ここでは、草刈機(刈払機)の中でも、肩掛、背負式の刈払機の基本的な使い方を中心に、使用前、使用中、使用後の注意すべきポイント、また点検、メンテナンス方法も合わせて説明します。
草刈り機(刈払い機)の選び方
用途や広さ、また扱う人によって、ベストな草刈り機(刈払い機)は変わります。まだ購入されてない方は、下記の選び方の記事を参考にしてみてください。またハンドル(グリップ)も3種類あるので、用途にあったものをチョイスしてください。
草刈り時の服装
草刈り機(刈払い機)の障害事故は非常に多く、チップソーのチップや、金属刃のかけらが飛び、人体に当たる、また刃が弾いた小石が飛んで人体に当たって引き起こされることもよくあります。
これらはしっかりと防備することで防ぐことができます。下記を参考に、面倒でも、作業中の服装の徹底防備を心がけましょう。
また、日光が強い夏場の雑草刈り作業は、日射病の危険性なども考慮し、麦わら帽子などのつばの広い帽子や、首を冷やすためにタオルなどの装備も重要です。日焼け止めも忘れずに。
肩掛けベルト(バンド)の使い方
肩掛けベルト(バンド)は説明書を確認して必ず体の右側に刈払機が来るように装着し、長さの調節を行って、刈刃が自然と持ったときに地面から数センチ程度の高さになるようにしましょう。
また、全ての草刈り機(刈払い機)のバンドに緊急時に機械を体から外すことが出来る「離脱レバー・離脱ベルト」機能がついています。どうやったらすぐに機械を外すことが出来るのか確認した上で、必ず試しに一度外してみるようにしてください。
始動前に注意すること
動力が電動式、エンジン式に限らず、まず下記のことを始動前に確認してください。
- 作業場所に空き缶や大きな石、硬い異物がないかどうか。ある場合は事前に撤去、取り除く。
- 刈払機の本体、刃に変形、棄損はないかどうか。
- 自分の半径15m以内に人や動物がいないか。(近くにいると危険)
また、エンジン式の場合は、さらに下記の確認が必要です。
- 燃料(給油タンクなど)から3m以上離れているかどうか。
- 周囲に落ち葉や枯れ草など、燃えやすいものがないとどうか。
- しっかり換気ができている場所かどうか。
始動方法と停止方法・使用中に注意すること
お持ちの取扱説明書の手順に従って、エンジンを始動させてください。始動させると刈刃が回転してしまうこともあるので、始動させる際には、木などで刈刃部分を浮かせて、刈刃を地面に接触させないようにしてください。
刈払機の動かし方は、右→左、1.5m程度の範囲内を守る
刈払機の刃は、左(時計と逆方向)回りのため、刈払機を左から右に向かって動かしたり、刃の右側を障害物に当ててしまうと、大きな振動が発生して、腕や腰の負担が増したり、反対方向に跳ね返されてキックバックが起こり、事故の原因となってしまいます。
このため、刈払機は必ず、図のように、体の右側にセットし、右から左に1.5m程度の範囲内を動かす(水平にゆっくり振る)ことを繰り返すようにしましょう。
そして、キックバックを防ぐため、刈刃を当てる箇所は上部の左「3分の1」を心がけてください。
また、斜面、傾斜地、足場の悪い場所での雑草、下草刈りなど、危険な場所は、より注意が必要です。下記に安全なポイントをまとめていますので参考にしてみてください。
刈払機の馬力にあった、刈刃(ブレード)を使う
刈刃のチップソーは主に外径が230mmと255mmのに種類がありますが、取付穴は25.4mmで統一されているため、どんな刈払機でも両方取り付けることが可能です。しかし、必要とされるパワーが違うため、排気量25cc以下の刈払機では、255mmのチップソーはアンバラランスで故障の原因にもなります。
また、ナイロンコードカッターはパワー(馬力)がいる刈り刃です。排気量25cc以下の刈払機ではパワー不足になるケースが多いです。このように、お使いの刈払機に合う刈刃を使うようにしてください。
このような刈刃にまつわる話やおすすめの刈刃、また研磨などメンテナンス方法については下記にしっかり書いていますのでご参考にしてください。
使用後の草刈機(刈払機)のメンテナンス
しばらく使用しない場合は、燃料を抜き取る
使用の後、一ヶ月以上使用しない場合は燃料入れたままだと故障の原因になります。燃料を抜いて空運転し、機械の中の燃料がなくなるようにしてください。
綺麗にしたいときは、水洗いはしない
刈払機の水洗いすることは、ハンドルからエンジン部分までワイヤーでつながっているため、エンジン内部の金物が錆びる危険性があるのでおすすめできません。
汚れを落とす場合は、パーツクリーナーを使いましょう。パーツクリーナーで洗った後、エアーコンプレッサーで汚れを吹き飛ばすと綺麗になります。
燃料タンクのフィルター、ポンプ確認
燃料タンクの中にある燃料を吸い上げるパイプの燃料フィルターが使うにつれて汚れていきます。汚れると、フィルターが目詰まりし、故障の原因になります。タンクの中から針金を引っ掛けてパイプを取り出し、コンプレッサーでゴミを吹き飛ばすようにしてください。
また、燃料タンクの上のプライミングポンプを押してみて、燃料がタンクの中に戻るか確認してみてください。燃料が戻らないようだと、フィルターが詰まっているか、プライミングポンプが棄損している可能性があります。
エアーフィルター(エレメント)を掃除しよう
草刈り機のようなエンジンを使う農機具には、エンジン内部にゴミが入らないように空気を濾過するためのフィルター、エアーフィルター(エレメント)を装着しています。このため、エアーフィルターが汚れるとエンジン内部にゴミが入ってエンジンの故障の原因になってしまいます。
エアーフィルターの掃除方法は、コンプレッサーで中から外へ空気を送ってゴミを飛ばしてください。また、食器用洗剤で洗浄すると綺麗になります。
刈り刃接続部分のギアケースにグリスを注入
刈り刃部分は、定期的に部品を外して、ギアケースのの中のゴミを取るようにしてください。そして、ゴミを取ったら図のようにグリスを注入です。
グリスは、熱に強いリチウム系の耐熱グリスがおすすめです。
ナット・ボルトにもグリスを
ナットやボルトを締め直すときに、穴にグリスを一塗りしておくと、次に外し易くなります。
刈り刃のメンテナンス
刈り刃(ブレード)も、特に金属刃やチップソーはメンテナンスすると格段に切れ味を戻します。刈り刃(ブレード)もしっかりメンテナンスしましょう。
点火プラグ(スパークプラグ)、プライマリーポンプなど消耗品は交換を
特に一番の故障の原因と言われる点火プラグ。点火プラグをエンジンから外し て、先端を確認してみてください。黒く汚れている ようならワイヤーブラシで掃除します。金属に点火プラグ先端を付けた状態で、リコイルスターターを引っ張ってみて火花が出るかも確認してみてください。
汚れがひどく摩耗している場合、機能しない場合は交換のタイミングになります。
その他、メンテナンス、故障かなと思った場合の対応などは下記をご参考にしてください。
まとめ
以上、草刈機(刈払機)の使い方をまとめました。刈払機は刃が露出して回転する非常に危険な機械です。体調が悪い時は使用しない、また重く感じる時は思い切って背負式に変えてみることも検討してみてください。当記事を参考にしていただき、安全な草刈り作業の一助となれば幸いです。
自走式、乗用式の大型の草刈機については、下のコンテンツを参照してみてください。
(おまけ)
各草刈機(刈払機)メーカーについては、下記にそれぞれ詳しく説明していますので、ご興味あるメーカーがありましたら、是非参考にしてみてください。
- マキタ(makita)
- ハスクバーナ ゼノア(zenoah)
- リョービ(RYOBI)
- 共立(KIORITZ)(やまびこ)
- スチール(STIHL)
- 丸山製作所
- クボタ(kubota)
- イセキ(iseki)
- 工進(kosin)
- ホンダ
- ヤンマー(YANMAR)
- オーレック(OREC)
他、メーカーは、ハイコーキ(HIKOKI)(旧日立工機)など多くあります。コメリ、カインズなどのホームセンターや販売代理店に実機が置いているので、ぜひ手に取って重さを確認してみてください。(ホームセンターは山林、果樹園などで枝を切断するチェンソー(チェーンソー)なども置いてます。必要な方は合わせてご確認ください。