繁殖力の高いドクダミは、春になると芽吹き、気が付いたときにはあっという間に広がってしまいます。除草したいと考える人には非常に厄介な雑草です。
除草剤といえばラウンドアップは有名ですが、ドクダミの除草にも効果的なのでしょうか。この記事では除草剤のラウンドアップはドクダミの除草に効果があるのか、またドクダミの除草方法についてわかりやすく説明します。
ドクダミの特性
まずはドクダミの特性について説明します。除草剤を使う上で植物の特性を知ることはとても重要です。その特性により、効果的な除草剤を選ぶことができます。
ドクダミはドクダミ科ドクダミ属の多年性の植物で、独特な臭いが特徴的です。日本の三大民間薬の一つ.解毒薬として有名です。また利尿効果でむくみ改善するどくだみ茶も昔から飲まれています。
しかし生命力の強いドクダミは、除草したいと考える人にはかなりやっかいな雑草です。多年草のため、寒くなると地上部の茎や葉が枯れ、春になるとまた芽吹いて成長します、他の雑草が生えなくなるくらい高い繁殖力を持ち、ちぎれた一部の地下茎からでも繁殖します。
地下茎を伸ばして地中に根がはびこってしまうため、引っこ抜いても、地下茎の一部は地中に残存し、またそこから繁殖するため、退治しにくい難防除雑草の代表格です。
ラウンドアップの特性
ラウンドアップは、日産化学株式会社が販売する、最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)です。現在販売されているのは、「ラウンドアップマックスロード」です。原液とすでに希釈されているタイプ(AL剤)があります。
名前 | ラウンドアップ マックスロード | ラウンドアップ マックスロードAL | ラウンドアップ マックスロードALii | ラウンドアップ マックスロードALiii |
---|---|---|---|---|
概要 | ||||
タイプ | 原液 | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) |
特徴 | 希釈用。 農耕地で使え、経済的 | 基本タイプ | 基本+速効性 | 基本+速効性+持続 |
農耕地使用 | 〇 | × | × | × |
ラウンドアップマックスロードの成分は「グリホサートカリウム塩」で、旧ラウンドアップは、「グリホサートイソプロピルアミン塩」です。「グリホサートカリウム塩」の方が、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい、また早朝の農作業で朝露が付いても、効果が減少しない特性があります。
ラウンドアップは原液タイプは農耕地で使用できますが、希釈済みのAL剤は非農耕地用ですので間違えないようにしましょう。
ラウンドアップの効果
ではドクダミには除草剤のラウンドアップは使えるのでしょうか。答えはドクダミの除草にラウンドアップは効果があります。です。ラウンドアップはドクダミがすでに生えている場所の除草に使うことができます。
除草剤は簡単には、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。ラウンドアップは、「茎葉処理剤」で主な成分は「グリホサート」です。
グリホサートの大きな特徴としては、すでに伸びている雑草の葉茎を枯らす効果と、接触した茎葉から植物全体に広がる、吸収移行性をもっているため根も含めて全体を枯らす効果があります。非選択性(どんな植物にも効く)のため、農業に使用する場合など、散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。
ドクダミは地下茎が厄介で、地下部をしっかりと枯らすことが重要なので、地下部の根や地下茎まで効果が効いて全てを枯らす、グリホサート系のラウンドアップは効果的です。
ラウンドアップの使い方
茎葉散布
ドクダミの除草剤としてラウンドアップを使う場合は、ラウンドアップマックスロード原液の場合は50倍に希釈して葉や茎に散布して使います。時期はドクダミの花期(5月~6月)以降の生育が止まるころがよいでしょう。1度の散布では、残った地下茎から再生されてしまうこともあるため、再生してきたら再度散布します。
薬剤がかかった植物はドクダミ以外でも枯れてしまいます。枯れたくない植物がある場合には、ハケなどをつかって葉茎に塗布してつかいましょう。
茎葉処理剤の除草剤は、従来雨にながされやすく、早朝にまくと朝露で効果が落ちるといわれてきましたが、ラウンドアップマックスロードは、朝露に強く雨も薬液をまいてから1時間ほどたてば効果が低下しないため、飛散防止のため晴れた日の早朝にまくとよいでしょう。
専用ノズル
除草剤は、噴霧器やジョウロなどでまくことができますがラウンドアップ専用の除草剤ノズル「ラウンドノズルULV5」もあります。除草剤ノズルは通常の防除用のノズルにくらべて薬剤の粒径が大きいためドリフト(飛散)しにくいのが特徴です。
「ラウンドノズルULV5」は、従来よりも少量の除草剤で効果を維持して散布できるノズルで、圧倒的な小水量で散布を行うことができ、少ない散布量で済むため、作業時間の大幅な短縮になる優れものです。
尿素で除草効果UP
尿素は代表的なチッソ肥料ですが、農薬に少量を混ぜ込ませると、農薬の効果を高めると言われています。理由は、尿素が植物の葉の表面のワックス層やクチクラ層の細胞をゆるめ、農薬を浸達しやすくするためと言われています。混ぜ込ませる量は、希釈した除草剤20Lに一掴み程度の少量が目安です。
尿素を入れることで、除草剤に速効性が出て枯れ始めが迅速になり、また希釈濃度を薄くしてもしっかり効果が出るので、効果にムラが出にくくなります。結果、使用する除草剤の原液量が減るため減農薬となり、コストも少なくなります。大量の除草剤を撒く必要がある農家の方には、おすすめの方法と言えます。
その他 ドクダミに効果的な除草剤
最もメジャーなラウンドアップがドクダミの除草に効果的なことは説明してきましたが、この他にもグリホサート系の除草剤には、ラウンドアップのジェネリック品の「サンフーロン液剤」などがあります。成分は、旧ラウンドアップと同成分のグリホサートイソプロピルアミン塩です。
またラウンドアップはドクダミが生えてきたら使う除草剤ですが、草が生えてきていない時期に散布し、地面に膜を張って、新しく生えてくる雑草を抑える土壌処理剤もあります。土壌処理剤には住友化学園芸の「クサノンEX粒剤」などがドクダミの抑制に効果があります。
その他の除草方法
最近では除草剤の代用として、重曹やお酢、クエン酸などをつかった除草方法もあります。重曹に関しては除草効果が強くないため、おすすめしません。お酢やクエン酸などは根を枯らす効果はありませんが、茎葉を枯らす効果は期待できます。
ドクダミの除草方法については、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。