ぶどう(葡萄)の苗は最近はホームセンターなどで手軽に手に入るようになり、家庭菜園としても人気が高まっています。ぶどうに肥料を与えようと思っても肥料はたくさん種類があってどれを使っていいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そんな時にはメーカーがぶどう専用に配合している専用肥料がおすすめ。この記事ではぶどうの専用肥料はどのようなものがあるのか、またその使い方などをわかりやすく説明します。
ぶどうの肥料の与え方
ぶどうの肥料の基本は、年2回。秋の10月下旬~11月に基礎となる時期に元肥としてゆっくり効果のでる「緩効性肥料」を与え、収穫の後にお礼肥として「速効性の肥料」を与えます。その他苗の様子を観察して、肥料切れをおこしているようでしたら追肥として速効性の肥料を与えます。
苗から購入したぶどうの苗は、庭に植えつけをしたり、植木鉢やプランターなどに植え替えるときに元肥として緩効性肥料を施すのが一般的です。
ぶどうの肥料時期や与え方は、詳しく書いている記事がありますのでそちらも参考にしてください。
ぶどうの専用肥料
それではおすすめのぶどうの専用肥料や果樹専用の肥料について、いくつか説明していきます。庭植えには土壌改良効果のある有機肥料もおすすめ。鉢植えやプランターでベランダ栽培などをするときには、臭いや虫が気になることもあるので、化成肥料や有機配合肥料を使うとよいでしょう。
ぶどうがおいしくなる肥料
まず最初に、ぶどう専用肥料としてよく目にするインターネット園芸・種苗通販会社花ひろばインタネット株式会社の「ぶどうがおいしくなる肥料」です。
つる性の植物用につくられた専用肥料の有機肥料です。ぶどうだけでなく落葉果樹全般に使用することができます。カニガラ・魚かすなどの有機物にマグネシウム・アミノ酸が配合されています。肥料成分は、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=4:9:5。価格は2kgで2000円程度。
マイガーデンベジフル
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、粒状の様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができる肥料で栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しています。マイガーデンベジフルは、野菜や果樹の専用肥料で有機入り化成肥料です。肥料分はN(窒素):P(リン酸):K(カリ):Mg(マグネシウム)=7:7:10:1.5 価格は1.6キロで1000円程度です。
ぶどうの元肥の使用量は、コンテナ栽培では8g/用土ℓ、庭植えで一株300gとパッケージに書かれています。通販だけでなくホームセンターなどでも手軽に購入できます。
花ごごろの果樹・花木の肥料
園芸用土や肥料など農業資材を取り扱う会社、花ごごろが販売する「果樹・花木の肥料」です。油かす・米ぬかなどの有機物を含み、リン酸成分が多いので、果実のつきがよくなります。
肥料成分は、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=4:9:1で、価格は1.8kgで1200円程度です。パッケージにはぶどうへの使用量の記載はありませんが、鉢の大きさや、樹高を参考に施肥してださい。
錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用
ハイポネックスジャパンが製造販売する「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」という肥料もあります。追肥に利用する錠剤タイプで、置くだけでOKという簡便な肥料です。N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:10:9で配合されているほか、マグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウムも加えられています。
また、ハイポネックスには「ハイポネックス原液」などの液体肥料(液肥)もあり、樹勢が弱っているときに与えると良いでしょう。
大粒ぶどう配合70号
庭植えで大粒のぶどうには、旭肥料の大容量(20㎏)のぶどう専用肥料があります。有機質が63%入っている有機質主体の有機化成肥料です。肥料分は、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=3:8:6で配合されているほか、マグネシウム2 マンガン0.1 ホウ素0.05 アルカリ6.5 配合されています。価格は20kgで4,400円程度です。
【補足】肥料の呼び名について 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。花や結実の後に与える追肥をお礼肥といったり、冬に与える追肥を寒肥(かんごえ)といったりもします。
【補足】有機肥料と化成肥料について
肥料には有機肥料と化学肥料と呼ばれるものがあります。
有機肥料とは動植物由来の原料を使って作られている肥料を指します。畑や庭などの地植えに使うと土壌改良効果も期待できますが、虫がわいたり臭いがつよいものもあります。
化学肥料は、化学的に合成、あるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。化成肥料は化学肥料に化学的操作を加えて製造された複合肥料を「化成肥料」といいます。三大要素がバランス良く含まれており初心者の人でも使いやすい肥料です。
有機肥料、化成肥料両方にメリット・デメリットがあります。どちらがよくてどちらが悪いということではありません。最近では有機肥料を配合した化成肥料などもあり両方のメリットをうまく配合している肥料も多く販売されています。