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雑草別対策

木を枯らさない除草剤 おすすめの除草剤や散布方法

初夏の森林 雑草別対策

庭に除草剤を撒いたら、庭木が枯れてしまったということは実は意外と多くあります。除草剤はさまざま方法で、植物の成長を阻害し枯死させるため間違って使うと、枯らしたくなかった木まで枯らしてしまうことがあります。

この記事では、木を枯らさずに雑草のみを枯らすことができる除草剤について、その選び方やおすすめ商品、散布方法をわかりやすく説明します。

除草剤の選び方

除草剤の種類

除草剤には多くの種類がありますが、大きく分けて茎や葉に直接薬剤をかけることで、雑草を枯らす「茎葉処理剤」と、土に撒くことで植物の発芽を抑制したり、発芽直後の雑草を枯らしたりする「土壌処理剤」があります。

葉茎処理剤

茎葉処理剤は、茎や葉に散布しただけで薬剤が植物の中を移行して、根まで枯らすことができる吸収移行型の除草剤や、散布した部分のみ枯れる接触型の除草剤があります。よく見かける液体タイプの除草剤です。

土壌処理剤

土壌処理剤は、顆粒状のものが多く、草が生える前もしくは発芽直後に土に直接散布します。すると土に薬剤の成分が広がり、雑草の根から吸収され雑草を枯らします。また土に処理層を作ることで、雑草の発芽を止める効果があります。庭木を枯らしてしまうのは、土壌処理剤での使用が原因であることがほとんどです。

場所によって使えない除草剤がある

除草剤は、農薬登録されているものと、農薬登録されていない登録外除草剤があります。農作物や樹木、花木が栽培されている場所(農耕地)に散布できる除草剤は、農薬取締法に基づき国に農薬登録をされている除草剤でなければなりません

また農薬登録されている除草剤の中にも、適用作物名が「樹木」となっている除草剤は、適用場所が公園、庭園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地などで、人が植えた植物がない場所(周りに守るべき作物がない場所)に限られており、農耕地では使えません。山や林などに使える除草剤には「樹木類」と書かれています。

除草剤のラベルには農薬登録されている場合、農薬として登録された除草剤のパッケージには[農林水産省登録第○○号]と表記されています。農薬登録されている除草剤には適用作物名も必ず記載があります。樹木類があるかどうか確認しましょう。

農薬登録されている除草剤を適用作物や、適用雑草で探したい場合には、農家web 農薬検索データベースからも探せます。

木を枯らさない除草剤

では木を枯らさない除草剤は具体的にはどんな除草剤が適しているのか代表的なものを説明します。これらの除草剤は果樹園の除草などにも使われています。

グリホサート系除草剤

グリホサート系除草剤は、成分にグリホサートが配合されている茎葉処理剤です。グリホサート系の除草剤は、雑草の茎や葉に直接散布することで根まで枯らすことができる、吸収移行性を持った除草剤です。

グリホサートは、イネ科、広葉の一年生雑草、スギナドクダミなどの多年生雑草、ササ類、雑灌木、などほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は遅効性で効果の発現に3 7~日、そして完全な効果に10日~2カ月ほどを要します。

非選択性のため、薬液がかかるとすべての植物が枯れてしまいます。枯れたくない植物にかからないようにしましょう。土に落ちた成分は、短時間で土の粒子に吸着し、その後微生物により自然物に分解します。土に残った成分が根に吸収されることはないので、木を枯らす心配がありません

グリホサート系の除草剤は、多くの製品が販売されています。登録外除草剤も多く、家庭用に作られたものは、「長く効く」などと書いてあるものは土壌処理成分が入っている可能性もあります。それらを使うと木が枯れてしまう可能性があるので商品選びは重要です。

グルホシネート系除草剤

グルホシネート系除草剤は、成分にグルホシネートが配合されている茎葉処理剤です。薬液を散布した部分のみ枯れる接触型の除草剤で、根までは枯れません。

グルホシネートは、イネ科、広葉の一年生雑草、多年生雑草、ササ類、雑灌木など、スギナドクダミなど頑固な雑草含め、ほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は速効性で効果の発現に2 ~ 5日、そして完全な効果に5日~20日ほどを要します。

グルホシネートはグリホサート系と同様に、非選択性のため、薬液がかかるとすべての植物が枯れてしまいます。枯れたくない植物にかからないようにしましょう。土に落ちた成分は、短時間で土の粒子に吸着し、その後微生物により自然物に分解します。土に残った成分が根に吸収されることはないので、木を枯らす心配がありません

グリホサートは遅効性で根まで枯らすことができる、グルホシネートは速効性があるが根まで枯らすことができません。このため、多年生雑草など、根が地下に多い、また地下茎が発達し易い雑草が多い場所で、地下茎、根をしっかり枯らしたい場合は、グリホサート系の除草剤の方がおすすめです。グリホサートは、根まで枯れてしまうので、根を残したい田んぼの畔や傾斜地には崩れる恐れがあるため向きません。

おすすめの除草剤

ラウンドアップマックスロード

最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)です。成分は「グリホサートカリウム塩」で、グリホサートイソプロピルアミン塩の除草剤旧ラウンドアップや旧ラウンドアップのジェネリック製品であるサンフーロンエイトアップなどよりも、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい特性があります。希釈したAL剤は植栽地には適用はないため原液タイプを使いましょう。

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サンフーロン・エイトアップ

サンフーロンやエイトアップは、グリホサート系除草剤で、初代ラウンドアップのジェネリック品です。成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩です。ジェネリック製品なので安価に手に入れることができ、効果は、グリホサートイソプロピルアミン塩の他の製品と変わりません。このため、経済的にご利用可能です。原液を水で希釈して使います。

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バスタ液剤・ザクサ液剤

バスタ液剤は最もメジャーなグルホシネート系の除草剤です。類似品としてザクサ液剤もあります。原液を水で希釈して使います。接触型の除草剤ですので、枯らしたい雑草にむらなく丁寧に散布することで効果を発揮します。

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グリーンスキットシャワー

リンスキットシャワーは成分がグルホシネートの除草剤です。住友化学園芸が家庭菜園などで手軽に使えるように作った、シャワータイプの除草剤です。水で希釈する手間もなく、容器のまま散布できるので除草剤を初めて使う人にも簡単に使えます。

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散布方法

ここでは一般的な除草剤の散布方法について説明します。それぞれの除草剤によって、散布方法は異なりますので必ず使う除草剤のラベルを確認してから使うようにしましょう。

散布時期

茎葉処理剤は雑草の生育期に合わせて散布します。

希釈

原液タイプは、雑草に合わせて希釈倍率が決まっているので、それに合わせて水で希釈しましょう。除草剤には、希釈倍率の記載がなくて、代わりに薬量と希釈水量が書いてあります。これは作物への薬害を防ぐために、面積あたりの薬剤使用量が重要だからです。

馴染みのない方にはわかりずらいこともあると思いますので、希釈倍率表と希釈表の記事がありますのでこちらを参考にしてください。

噴霧器・ジョウロ

希釈した除草剤は、できれば噴霧器とその除草剤にあったノズルがあると効果的に除草剤を撒くことができます。家庭などではジョウロなどでも代用できますが、薬液が出すぎるので、ジョウロのノズル部分を真ん中だけ残し、周りをガムテープなどでふさいで使うのがおすすめです。

そのまま使えるシャワータイプの場合は、容器の口がシャワーになっているものが多いのでそのまま使います。

服装

除草剤を使う時には、長袖、長ズボン、帽子、表面に付着した液体が裏面に浸透しない素材でできた手袋、マスク、保護メガネをして使いましょう。

散布時の注意点

除草剤の散布は、枯らしたい雑草に薬液をかけていきます。量などはそれぞれの除草剤と雑草にあった量を散布します。グリホサート系は、吸収移行するためすべての葉にかける必要はありません。グルホシネート系は、薬液をしっかり散布する必要があります。

木を枯らさないようにするための注意点

  • 風の強い日は散布しない。 風で薬液が飛ぶと、枯らしたくない植物や木に薬液がかかり薬害がでる可能性があります。
  • 雨が降らない日を選ぶ 除草剤にもよりますが、茎葉処理剤は散布後雨が降ると、薬液が流れて効果が薄れる可能性があります。散布後6時間雨が降らない日を選びましょう。(雨に強い除草剤もあります)
  • 樹木に液がかからないようにする 枯らしたくない木の枝葉、幹に薬液がかからないように注意しましょう。木質化した太い幹からは吸収されにくいとされていますが、薬害が出る可能性もあります。とくに4年以下の若い木や、新芽などにかかると枯れてしまうこともあります。ビニールなどをかけて、散布するのもおすすめです。

まとめ

除草剤は便利ですが、間違った除草剤や使い方をすると、せっかく育てた木が枯れてしまうなどの危険があります。木の根は地下でつながっている可能性もあります。横の木を枯らすつもりが、根がつながっていて、枯らしたくない木も枯らしてしまったなどということもあるようです。

また除草剤に弱い木などもありますので、心配な方はお近くの植木屋さんなどに相談されるとよいでしょう。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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