ドクダミの特性
ドクダミ(どくだみ)は、毒下しの効果が高いことから、「毒を矯める(おさえる)」→ 毒矯み(ドクダミ)と呼ばれるようになったと言われているくらい、昔から優秀な薬草として、ゲンノショウコ、センブリと共に日本の三大民間薬の一つに数えられていて、欧米でも東洋のハーブとして人気があります。また、葉を乾燥させたどくだみ茶も有名で、ドクダミの葉や茎を乾燥させたものは「十薬(じゅうやく)」という生薬としても知られています。
しかし、ドクダミは多年草で、ちぎれた、一部の地下茎からでも繁殖し、他の雑草が生えなくなるくらい高い繁殖力を持つ難雑草でもあります。地下茎を伸ばして地中に根びこってしまうため、引っこ抜いても、地下茎の一部は地中に残存し、またそこから繁殖するため、本質的な駆除にはなりません。
ドクダミの効果的な除草方法① 除草剤の利用
ドクダミをしっかり駆除しようとすると、やはり除草剤の使用が欠かせません。重曹でやお酢では地下茎までは効かないと思ってください。
除草剤は簡単には、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。
ここでは、既に生えているドクダミの駆除なので、「茎葉処理剤」がベストです。
「茎葉処理剤」でも様々な種類があり、地上部の葉を中心に速効性があり枯らすもの(グルホシネート系など)から、地下部の根や地下茎まで全てを枯らし、根絶やしにするもの(グリホサート系)があります。
ドクダミは地下茎が厄介で、地下部をしっかりと枯らすことが重要なので、地下部の根や地下茎まで効果が効いて全てを枯らす、グリホサート系の葉茎処理剤がおすすめです。ここではグリホサート系の代表的な除草剤や芝に使える除草剤を紹介します。
ラウンドアップマックスロード(日産化学(株))
最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)です。成分は、グリホサートカリウム塩で、グリホサートイソプロピルアミン塩のラウンドアップ やサンフーロンなどよりも、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい特性があります。
ラウンドアップ は、原液を希釈して薄めて使うタイプから、そのまま使えるシャワータイプのALシリーズなど、様々なシリーズがあり、用途に合わせて経済的に使用できます。
また、芝生の上で、芝生を枯らさず、ドクダミを枯らしたい場合は、下記がおすすめです。
グリーンアージラン液剤 (石原バイオサイエンス(株))
成分 アシュラム
アージランは日本芝(高麗芝(コウライシバ)、野芝など)で使える葉茎処理剤で、芝の生育にとって有害なメヒシバやスズメノカタビラ(生育中)を防除することができ、生育中の広葉雑草にも高い効果:特にキク科雑草(ヒメジョオン、アレチノギクなど)に有効です。
他、シバニードシャワーなどもあります。
クサノンEX粒剤 (住友化学園芸(株))
ターバシル・フルミオキサジン、2種類の有効成分で、スギナ・ススキ・ヤブガラシ、シロツメクサなど各種雑草の葉や茎だけでなく根までスッキリ枯らすことができる微粒の土壌処理剤です。低温時にも使え、植栽地を除く樹木等の周辺地に撒くことを想定した薬剤です。
カダン除草王(フマキラー(株))
カダン除草王の成分カルブチレートは、非ホルモン型吸収移行性の尿素系の微粒(粒状)除草剤であり、雑草・草の光合成阻害により除草します。
カダン除草王は、細粒の非選択制除草剤で、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、ブタクサ、ツユクサ、カヤツリグサ、コニシキソウ、ハコベ、エノコログサ、カラスノエンドウなど一年生雑草といわれる一般的な雑草から、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、スギナ、カタバミ、オオイヌノフグリ、オオバコといった多年生広葉雑草、ススキ、チガヤといった多年生イネ科雑草、ササ類など枯れにくい雑草まで、根っこまで枯らすことができます。効果は最大約6ヵ月間と長期間持続することも特徴です。
非選択性で全ての植物、庭木に影響を与えるため、植物、庭木を植えている、植える予定の花壇やまた畑、水田といった農地ではなく、道路や空き地等で撒けることを想定した商品です。
ネコソギパワー粒剤 (ネコソギトップW) (レインボー薬品(株))
アミカルバゾン、ブロマシルを成分とし、粒のまま地面にパラパラ撒くタイプの粒状の除草剤で、除草効果が約5~9ヶ月間という非常に長期間持続するのが特徴です。1~2週間で枯れ始め、30日前後でほとんど枯らすことができ、成分が土壌に一定期間とどまるので、新しい雑草の発生を予防できます。
ドクダミの効果的な除草方法② 防草シートの利用
ドクダミをしっかりと駆除した後、その場所に防草シートを貼ることが可能であれば、防草シートを貼ることは、非常にに有効なドクダミの防除になります。防草シート(除草シート)は、光をほぼ遮光することで、植物に光合成を行えないように抑制するもので、ドクダミにも大変有効です。
防草シートについては、下記のコンテンツに詳しく説明していますので、防草シートを貼ることが可能な方は、是非参考にしてください。
ドクダミの効果的な除草方法③ 苦土石灰での防除
ドクダミは酸性の土壌を好むため、苦土石灰などを土壌に撒くことで土壌をアルカリ性にし、ドクダミが生長しにくい状態にする方法もあります。
この方法は、土壌をアルカリ性にすることが可能であれば、有効な防除の方法だと言えますが、野菜の栽培などはPH6.5程度の弱酸性の土壌が好ましいことが多いため(当然作物によって好ましいPHは異なります)、その場所をどのように(農耕やガーデニングなど)活用しようとしているかで、苦土石灰を撒くかどうか判断するのが良いでしょう。
まとめ
ドクダミは難雑草で、コンクリートの隙間からもどんどん繁茂します。生い茂っている場合は、グリホサート系除草剤で地下茎まで枯死させ、その後は土壌処理剤や防草シートを敷くなど、しっかりと予防するようにしましょう。