玉ねぎは栽培期間が長く、雑草が畑に生えると玉ねぎの収穫に影響を及ぼします。防除の方法はいくつかありますが、除草剤を使うことで効果的に雑草を防除することができます。
この記事では玉ねぎ栽培での除草剤の効果的な使い方やおすすめの除草剤について、わかりやすく説明します。
玉ねぎ栽培での除草剤の効果的な使い方
玉ねぎには栽培前から生育中にも使える除草剤がありますので、栽培期間の長い玉ねぎには、その時期にあった除草剤を体系的に使うことが効果的です。
玉ねぎ栽培の体形的防除は、土壌処理剤を2回散布し、雑草の発生を抑制し、それでも生えてきてしまった雑草には茎葉処理剤で雑草を枯死させます。
またマルチを張って(雑草の防除には黒マルチがおすすめ)生育初期の雑草を抑え、その後に発生した雑草に対し「茎葉処理剤」で雑草を枯死させることもできます。
玉ねぎにおすすめの除草剤
土壌処理剤
土壌処理剤は、土にばら撒いて使うことで、土壌に1cmほどの処理層を作って、雑草の種子の発芽成長を妨げる発芽抑制効果があります。除草剤によって抑制期間は変わりますがおおよそ45日~60日ほどです。
モーティブ乳剤
有効成分 ジメテナミドP 19.70%、 ペンディメタリン 23.10%
モーティブ乳剤は、土壌処理剤です。玉ねぎの土壌処理剤には「ゴーゴーサン乳剤」もよくつかわれますが、ペンディメタリンはゴーゴーサン乳剤の有効成分で、一年生イネ科雑草及び広葉雑草に効果があります。ジメテナミドPはイネ科雑草やカヤツリグサに効果が期待でき2つの成分で、しっかり雑草の発生を抑制します。玉ねぎには、定植後から使えるため体系的に使う場合は、最初の土壌処理剤としてつかうことができます。
グラメックス水和剤
有効成分 シアナジン 50.00%
グラメックス水和剤は、土壌処理剤でメヒシバ,イヌビエ,スズメノカタビラ,イヌビユ,スベリヒユ,ノボロギク,ハコベ,ナズナなどの一年生雑草に効き、ジャガイモ,タマネギ,アスパラガス,日本芝と幅広く使用できる除草剤です。
玉ねぎには、定植活着後(雑草発生前)但し、収穫90日前まで使うことができます。直播栽培にも使うことができる土壌処理剤です。活着後ですので定植時の土壌処理剤の後に体系的に使える除草剤です。
茎葉処理剤
定植時にマルチをした場合や、土壌処理剤を散布しても、栽培途中に雑草が生えてきてしまったら、茎葉処理剤を使って雑草を駆除しましょう。選択制の除草剤を使うことで、薬液がかかっても玉ねぎは枯らさず、雑草だけを枯死させることができます。
ナブ乳剤
有効成分 セトキシジム 20.00%
ナブ乳剤は、畑作のイネ科雑草に使われる選択制の茎葉処理剤です。玉ねぎには直接かかっても影響がないため、薬液がかかることを気にせず全面散布することが可能です。浸透移行性に優れているので、葉や茎に散布するだけで根まで枯らすことができます。
イネ科以外の広葉雑草やカヤツリグサ科には効果がないため、それらの雑草が生えている場所にはこれ以外の除草剤(バサグラン液剤など)を使う必要があります。
バサグラン液剤
有効成分 ベンタゾンナトリウム塩 40.00%
バサグラン液剤は、畑作用除草剤や水稲用中後期除草剤としても、広く利用されている「茎葉処理剤」です。玉ねぎには、「春播栽培の移植後6月上旬まで 但し 収穫30日前まで」「秋播栽培の移植後生葉4葉期まで 但し 収穫30日前まで」使うことができます。雑草の茎葉処理が基本ですが全面散布も可能です。
一年生雑草や広葉雑草に効果がありますが、イネ科には効果がないのでイネ科の雑草が生えている場所には、ナブ乳剤などと組み合わせて使うとよいでしょう。
玉ねぎ栽培での除草剤の使い方
土壌処理剤
栽培期間が長い玉ねぎには、植え付け時、植え付け後45日後の2回、土壌処理剤を使うことで、収穫まで雑草を抑えることができます。
- 定植時に、定植時に使える土壌処理剤(モーティブ乳剤など)を土壌に均等に散布する
- 1の除草剤の効果が切れるころ(定植後45日後)に、さらに土壌処理剤(グラメックス水和剤など)を土壌に散布する。
茎葉処理剤
雑草の種類(イネ科雑草、広葉雑草)によって使う除草剤も異なります。どんな雑草が生えているのか確認して、それに合った除草剤を使うことが大切です。
基本的な使い方は、成長している雑草の茎や葉に、水で希釈して散布します。(希釈倍率・雑草の大きさなどは除草剤のラベル参照のこと)噴霧器(散布機)を使うと無駄なく効果的に雑草に薬液を散布することができます。