サッカー場などの競技場から公園、ご家庭の庭まで、芝生はさまざまなところに植えられています。芝生の緑色は、心安らぐ空間を与えてくれます。
目土、目砂は芝生の管理でよく使う資材です。細かい砂や土で芝生の根や目地を覆う作業を「目土入れ」もしくは「目砂入れ」と呼びます。
この記事では、ホームセンターで販売されている目砂の情報や注意点、目土・目砂の種類(洗い砂・川砂・黒ボク土など)、目土入れ・目砂入れの目的について解説します。
ホームセンターで目砂は販売されているか?
結論、ホームセンターでも目砂は販売されています。芝生専用に製造、販売されている商品もあり、商品ラベルに「芝生用の目砂」と書かれているものは問題なく使用できるでしょう。肥料入りの製品もあり、そのまま使用することで透水性、通気性を向上させるだけではなく、芝生の生長をも促してくれます。
目砂には、山砂、海砂、川砂、焼砂がありますが、最も販売されていて手に入りやすいのは川砂だと思います(私が以前住んでいた周辺のホームセンターは、川砂が多く販売されていました)。川砂は目土にもよく使われますが、粒の大きさによって適切な用途や種類が変わってきますので注意が必要です。
ネットショップでは、焼砂も多く販売されています。
ホームセンターで販売されている川砂の種類には注意
実は、川砂にはいくつか種類があります。ホームセンターで購入する場合だけではなく、ネットショップや他の資材店で購入する場合も同様ですが、芝生に適した川砂を購入することが重要です。
川砂の種類
川砂の用途は、芝生に限らず、園芸や水槽、砂場、建築資材として使われるなど様々です。そのため、販売されている川砂も用途によって、粒の大きさなどが異なります。
1~3mm程度の細かい粒だけをふるい分けした川砂は「小粒」、4mm前後の粒は「中粒」として販売されていることが多いです。
芝生に適した川砂
芝生用の目砂は、1mm程度の細かい粒の川砂が望ましいです。あまり大きな粒の川砂を使うと、芝刈り機の刃を傷つけたりするなど影響が出ます。
「芝の目砂」など商品として販売されている川砂も、ふるいにかけられた1mm程度の川砂をパッケージして販売しています。
ホームセンターで手に入りやすい目砂の商品
ホームセンターにもいろいろな目砂の商品が売られています。芝生のコーナーや土・砂のコーナー、培養土のコーナーなどに陳列されているでしょう。今回は、ホームセンターでも手に入りやすい目砂を紹介します。もちろん、ネットショップでも購入可能です。
自然応用科学 根張りが良くなる芝の目砂
自然応用科学が販売している「根張りが良くなる芝の目砂」は、肥料入りの芝生用の目砂です。
特殊素材「クリンカアッシュ」を使っており、芝張り後の芝を保護するだけではなく、通気性を確保します。抜群の排水性で、芝に大敵な根腐れを防ぎます。また、クリンカアッシュはそれ自体が持つ無数の小さな穴が、天然の砂にない保水性も持っています。
カインズやジョイフル本田、コメリなど多くの店舗で購入可能です(2021年現在)。
芝の目砂 15kg
原産地が茨城県の目砂です。ゴルフ場でも使用されている実績があります。
植え付け時、メンテナンスには効果的で、芝生の根張りがよくなります。砂はサラサラで、作業性がとても良く、均一に撒きやすいことも特徴です。
ジョイフル本田などのホームセンターで購入が可能です(2021年現在)。
北松 川砂
北松の川砂は、ホームセンターでよく見かける川砂です。サボテン、多肉植物、芝の目土(目砂)として使用できます。
ちなみにカインズでは、298円(税込)で販売されていました(2021年現在)。
例外:評判の良いバロネスの目砂
バロネス 芝生の目砂・床砂は、ホームセンターで販売はされていませんが、ネットショップ、及び直営店での評価が高い商品です。川砂を良く洗い、ふるいにかけた粒子の細かい川砂(洗い砂)で、芝生の目土やゴルフ場グリーンの床土として使用されることもあります。
水はけが悪い場所は、床土として混合使用することもおすすめです。
他にもたくさんの目砂が販売されていますので、実際に足を運んで調べてみてください。
ホームセンターで手に入るセメント用の砂は使えるか?
結論、使うことができるかもしれませんが、あまりおすすめはしません。
確かにセメント用の砂も洗浄、選別済みであることが多く、芝生に使っても特に問題が出ない場合が多いです。また、セメントに使われる砂も粒径4mm以下のものが主流なので、モノによっては芝生にも使用できる粒径の商品もありそうです。何よりも価格も目砂用の砂よりも安価であるため、つい手を伸ばしたくなります。
しかし、粒が揃っていなかったり、思っていたよりも粒径が大きかったりする場合も大いにあり得ます。その判別ができる上級者の方はコスト削減のために試してみるのもの良いかもしれません。
芝生初心者の方は、芝生用として販売されている川砂、目砂を使用することをおすすめします。
目砂を使うときは他の資材を混ぜたほうがよいか?
結論、芝生の透水性、排水性、通気性によるため一概には言えません。
水はけが悪く、透水性を改善したい場合には、目砂をそのまま使用すると良いでしょう。そこまで水はけが悪くなく、土壌改良も一緒に行いたい場合は、目砂と土壌改良資材や黒ボク土を混合して使うと良いです。
ただし、黒ボク土の配合割合が多くなると、踏圧によって芝生が沈みやすくなったり水はけが悪くなったりしますので、使う場合も半分程度、もしくはそれ以下の割合で混合することをおすすめします。また、芝生用の目砂には肥料が配合されているものもあるので、芝生の元気がない場合はそのような商品を使用しても良いです。もちろん、芝生の肥料を混合して散布するなども有効です。
目土・目砂の種類
目土、目砂は、どんな土や砂でもいいというわけではありません。目土用の専用土を使用します。目土、目砂にはさまざまな種類があります。以下に代表的なものを紹介します。
芝生用の用土
芝生用の用土は、黒ボク土などの土を水はけや通気性などを考慮して配合した用土です。肥料を含んでいるものもあります。
雑草の種子や芝生に悪影響のあるものが混入しておらず、滅菌消毒されているものもあり、安心して使用できます。
商品にもよりますが、目土にも床土にも使用することができます。少し割高の商品も多いですが芝生栽培初心者にはおすすめです。
洗い砂
海や山、川から採取した砂を洗って使えるようにしたものが「洗い砂」です。それぞれ採取した土地によって、海砂、山砂、川砂と区別されることが多いです。特に川砂のものが家庭用の芝生にはよく使われる印象です。
洗い砂は、粒状となっており固まらず水はけ、通気性が良いことから芝生に適しています。水中や地中から採取されるので、雑草などの種子が混ざりづらいこともメリットです。
目砂に使うだけではなく、床土の主体として使うことも効果的です。砂だけでも十分ではありますが、保水力、保肥力が弱いため、土壌改良資材(パーライト、ゼオライト、バーミキュライトなど)や他の目土を混合して使うと良質な芝生用土になります。
黒ボク土
黒土(黒ボク土)は、火山灰で構成された地層の上層にある土です。有機物の含有量が多く、芝の生長に適しています。用土の色が黒いため、散布した場所が見えやすいというメリットもあります。
ただし、細かい粒状の目土や目砂より透水性、水はけが悪く、長期的に水はけの悪い土壌になりやすいので注意が必要です。黒ボク土自体、そもそも乾いていないものも多く、散布機を使用できないことがデメリットです。また、黒ボク土には雑草の種子などが混入していたり、踏圧の強いところでは沈みやすくなったりするなどのデメリットもあります。
粒状と黒土をブレンドして改良している方も多く、用土にはピートモスやパーライト、珪砂などを原料として混合しているものもあります。
赤土
赤土は、関東ローム層などが代表的な日本の火山灰の分布地帯で採取できる褐色の土です。地表の黒土のさらに下に赤土があります。
下の地層から採取されるため、雑草の種子の混入が少なく扱いやすいです。しかし、有機物の含量が少なくやせた土で、踏圧が強いところでは沈み込みやすいというデメリットがあります。
また、赤土には水はけの悪い粘土質の土も多く、そのような土は芝生には適しませんので注意してください。
目土に使われるというよりは、床土に使われることが多い印象です。
土壌改良資材
一般的に腐葉土などを堆肥化した有機物が主体の資材です。肥料成分の含有量が少ない砂や土に混合して使われます。
なぜ目砂入れ(目土入れ)をするのか
目土入れをする主な目的は、芝生を保護し生長を促すためです。もう少し詳しく解説すると、以下の目的が挙げられます。
- 種まき後、発芽しやすい環境を作るため
- 芝張り後、根付きやすくするため
- 芝の根、新芽、茎を覆うことで生長を促すため
- デコボコ(不陸)になった表面を均すため