水はけが悪く、雨水でぬかるみを作ってしまいます。また酸性、アルカリ性に弱い材質も、そうでない材質のものより劣化が早くなります。このため、ポリエチレン(ビニール袋)よりも、透水性が高く、酸性、アルカリ性に強い材質のポリプロピレンの方が防草シートの材質として優れているとされています。更に、ポリプロピレンの方が、カッターなどで裁断、カットし易く、植えた樹木の周りに敷くなど加工しやすく造園などの場面に使いやすいです。
ザバーンの性能はどうか
ザバーンの遮光率は種類によって異なりますが、240以上のグレードのものの遮光率は驚きの99.7%!トップレベルの遮光性を誇ります。完全に光合成を行えようにする遮光率は一般的に99.5%と言われていますが、それを上回る遮光率です。
また、貫通に強い4層スパンボンド不織布で作られていて丈夫で強靭、非常に高い耐久性を有します。
かつポリプロピレン製資材なので、水の浸透率(透水性)は十分で、シートの上から、 液体肥料 や液剤の 除草剤 も使用することが可能です。
また、不織布かつ4層スパンボンドの特殊多層構造により、雑草の突き抜けや貫通、破れを防止する非常に強い構造になっていて、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが期待できます。裁断もしやすく植栽での使い勝手は抜群でほつれる心配もありません。
更に、ポリプロピレン製資材なので、水の浸透率(透水性)は十分で、シートの上から、 液体肥料 や液剤の 除草剤 も使用することが可能です。またポリプロピレン製は、切断し易く抜群に施工しやすい特性も有しています。
以上から、ザバーンはグレードによりますが、上記の防草シートに必要な性能を全て兼ね備えていると言えます。ザバーンのグレードによって、具体的にどう性能が異なるかは下記の表をご参照ください。
商品名 | ザバーン350G | ザバーン240G | ザバーン136 | ザバーン128 | プランテックス68 |
---|---|---|---|---|---|
概要 | |||||
坪量(g/㎡) | 350 | 240 | 136 | 128 | 68 |
厚さ(mm) | 0.8 | 0.64 | 0.4 | 0.4 | 0.27 |
遮光率 | 99.7% | 99.7% | – | 85.3% | 69.4% |
1㎡当たり単価 (巾✖️長さ=1㎡) | 約600円 | 約400円 | 約260円 | 約250円 | 約200円 |
防草シートは他、エコナル、キンボシ、シンセイなど様々なメーカーから販売されています。
ザバーンの敷き方(貼り方)
雑草には様々な種類があります。一年で枯れる一年草から、土中に根や地下茎を張り巡らして、刈っても刈っても何度も生えてくる多年草まで、種類もイネ科雑草、広葉雑草など様々です。どんな雑草が生えているかで防草シートを敷く前の準備も変わってきます。
また、防草シートは、下から雑草が生えてくることを防ぎますが、防草シート同士の間に隙間ができると、もちろんその隙間から雑草は繁殖してしまいます。このため、隙間を作ることなく、強風や豪雨でシートが動かないよう、しっかり地面にシートを固定し、敷き詰める必要があります。このように、防草シートの敷く前の準備や敷き方で、どれくらいの期間効果を持続させる事ができるか、大きく変わってきます。それでは、ザバーン防草シートの敷き方手順を見ていきましょう。
除草
防草シートを敷くときは、できるだけ雑草を取り除き、地面に雑草がない状態にする必要があります。既に雑草が繁茂している場合は、必ず草取りや草刈り、草むしりを行って、地面を雑草がない状態にしてください。
また、草刈りをしても、雑草が多年生雑草の場合は、根が残っているため、またすぐに生えてきます。このような場合、使用が可能であれば、草刈り後、グリホサート系(ラウンドアップマックスロードやサンフーロン)などの 除草剤 を散布し、土中の根や地下茎まで枯らしてしまうことが有効です。
雑草の根や地下茎が残ったままだとすぐに雑草が生えようとし、チガヤやハマスゲ、竹、笹、セイタカアワダチソウなどの突抜け性の強い多年生の雑草は尚更、 ドクダミ 、 スギナ 、ナズナなど非常に強い雑草が生えている場合は、 除草剤 を使用して、根や地下茎まで除草、駆除できるとベストです。雑草突き抜けの憂いを取り払いましょう。
また、冬から春にかけて防草シートを敷く場合は、草刈りする必要はないかと思いますが、夏場にスギナ、ドクダミ、チガヤ、ハマスゲ、セイタカアワダチソウ、ヤブガラシ、ススキが目立っていた場合は、土壌処理剤を撒いた後に防草シートを敷くことをおすすめします。
除草については、下記に全ての情報をまとめています。
踏み固め
もしその場所が、水平でもともと地盤が緩い場合は、踏み固めや重石を使って地面を固めて、できるだけ表面を固い平らに整地してならしてください。透水性が高い防草シートを使っても、豪雨で水たまり、ぬかるみが出来る可能性はあるので、それを避けるためにも大事な作業になります。また、プロの造園業者は整地の際に端に傾斜、勾配を付けて、雨水を透すようにデザインしたりします。
敷設 (施工)
いよいよ、防草シートを広げて敷いていきます。敷き方のポイントは2点です。
作業をするときは、ピン等を使い、土をならす作業があるので、軍手を身に付けるようにしましょう。縁石や花壇、壁際がある時は、シートにカッターやハサミで切込みを入れて、加工していきます。苗を植える際のマルチングに穴を開けるために切るのと同じ要領です。シートをはさみで短く切り分けるよりも、長めにとって、丁寧に設置していきましょう。
敷設後
敷設後は、定期的に、シートが捲れていないかどうか、破れたり破損したりしていないか確認し、固定ピンを増やしたり、補修する事が重要です。また、周りに耕作放棄地や空き地が多い場合は、雑草の種子が飛来し、防草シートの周辺に突き抜け力の強い多年草(例えば、チガヤ、ハマスゲ、メヒシバ)が生えてくる可能性があります。
防草シートの周辺に生えてきている場合は、根や地下茎が防草シートの下に張り巡る可能性があるため、早めに抜いたり、グリホサート系(ラウンドアップ 、サンフーロン)の除草剤で除草、駆除することをおすすめします。
防草シート合わせて使いたい、ピンと粘着テープ
下記のようにザバーンに合った、シートを固定するための、穴を開けマルチングにも使える鉄製ピン、プラピンやワッシャー、シートとシートをしっかり接着する養生テープがありますので、是非利用してみてください。
まとめ
ザバーンはホームセンターの資材、ガーデニング(園芸)コーナーにたくさんの種類が置かれている、大変丈夫で優れた防草シートです。
しかし、敷き方、貼り方で、雑草をしっかり抑えて草防効果を長持ちさせれるか、大きく差が出ます。折角購入したザバーンなのですから、シートの効果を発揮させるために、ピン、テープを用意し、重ね合せ、境目にテープを貼り、ピンを打ち、しっかりと固定させるようにしましょう。ザバーンを綺麗に貼ることで、雑草の繁殖を防ぎ、雑草の発芽、病害虫の発生、害を防ぎ、農作業を楽にすることができます。