トムソン 早く効いて根まで枯らす除草剤(MCPA入り)
その名の通り、商品名が「根まで枯らす除草剤」という、トムソンの除草剤です。有効成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩に加えて、MCPAが配合されています。
グリホサートを使った除草剤は「茎葉処理剤」で、薬液がかかった葉茎を枯らすことはもちろん、グリホサート成分は吸収移行して、根まで枯らす効果があります。しかし、グリホサートの弱点は効果が遅いこと。これを補うために速効性があるMCP Aを配合したのが本商品になります。
トムソン 根まで枯らす除草剤の使い方
水で希釈して噴霧器やジョウロで散布します。希釈倍率は、枯らしたい雑草によってことなりますが一般的な一年生の雑草には、原液10mlに1ℓの水で希釈します(希釈倍率100倍)、ドクダミやクズなどのしつこい多年生雑草には希釈倍率50倍、スギナには25倍にして散布します。
この商品の注意点は、農薬登録されていないことです。このため、畑や山林などの農耕地では使えません。説明書にも、道路、駐車場、グラウンドなど農作物等の栽培・管理以外の目的で用いられる場所で使用してください、と明記されています。家庭菜園でも畑などに使うと農薬取締法違反で罰せられますので絶対に使わないでください。
除草剤の種類
散布のタイミングの前に、除草剤について知っておきましょう。
除草剤には大きく分けて、成長した葉や茎に散布して雑草を枯死させる「葉茎処理剤」と、雑草が生える前や生長初期に、土に散布して雑草の発芽や成長を抑制したり、根から薬剤を吸収させて枯死させる「土壌処理剤」があります。また、この両方の効果を持つタイプもあって、「茎葉兼土壌処理剤」と呼ばれるものもあります。
葉茎処理剤
葉茎処理剤は液体タイプに多い除草剤で、ある程度成長した雑草の葉や茎に散布して、雑草を枯死させます。葉茎処理剤の中には、薬剤が接触した葉や茎だけを枯らす接触型の除草剤と、葉や茎に薬液を散布するだけで、根まで枯らすことができる吸収移行性を持った除草剤があります。
根まで枯らす除草剤の代表的なものは、グリホサート系と呼ばれる除草剤で、有効成分にグリホサートが入っています。ラウンドアップなどの商品があります。また接触型の除草剤はいろいろありますが、バスタやザクサなどのグリホシネート系の除草剤や、最近よく見かけるお酢の除草剤も接触型の除草剤です。
土壌処理剤
土壌処理剤は、粒剤と呼ばれる顆粒タイプの除草剤に多くあります。
雑草の発生前に土にばら撒くことで、土壌に処理層を形成して、その処理層に雑草の発芽が触れると発芽できずに、雑草の成長を阻害します。また雑草の生育初期に、土にばら撒いた薬剤は、土から水と一緒に雑草の根から吸収され、生育初期の雑草であれば、枯死させることもできます。
雑草の根まで枯らす除草剤
グリホサート系除草剤
グリホサート系の除草剤は、葉や茎に散布するだけで、有効成分が根まで移行して根まで枯らすことができる除草剤の代表です。世界で一番売れている除草剤で、ホームセンターなどでも手軽に買える除草剤です。
非選択性の除草剤ですので、薬液がかかるとほとんどの植物が枯れてしまいます。枯らしたくない植物や作物に薬液がかからないように注意しましょう。(土には残らないため、薬液が土に落ちても他の作物や植物を枯らす心配はありません)
茎葉処理剤ですので、散布時期は雑草の生長期、できれば雑草の開花前か生育が止まったころが適期です。生長しているときには、上に伸びる茎や葉に栄養がいくので生長が止まる頃に散布すると、根に栄養と一緒に除草剤の有効成分も根に行きやすくなります。
グリホサート系除草剤は多くの種類があります。畑や田んぼ、山林などでは農耕地で使用可能なグリホサート系除草剤を使いましょう。
おすすめのグリホサート系除草剤
グリホサート系の除草剤は、多く販売されています。最もメジャーなグリホサート系の除草剤、ラウンドアップマックスロードや、初代ラウンドアップのジェネリック製品のサンフーロン液剤は経済的にお得です。効果はそれほど変わりませんが、有効成分がグリホサートカリウム塩をつかったラウンドアップマックスロードは、散布後の雨に影響しにくいのが特徴的です。
カダンのザッソジーエースは希釈済みですので、ジョウロなども準備しなくてもよいですが希釈率が約50倍ですので、厄介な雑草などは25倍希釈などが使われる場合は、たっぷり散布しましょう。
グリホサート系の除草剤は他にもたくさんあります。商品について知りたいときには詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
その他の除草剤
グリホサート以外にも根まで枯らす除草剤はあります。グリホサート系の除草剤は非選択性除草剤なので、芝生の雑草対策に散布すると芝まで枯れてしまうため、芝生には選択制の除草剤が使われます。また畑などでも、全面散布ができないので作物に使える選択制の除草剤もあります。
これらの除草剤の詳細は、下記の記事で詳しく説明しています。
雑草の根から枯らす除草剤
雑草の根から枯らすのは、土壌処理剤と呼ばれる除草剤です。雑草の生育期に散布できるものもありますが、基本的には雑草が生える前、生育初期に散布して使う除草剤です。
おすすめの土壌処理剤
土壌処理剤は、有効成分が土壌に吸収されて根から吸収されます。土壌に残ることで発芽を止める効果もあるので、非選択性で非農耕地用のものが多くあります。これらの除草剤は、効果が長く続く分、他の植物も育ちません。また風でドラフトしたり、大雨などで薬剤が畑や、田んぼなどに流れ込むと薬害が生じます。樹木が生えている場所では、根から吸収されて木が枯れてしまうこともあるので、使用にはラベルをよく読んで正しく使うことが大切です。
カダン除草王は6カ月、ネコソギトップWや、クサノンEX粒剤は最長9月雑草の発生を抑制します。農耕地で使えるカソロンは、濃度により適用作物や、適用雑草が異なります。
まとめ
根が枯れる除草剤は、しつこい多年性雑草(スギナ、クズ、ドクダミなど)が生えている場所に有効です。何年も多年生雑草が繁殖しているような場所では、雑草が大きくなっているときに茎葉処理剤を散布し、冬から春に雑草が発芽するまえに土壌処理剤を散布するのが効果的です。
畔や斜面などでは、根が張ることで畔や斜面を保っていることもあるため、除草剤を使うと崩れる可能性もあるので、根が枯れない接触性の除草剤などを使うなど使い分けをしましょう。