お墓に除草剤は使えるの?
お墓に除草剤は使えます。お墓や庭は、基本的には非農耕地であるため、市販されている除草剤は全て使うことができます。ここでは、強力な除草効果を持つ除草剤に絞って、おすすめ除草剤を紹介します。
お墓や庭の除草で使える、おすすめ強力除草剤!
ラウンドアップマックスロード(日産化学(株)) (液体)
非選択・葉茎処理・農耕地用
最もメジャーなグリホサート 系の除草剤(液剤)です。成分は、グリホサートカリウム塩で、グリホサートイソプロピルアミン塩のラウンドアップ やサンフーロンなどよりも、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい特性があります。ラウンドアップ は、原液を希釈して薄めて使うタイプから、そのまま使えるシャワータイプのALシリーズなど、様々なシリーズがあり、用途に合わせて経済的に使用できます。
アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 (アイリスオーヤマ) (液体)
非選択・葉茎処理・非農耕地用
グリホサートイソプロピルアミン塩の遅行性をカバーするために、MCPAを配合して速効性を持たせた除草剤(液剤)で、希釈せずそのまま使用できます。こちらの商品は、非農耕地用除草剤なので、農耕地で使用することはできませんが、お墓や庭にぴったりです。速効性を求める場合は、是非こちらを検討してみてください。
その他、グルホシネート系の除草剤も、速効性があって、おすすめです。
カダン除草王(フマキラー(株)) (細粒)
非選択・土壌処理・非農耕地用
非ホルモン型吸収移行性の尿素系のカルチプレートを成分とした除草剤であり、雑草・草の光合成阻害により除草します。
カダン除草王は、細粒の非選択制除草剤で、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、ブタクサ、ツユクサ、ハコベなど一年生雑草といわれる一般的な雑草から、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、スギナといった多年生広葉雑草、ススキ、チガヤといった多年生イネ科雑草、ササ類など枯れにくい雑草まで、根っこまで枯らすことができます。効果は最大約6ヵ月間と長期間持続することも特徴です。
こちらの製品も非選択性で全ての植物、庭木に影響を与えるため、植物、庭木を植えている、植える予定の花壇やまた畑、水田といった農地では使用できません。是非、お墓や庭で試してみてください。
ネコソギパワー(ネコソギトップW) (レインボー薬品(株)) (細粒)
非選択・土壌処理・非農耕地用
アミカルバゾン、ブロマシルを成分とした、粒のまま地面にパラパラ撒くタイプの粒状の除草剤で、除草効果が約5~9ヶ月間という非常に長期間持続するのが特徴です。1~2週間で枯れ始め、30日前後でほとんど枯らすことができ、成分が土壌に一定期間とどまるので、新しい雑草の発生を予防できます。
こちらの製品も非選択性で全ての植物、庭木に影響を与えるため、植物、庭木を植えている、植える予定の花壇やまた畑、水田といった農地では使用できません。是非、お墓や庭で試してみてください。
クサノンEX粒剤 (住友化学園芸(株)) (細粒)
非選択・土壌処理・非農耕地用
ターバシル・フルミオキサジンの2種類の有効成分で、スギナ・ススキ・ヤブガラシなど各種雑草の葉や茎だけでなく根までスッキリ枯らすことができる土壌処理剤です。低温時にも使えるところが特徴で、植栽地を除く樹木等の周辺地に撒くことを想定した薬剤です。是非、まだ雑草が生えていない春前に使いたい商品です。
こちらの製品も非選択性なので、農耕地では使用できない点、ご注意ください。
除草のもう一つの方法 防草シート(除草シート)
除草剤を使う他に、墓地や庭で除草する方法として、防草シート(除草シート)を張る方法があります。
防草シート(除草シート)は、光をほぼ遮光することで、植物に光合成を行えないように抑制し、この結果、植物は炭水化物を生成できなくなり、生長したり生えたりしてこなくなるという仕組みです。
また、防草シートはその上に、砂利や玉砂利などを敷くことを前提にしているので、墓地や庭の景観的にもマッチします。
防草シートについては、下記コンテンツに詳しく説明していますので、是非参考になさってください。
除草剤のタイプについて
「土壌処理剤」と「茎葉処理剤」
まず、除草剤の大きなタイプ分けとして、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。
「土壌処理剤」は、土壌に成分が残り、雑草の発芽成長を妨げる発芽抑制効果があるなど、茎葉処理のものより多くの植物を除去することができます。しかしながら、草丈20〜30cm以上草が生長している場合は、効き目が弱く、効果を出すためには、草刈りした後での散布が必要になってきます。
「茎葉処理剤」は、散布された薬剤に接触した部分の植物組織だけを枯らします。このタイプの薬剤は種類を限定して効果を発揮することができる選択的除草剤が多くあります。
「土壌散布」と書かれているものは、「土壌処理剤」、「茎葉散布」と書かれているものは「茎葉処理剤」と判断してもらって大丈夫です。既に雑草が繁茂している場合は、茎葉処理剤を、まだ雑草が生えていなくて、これから生えてくるのを抑えたい場合は、土壌処理剤を選んでください。
非選択性と選択性
次に、除草剤は接触した全ての植物を枯らす「非選択性除草剤」か、対象とする植物種を枯らす「選択性除草剤」かに分けられます。除草剤の研究により、枯らす対象となる植物を絞り込む「選択性除草剤」が多く開発されています。枯らす仕組みは主に、光合成を阻害して枯らすもの、植物ホルモンを撹乱させて生長を阻害するもの、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して枯らすものがあります。
お墓や庭での除草に使う場合は、周りに枯らしたくない作物、植物などがない場合は、非選択性除草剤を選んでください。枯らしたくない植物がある場合は、除草剤を散布しないようにするか、ピンポイントで狙った雑草を枯らせる洗濯生除草剤を選んでください。
農耕地用か、非農耕地用か
除草剤を家の芝生や花壇、庭以外の畑などで使う場合は、その除草剤が農耕地で使用できるものかどうか、注意が必要になってきます。
具体的には、農薬取締法に基づき国に農薬登録をされている除草剤(農薬として登録された除草剤のパッケージには[農林水産省登録第○○号]と表記されています)しか、畑や田んぼ、菜園、植物を植えた庭などに散布することはできません。
安全を担保するため、そのような場所での使用は、薬効、薬害・残留性、動植物への毒性・影響を調査し、農林水産省の登録がなされたものに限定されているのです。農林水産省の登録がない除草剤を農耕地で使用した場合、「農薬取締法」違反となり、罰則の対象となるので、注意しましょう。
お墓や庭の場合は通常、非農耕地なので、農薬登録されていないものも使用可能です。強力な効果がある除草剤を使いましょう。
除草に塩、除草塩は有効?
最近、お墓や庭に塩を撒くことで、除草することを勧めている記事、また除草塩という商品などが見受けられます。確かに塩分濃度が高くなると雑草は枯れるので、除草の効果はありますし、塩は非常に土壌に残留、蓄積するので、雑草が新しく生えてくることも防ぎます。
しかしながら、塩は土の中で分解されないため、半永久的に効果が持続します。このため、未来にわたって植木や花などはもちろん、野菜や穀物などの作物が一切育たたくなってしまうのです。また、土壌はつながっています。雨などで塩が流れ出て、隣の土壌にも多大な被害を及ぼします。
墓地や庭の近くには、農耕地があることも多いでしょう。塩を使うことで、隣の農家の方に被害をもたらしてしまうことがあるのです。このため、除草に塩を使うことはくれぐれも避けてください。
まとめ
お墓や庭が非農耕地である前提で、強力な除草効果を持つ除草剤に絞って、ご紹介しました。除草のポイントは、既に雑草が茂っていたら、葉茎処理剤を使ってしっかりと枯らし、その年の春に土壌処理剤や防草シートを使うと、通年雑草を防除することができ、もう雑草に悩まされなくなります。
先祖代々を供養する場であるお墓、そして大事なお彼岸などでの墓参り。綺麗な墓地、墓石を維持し、清めるためにも、雑草をしっかり駆除、防除したいですね。是非、葉茎処理剤、土壌処理剤、防草シートを上手に使い分けて、今年こそ、草刈り、草取りのない生活を過ごしてください。