この記事では、除草剤のラウンドアップの基本情報や、使い方など製品の特性を説明するとともに、効果的な使い方について、わかりやすく説明します。
ラウンドアップの使い方
ラウンドアップマックスロードは、茎葉散布・注入処理・塗布処理ができます。ランドアップロードAL剤はすでに50倍に希釈してあり、茎葉散布で使います。
茎葉散布
ほとんどの雑草は、生長した雑草の茎葉にジョウロや、噴霧器で散布して使います。希釈して使うタイプは水で希釈して使います。ラウンドアップマックスロードAL剤はすでに希釈してあり、注ぎ口がシャワータイプになっているので、そのまま散布することができます。
希釈倍率について
原液は水で薄めて使います。雑草の種類によって異なりますが、一般的な一年生の雑草には、原液10mlに1ℓの水で希釈します(希釈倍率100倍)、ドクダミやクズなどのしつこい多年生雑草には希釈倍率50倍、スギナには25倍にして散布します。AL剤はすでに50倍に薄めてありますので、大抵の雑草にはそのまま使えます。
使用薬量と希釈水量は、ラウンドアップのボトルの裏に細かい使用薬量と希釈水量が書かれていますので、それを参考にして希釈しましょう。またラウンドアップの希釈率とAL剤についての記事もありますのでそちらも参考にしてください。
専用ノズル
除草剤は、噴霧器やジョウロなどでまくことができますがラウンドアップ専用の除草剤ノズル「ラウンドノズルULV5背負噴霧機用」もあります。除草剤ノズルは通常の防除用のノズルにくらべて薬剤の粒径が大きいためドリフト(飛散)しにくいのが特徴です。「ラウンドノズルULV5」は、従来よりも少量の除草剤で効果を維持して散布できるノズルで、圧倒的な小水量で散布を行うことができ、少ない散布量で済むため、軽く作業時間の大幅な短縮になる優れものです。
注入処理
希釈するタイプは、竹や雑かん木、クズなどには木や茎に穴をあけて原液を注入する方法で除草する方法もあります。適用表に書いてある使用法ごとに説明します。
株頭注入処理
雑草のクズに使える除草方法です。クズの株頭に傷を付けて薬剤を塗布します。株の頭にナタや鎌などで、傷をつけてラウンドアップマックスロードの原液を、1~2mlを浸み込ませます。
立木注入処理
雑かん木、間伐するスギ、ヒノキ、アカギに、立木に直接薬液を注入して除草する方法です。幹元に7~8cm間隔でドリルなどで穴を開けます。空けた穴に、原液又は2倍液を1ml注入します。
つる注入処理
クズ・フジ等のつる類に直接薬液を注入して枯殺させる方法もあります。なるべく地面に近い蔓に、ナイフなどで外皮に縦に、傷(幅1.0~1.5cm、長さ6~8cm程度)をつけます。ラウンドアップマックスロードの原液もしくは2倍に水でうすめたものを傷に注入します。ツルが太い場合は1カ所だけでなく2ヵ所以上傷をつけると効果的です。
竹稈注入処理
幹が太くなった竹類には、薬剤を直接幹に注入して使うことで、根まで枯らすことができます。ドリルなどで竹の節から2~3㎝の下に穴をあけて、ラウンドアップマックス原液を5~10mlスポイトなどで注入します。注入したら穴はガムテープなどでふさいでおきましょう。
塗布処理
切株塗布処理
樹木を伐採したあと、切り株に薬液を塗って枯らす方法です。樹木の切断位置はできるだけ地面に近い所とします。切り口全体にまんべんなくを薬液を塗布します。もしくはドリルなどで穴を数個開けて原液または2倍液を穴に注入します。
雑草茎葉塗布
日本芝の中に生えた雑草だけに、塗布する方法です。原液を5倍~10倍に希釈して、ハケなどを使って雑草の葉に塗ります。芝に垂れると芝が枯れるので注意が必要です。
散布のタイミング
ラウンドアップのおすすめの散布のタイミングは、晴れた日の午前中です。
除草剤に限らず農薬は風による飛散(ドラフト)がないように散布するのが基本です。その点では朝がよいでしょう。茎葉処理剤は、朝露により効果が落ちるともいわれていますが、ラウンドアップマックスロードは朝露にもつよいので、早朝から撒くことができます。
根拠はわかりませんが、午後の散布より、午前中の散布のほうがよく枯れるともよくいわれます。朝に、植物は光合成をするために水が必要だから、朝に散布するとよく葉や茎が薬剤を吸い込むのではないかともいわれています。
雨と除草剤の関係
茎葉処理剤である除草剤は、薬液を葉や茎から吸収させて枯死させる効果を発揮します。よって散布後に雨が降ると、薬液が茎葉から吸収されずに流れてしまう可能性があります。
旧ラウンドアップは散布後6時間以内の降雨で効果の劣る場合があるとされていましたが、最新のラウンドアップマックスロードは、旧ラウンドアップにくらべてより多くの活性成分が雑草に吸収されるようになったため、散布後1時間経てば、その後で雨が降っても大丈夫です。
その他の注意点
希釈して使うタイプは、農耕地用ですが、希釈してあるAL剤は非農耕地用の除草剤です。家庭菜園や花壇の中など、植栽地には登録がないので使用はできないので注意しましょう。また適用雑草もそれぞれの製品によって異なりますので、よくラベルを読んでから使いましょう。
葉や茎から浸透して根まで枯らす薬液ですので、草丈が高く茎葉の面積が大きい方が効果が出やすいので、草刈りなどをせずに散布すると効果的です。
ラウンドアップの特性
ラウンドアップは、日産化学株式会社が販売する、最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)です。現在販売されているのは、「ラウンドアップマックスロード」です。原液とすでに希釈されているタイプ(AL剤)があります。
製品一覧
名前 | ラウンドアップ マックスロード | ラウンドアップ マックスロードAL | ラウンドアップ マックスロードALii | ラウンドアップ マックスロードALiii |
---|---|---|---|---|
概要 | ||||
タイプ | 原液 | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) |
特徴 | 希釈用。 農耕地で使え、経済的 | 基本タイプ | 基本+速効性 | 基本+速効性+持続 |
農耕地使用 | 〇 | × | × | × |
成分
ラウンドアップマックスロードの成分は「グリホサートカリウム塩」で、旧ラウンドアップは、「グリホサートイソプロピルアミン塩」です。「グリホサートカリウム塩」の方が、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい、また早朝の農作業で朝露が付いても、効果が減少しない特性があります。
除草剤のタイプ
除草剤は簡単に2パターンに分けられます。土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」です。茎葉処理剤には、薬液がかかった葉茎のみからすタイプと、葉や茎から吸収移行して根まで枯らすタイプがあります。
グリホサートが主な成分である、ラウンドアップの除草剤のタイプは「茎葉処理剤」で、グリホサート成分は吸収移行して根まで枯らす効果があります。非選択性(どんな植物にも効く)のため、農業に使用する場合など、散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。