除草剤の噴霧器(散布機)とノズルについて
噴霧器とは?
噴霧器とは「水や薬液を霧のように高圧噴射するための器具」で、スプレイヤー、散布機とも呼ばれます。農業において広範囲に除草剤や殺虫、殺菌剤といった薬剤を散布するのに欠かせない農機具です。
噴霧器の大まかなタイプとしては、ガソリンや電気を使わず、手動で行う「手動式噴霧器」、電池や充電式バッテリー、コンセントからの電気で動く「電動式噴霧器」、そしてガソリンで動く「ガソリン式噴霧器」があります。動力が大きくなるにつれて、より広範囲の散布が可能になります。タンク水量の大きさで、肩掛式、背負式、固定ホース式、乗用など仕様も変わってきます。
そして農業界では、手動ではない「電動式噴霧器」「ガソリン式噴霧器」を「動力噴霧器(通称:動噴(どうふん))」と呼んでいます。特に「ガソリン式噴霧器」を動噴と呼んでいるケースが多いです。
噴霧器の購入等を検討されている方は下記をご参考ください。工進、マキタ、丸山製作所などのメーカーのおすすめの背負い式や固定式の噴霧器を紹介しています。
ノズルとは?
ノズルとは「薬液を散布するための筒状の装置」で、噴霧器は、ノズルを装着して液剤の農薬を散布します。ノズルには様々な種類があり、農薬の特性によってうまく使い分けることが重要です。
農業に利用されるノズルには、主に以下のような種類があります。
ノズルの種類 | 特徴 | 適する農薬のタイプ |
霧なしノズル | 噴射するときに空気を吸い込んで霧状になるのを防ぎ、風による飛散を防ぐことができるノズルです。噴霧する薬液の粒状が大きく、狙ったものに散布でき、ドリフトしにくいのが特徴です。別名「泡ノズル」とも呼ばれます。 | 除草剤 |
広角ノズル | いくつかの穴が空いているノズルで、噴射する薬液が衝突して、薬液の粒状が細かく、扇状に噴出されます。少ない薬液で幅広い範囲を散布できる特徴があります。 | 殺虫剤 殺菌剤 |
リング状ノズル | リングに何個かのノズルがついたタイプで、立体状に薬液が散布される特徴があります。 | 果樹園での 殺虫剤 殺菌剤 |
鉄砲型ノズル | 遠くに薬液を飛ばすことができるノズルで、穴が一つのものから複数のもののタイプがあります。畦畔から水田に薬液を飛ばしたい時、立木、高木に散布する場合などに使用されます。 | 水田、果樹園での 殺虫剤 殺菌剤 |
「ドリフト」とは、「農薬散布時に散布対象の作物以外に農薬が飛散すること」を言います。
ノズルの選び方
ノズルには上記のような種類による特性があります。除草剤の場合、他の作物や隣地にドリフトすることは、特に避けなくてななりません。このため、選ぶノズルは狙ったところにかけることができる「霧なしノズル(通称:泡ノズル)」が一般的になります。
最近では除草剤用に進化し、より大粒の薬液を撒ける除草剤専用の霧なしノズルや、ラウンドアップ、バスタといったメジャーな除草剤のメーカーから対象除草剤専用のノズルも販売されています。
それでは、具体的にはどんなノズルを選べばいいのでしょうか。下記ではおすすめのノズルをご紹介します。
おすすめノズル
キリナシ除草R型(ヤマホ(yamaho))
平均粒子径42μm(1MPa)の大粒の薬液を散布でき、ドリフトしにくく、キャッチバルブ(逆流防止弁)で除草剤のボタ落ちも防ぐ、除草剤に特化したおすすめのノズルです。茎葉散布剤にも土壌処理剤にも使え、非常に使い勝手に優れています。
ラウンドノズル
ラウンドアップを販売している日産化学株式会社から、従来よりも少量の除草剤で効果を維持して散布できる「ラウンドノズルULV5」というノズルや同様の形状の「セフティ3 除草用 ラウンドノズル25」もあります。これらの商品は、ラウンドアップやサンフーロンといったグリホサート系除草剤を散布するのに適しています。薬液が少量ですむため作業時間を短く省力化でき、またカバーしている形態なのでドリフトも防ぎます。
こちらの商品は使用したい噴霧器に合うものを選ぶ必要があります。詳しくは下記を参考にしてください。