ゼラニウムは開花時期も長く初心者にも育てやすいため人気の草花です。ここでは、ゼラニウムをきれいに咲かせるにはいつ、どんな肥料を与えるのがよいのか、おすすめの肥料や肥料時期、与え方の基本から栽培のポイントについて説明します。
ゼラニウムに対する肥料時期と与え方
それでは、ゼラニウムの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。ここではゼラニウムに肥料をやる時期と肥料について、基本的な考え方を説明します。
ゼラニウムに肥料を与える時期
肥料は、植物の生育期に与えることにより成長を手助けすることができます。
ゼラニウムの生育期は真夏と冬を除く時期です。肥料は早春から初夏(3月~7月)と秋(9月~10月)に与えます。この時期には植え替え・植えつけが可能です。植え替え、植えつけ時には元肥を施し、生育期には肥料を切らさずに追肥します。
生育が旺盛なため、肥料切れをおこしやすく肥料切れがおきると、花つきが悪くなるので注意しましょう。
ゼラニウム栽培の肥料を与え方
- 春
- 夏
真夏までは、春と同様に、緩効性肥料を置き肥するか、1~2週間に1度程度液体肥料(液肥)を追肥します。真夏は生育が衰えるので肥料は必要ありません。
- 秋
夏が終わればまた生育期に入ります。春と同様に、緩効性肥料を置き肥するか、1~2週間に1度程度液体肥料(液肥)を追肥します。植え替え、植え付けもこの時期に行うことができます。
- 冬
生育や止まる時期です。肥料は不要です。耐寒性は強くはありませんが、関東から西の暖地では外で冬越しすることも可能です。凍るような寒さが続くと冬越が難しくなりますので、鉢植えの場合には、室内に取り込んで管理しましょう。
ゼラニウム栽培に適したおすすめの肥料とは
ゼラニウムは生育期に肥料を切らさず育てる必要があるため、効果が長く続く緩効性肥料がおすすめです。肥料成分は三要素(チッソ、リン酸、カリ)が含まれており、リン酸の比率が多い肥料がおすすめです。
追肥には液体肥料も使えますが、液体肥料は速効性の肥料がほとんどなので、1週間に1度ほど水やり代わりに与える必要があります。固形の緩効性肥料を使いながら、肥料不足などの症状がでたときに、液体肥料を使うのもよいでしょう。
元肥・追肥に使えるおすすめの緩効性肥料 3選!
固形肥料は、液体肥料(液肥)と比べ、緩効性・遅効性の肥料が多くなります。植え付け時、植え替え時の元肥として使用できます。また、観葉植物の生育が始まる春先から、用土の上に置けば2ヶ月以上効果が持続する追肥として使用できる肥料もあります。
マイガーデン 花・野菜用
マイガーデンは、栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しており、土の活力を高める効果もあります。元肥、追肥に使える粒剤で肥料効果が2~3か月続きます。
N-P-K=11-11-7と肥料成分が多く配合されていますが、樹脂コーディングのため、肥料が直接根に触れても肥料やけしないのが特長です。マイガーデンにはいくつか種類がありますが、ゼラニウムにはマイガーデン「花・野菜用」がおすすめです。
プロミック 草花・鉢花用
プロミックは、ハイポネックスが販売する錠剤タイプの緩効性肥料です。追肥として使います。鉢の縁においておくだけで、水やりのたびに肥料分が流れ出て効果が2ヵ月続きます。プロミックにはいくつか種類がありますが、ゼラニウムには草花・鉢花用がおすすめです。N-P-K=8-12-10とリン酸(P)の割合が多く、化成肥料なので臭いなどの心配もありません。
花ごころ まくだけ!花と野菜の肥料
非常にメジャーな、どんな草花・野菜にも使える緩効性の肥料です。 天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を傷めません。チッソ・リンサン・カリの三大要素を均一にバランスよく配合しています。腐植が土壌の団粒化を促すので、土壌改良にも役立ちます。
ゼラニウムにおすすめの液体肥料(液肥)
ゼラニウムには緩効性化成肥料が手間かからずおすすめですが、液体肥料でも育てることができます。液体肥料とは液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった肥料で、原液を水で希釈して使うタイプとそのまま使用するストレートタイプがあります。
液体肥料はほとんどが速効性の肥料のため、長く効果が続かないため、単体で使う場合は、1週間~10日ごとに水やり代わりに肥料を与えます。緩効性肥料などを使い、葉が黄色くなるなどの肥料不足を補うために使うこともあります。
ゼラニウムには花用肥料がおすすめです。ハイポネックス原液は肥料成分がN-P-K=6-10-5、住友化学園芸の花工場原液の肥料成分はN-P-K=8-10-5とリン酸が多い液体肥料です。ハイポネックスには殺虫剤入りの肥料もあり、アブラムシなどの対策にも効果があります。原液タイプは水に希釈して水やり代わりに与えます。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
ゼラニウムの栽培のポイント
栽培環境・置き場所
ゼラニウムは日当たりのより風通しのよい場所を好みます。高温は苦手です。夏は西日があたらない半日陰で育てましょう。過湿には弱いので梅雨や秋の長雨の時期には、雨が当たりすぎないように軒下に置くなど注意が必要です。
水やりも、土の表面が乾いてから与えるようにして、水分が過剰にならないようにやや乾燥気味に育てます。
植えつけ、植え替え
春と秋に植え替えを行うことができます。根詰まりをした場合は植え替えをしましょう。根腐れを起こしているような古い根を切り取り、大きくしたい場合は一回りから二回り大きな鉢に植え替えます。株を大きくしたくない場合は、根株をさらに小さくしてから同じ大きさの鉢に植え替えます。用土は、市販で販売されている培養土でも育ちます。
ふやし方
挿し木(さし木)で増やすことができます。枝の一番上にできる芽(頂芽)を挿し穂にする「天芽挿し」か、茎の中間部分を切り取って挿す「管挿し」でも増やせます。
春と秋に、新しい茎を10cmほど切り取り、ポットか鉢に挿し木します。長雨の時期はすぐに挿し木せず1日ほど乾燥させてから挿し木します。
ゼラニウムは、水挿しでも挿し木で増やすことができます。水挿しでのふやした方はこちらで詳しく説明しています。
また種まきでも増やすことができます。種をまくのは5月に行いましょう。
切り戻しと花がらつみ
花が咲き終わったら、花がらを摘み取りましょう。開花が全て終わったら花茎の根本から切り取りましょう。同時に黄色くなった葉や枯れた葉も取り除きます。
葉姿が広がりすぎたり、葉だけ伸びているようなときは、春と秋に切り戻しができます。茎を切るときは、節の上で切り戻ししましょう。
害虫に気をつけましょう
ゼラニウムには、ハダニやアブラムシ、ハマキムシ、ヨトウムシの幼虫が発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)