甘くておいしいスイカを育てるには肥料が大切です。この記事ではスイカの肥料のやり方について、畑などの地植え、プランター栽培の育て方別に、初心者の人でもわかりやすく説明します。
スイカの肥料のやり方のポイント
スイカ肥料の与え方のポイントは、元肥は控えめに追肥はしっかり行います。
スイカはキュウリなどと比べると肥料はそれほど多く必要はありません。スイカは、つる性のため生育初期に肥料が効きすぎるとツルや葉がのびすぎて花や実がつきにくくなる「つるボケ」がおきるため、植え付けから雄花や雌花が咲くまでは肥料はあまり必要ありません、実がついてからは肥料を多く必要とするため追肥を行います。
元肥は植え付けの2週間前までに土づくりと一緒に行っておきます。追肥は、実が鶏卵ほどの大きさになってから速効性の化成肥料を畝の肩もしくはつる先に、ところどころにばらまきます。さらに実がソフトボールぐらいになったら追肥します。
土壌と肥料について
スイカに限らず、野菜づくりには土づくりが大切です。水はけと通気性がよく水持ちのよい土が野菜づくりには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。つる割病の予防には苦土石灰も混ぜるとよいでしょう。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。堆肥で土づくりをしっかり行い、さらに元肥を施し足りない肥料分を補います。
スイカ肥料のやり方
では実際にどのように肥料をやるのか、説明していきましょう。肥料のやり方は育て方によってもいろいろありますが、基本的な施肥の仕方について説明します。
地植え(庭植え)
元肥① 鞍つき畝
スイカは、鞍つき畝(くらつきうね)を呼ばれる、1株ごとに円形の畝を作る方法が一般的です。苗を購入した場合や、種まきから育てた場合は育苗ポットで育てて本葉が5~6枚ほどになったら、植え付けをします。
- スコップで直径40㎝、深さ30㎝ほどの穴を掘ります
- 底に堆肥・元肥を入れます。(一株あたり堆肥5~6握り・化成肥料20g程度)
- 円形の畝になるように周りを少し掘り起こし、穴を埋めてさらに土を盛り上げておきます。
- 2週間ほどたってから、苗を植え付けします。
元肥② 全面施肥
元肥の方法で、畑全体にまんべんなく肥料を与えることを全面施肥(全層施肥)といいます。多くの野菜に使われる元肥の方法で、特に根の細い野菜類に適しています。種まきの2週間前までに行っておきます。
- 土を耕して、栽培するスペース(畝)を決めます。
- 堆肥(牛糞など)1㎡あたり2kgを畝全体にまきます
- クワで堆肥を土にすきこむようによく混ぜます
- さらに有機肥料(油かすなど)を畝全体に撒いて、クワでよく混ぜます。
追肥
追肥は、畝の脇か、子づるのまわりに数か所穴をあけて肥料をいれ土となじませます。株元よりつるに栄養がいくように施します。速効性のある化成肥料を施しましょう。
時期は、人工授粉が成功し実が鶏卵ぐらいになった時に1度、その後3週間ほどしてソフトボール大になったところでもう一度追肥してもよいでしょう。
プランター・鉢植え
元肥
プランターや鉢植えでスイカを育てる場合は、鉢は10号以上のもので20ℓ以上の土が入るものを使いましょう。用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。自分で配合する場合は、赤玉土3、腐葉土1、バーミキュライト1などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を通常より少なめに用土に混ぜて施します。
追肥
人工受粉後、実がピンポン玉ほどになったら1回目の追肥を行います。化成肥料を株元は避け、周辺にばらまきましょう。2週間~3週間ほどしたらさらに追肥をします。
液体肥料を使うこともできます。実がピンポン玉ぐらいになったら、7日~10日に1度、500倍に薄めた液肥を水やりがわりに与えます。収穫の1週間前までには肥料が切れている状況にしましょう。
スイカにおすすめの肥料
スイカには、庭植えの元肥には有機肥料の油粕、米ぬか、鶏糞などが使えます。化成肥料にはスイカ専用の肥料もあります。また液体肥料はプランター栽培で使えるほか、肥料不足の時の緊急対策としてもつかうことができます。スイカのおすすめの肥料については詳しい記事がありますので、どのような製品を使うか迷った時には、読んでみてください。
スイカの栽培に関する記事
スイカを育てていて、肥料を与えたにもかかわらず、育ちが悪かったり元気がなかった場合には肥料不足だったのかと不安になりますよね。スイカの肥料不足の症状や対処法などの記事もあるので参考にしてください。
スイカは地植えの他、小玉スイカであれば水耕栽培やプランターでも栽培が可能です。また病害虫が発生した場合は、農薬をつかって駆除する必要もあります。