ベンレート水和剤は、農作物や観葉植物の健康維持に広く使われている農薬です。この製品は、さまざまな病気や害虫から作物を守り、土壌病害への対策にも適しています。この記事では、ベンレート水和剤を使った土壌病害に対する使用方法について解説します。
ベンレート水和剤の基礎知識
ベンレート水和剤は、住友化学株式会社より販売されており、幅広い作物に使え、幅広い病害に効果があります。
ばらの黒星病、うどんこ病などの病害、線虫(センチュウ)に効果のある人気のある薬剤です。
下記2つの効果によって、病原菌等から作物を守ります。
- 浸透移行作用により病原菌の侵入を防ぐ予防効果
- 侵入した病原菌を退治する治療効果
上記の他にもベンレートには、いくつか種類があります!
商品によって、適用作物・病害虫や使用方法が異なる可能性がありますので、注意しましょう。
ベンレート水和剤の成分
ベノミルは、ベンゾイミダゾール系の殺菌剤であり、その作用機構はチューブリンに結合し、有糸分裂を阻害することによって殺菌活性を示す。日本で初めて登録されたのは1971年です。
製剤は粉剤及び水和剤が作られており、適用農作物等は稲、麦、雑穀、果樹、野菜、きのこ、いも、豆、花き、樹木、芝等、幅広い作物・植物に使えるのが特徴です。
ベンレート水和剤は、ベノミルを50%含んだ水和剤として製剤されたものです。類白色水和性粉末、普通物であり、比較的扱いやすいです。
殺菌剤の作用機構分類を表すFRACのコードは「1(B1)」です。
ベンレート水和剤の特徴
ベンレート水和剤は、下記の特徴があります。
- 適用作物が多い:果樹、野菜、花卉、観葉植物など、多くの作物に使用可能です。
- 予防と治療:幅広い適用をもった殺菌剤で、浸透性にすぐれ、予防と治療の2つの効果を示します。
- 幅広い病害への効果:茎葉の病害、貯蔵病害、種子伝染性病害、土壌病害など幅広い病害に効果があります。
- 低汚染・低コスト:低濃度で使えるため、作物を汚染することが少ないです。また、コストを抑えることができるため、経済的です。
- 長く効く:耐雨性に優れ、降雨による影響を受けにくい薬剤です。
土壌病害に対する使用方法
ベンレート水和剤は、黒星病、うどんこ病などの病害のほか、土壌病害に対しても使用することができます。
よく土壌消毒するための薬剤と勘違いされますが、は種時、育苗時、定植前(植え付け前)、定植後(植え付け後)に使用する薬剤です。
例えば、たまねぎの乾腐病、トルコギキョウの立枯病(フザリウム菌)、なすの半身萎凋病、ねぎの小菌核腐敗病、稲(水稲)のいもち病、苗立枯病(トリコデルマ菌)、立枯病(フザリウム菌)などに効果があります
土壌中に潜むフザリウム、バーティシリウム、ダーリエなどの糸状菌(カビ)を阻害する作用によって効果が出ます。
- 準備
- 使用前に取扱説明書、ラベルをよく読み、適切な使用方法と濃度を確認してください。
- 必要な防護具(手袋、マスク、保護メガネなど)を装着し、安全な環境で作業を行います。
- 希釈
- ベンレート水和剤は、水で適切に希釈してから使用します。標準的な希釈濃度は、使用する作物や目的によって異なりますので、よく確認しましょう。
- 施用
- 育苗培土に混和したり、灌注するなどの方法があります。
- 作物の種類や栽培環境に応じて、適切な量を混和、灌注等してください。
- 注意点
- 本剤はエトフェンプロックス乳剤またはダイアジノン乳剤と混用した場合、凝固物を生成するため混用をさけましょう。
- 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用すると良いでしょう。なお、普及指導センタ-、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。
使用後の管理
- 器具の洗浄: 使用後は、噴霧器や散水器を十分に洗浄し、他の作物への影響を防ぎます。
- 保管: ベンレート水和剤は、子供やペットの手の届かない涼しい場所で保管し、誤飲や誤用を防ぎましょう。
似たような薬剤
トリフミン水和剤、ベンレート水和剤、フロンサイド水和剤などがあります。作用や使用法は異なりますので、十分に調査してください。
まとめ
ベンレート水和剤は、広範囲の植物の病気に対応する優れた土壌消毒剤です。正しい使用方法を守り、安全に活用することで、農作物の健康と生産性を高めることができます。