スギナだけ枯らす除草剤はあるの?
では最初にスギナにだけ効果があり、全面散布してもスギナだけ枯らす除草剤はあるのでしょうか。答えは残念ながらありません。しかし、特定の作物を枯らさないことはできます。
スギナだけ枯らす方法
選択性除草剤を使う
除草剤には大きく分けて、生長した茎葉に散布して枯らす「茎葉処理剤」と、発芽前や発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」があります。さらに、茎葉処理剤には、「選択制除草剤」と「非選択性除草剤」にわかれます。
非選択性除草剤は、薬液がかかった植物はすべて枯らしてしまうのに対し、選択制除草剤は特定の植物にかかっても枯れない除草剤です。よく使われるラウンドアップのようなグリホサート系や、バクサなどのグリホシネート系は、非選択除草剤です。ラベルに全面散布と書いてあるものは、選択制除草剤で、登録ラベルにある作物には影響がありません。
スギナには、水田作物(水田湖畔)・さとうきび・日本芝・センチピードクラスなどの作物に使える、「2,4-D「石原」アミン塩」が選択制除草剤としてあります。
スギナにだけ、薬液をかける
スギナは、地下茎から増える厄介な雑草です。大きくなったスギナには、根まで枯らす効果のあるグリホサート系の除草剤がおすすめです。しかしグリホサート系の除草剤は、非選択性の除草剤です。薬液が枯らしたくない植物にかかると、その植物や作物も枯らしてしまいます。
グリホサート系の除草剤は、茎葉処理剤ですので葉や茎から薬液を吸収します。逆に言えば、作物や枯らしたくない植物にかからないようにすれば、その植物は枯れることはありません。噴霧器やジョウロでまくときに、他の植物にカバーなどをしてかけないようにしたり、除草剤をスギナだけに散布できるよう刷毛などをつかって塗るなどの方法もあります。
スギナは希釈する場合は、25倍程度を推奨しているので原液タイプがおすすめです。すでに希釈されているものを使うときは、たっぷり薬液をかけます。グリホサート系の除草剤には、ラウンドアップマックスロードや、初代ラウンドアップのジェネリックで経済的に使えるサンフーロン液剤などがあります。
スギナの特徴
スギナはトクサ科の多年草でシダ植物に属します。シダ植物は、タネではなく胞子で増えます。春になるとツクシが顔をだし、ツクシが枯れた後に芽を出します。
スギナの胞子はツクシの頭の部分に含まれています。また胞子以外にも地下茎でも繁殖します。この地下茎がやっかいで、引き抜いても地下茎の一部が残ってしまい、そこから繁殖してしまうのです。また多年草なため、寒くなると地上部は枯れますが、根っこは生きていためまた春になると、芽をだします。
除草剤の種類について
除草剤には、農耕地で使える除草剤やそれ以外がありますが、使い方を間違えると農薬取締法違反になるだけでなく、作物が育たないなどのトラブルも発生するリスクもあります。これは農家だけでなく家庭菜園をしている人にも適用されます。
非農耕地用や家庭用・農薬ではないの記載があるものは、農耕地では使えません。除草剤を使う場合は、ラベルの適用表や使用上の注意をよく読んで正しく使いましょう。