この記事では、身の回りのもので一番手軽にできる、牛乳パックを使った生ゴミ堆肥の作り方について、詳しく簡単に解説します。
牛乳パックを利用した生ゴミの堆肥化
準備するもの
- 生ゴミ
- 牛乳パック
- 米ぬか
また、発酵を促進させるために「コーランネオ」などの微生物資材を投入するのも効果的です。
生ゴミ堆肥を作るときは清潔な牛乳パックで
まず、容器となる牛乳パックはよく洗って乾かした状態にしてください。雑菌が繁殖していると、発酵に影響がでます。また、牛乳パックに破れなどがないことも確認してください。
他の容器を使った生ゴミの堆肥化については、下記の記事を参考にしてください。
生ゴミ堆肥の簡単な作り方 手順
- 手順1生ゴミを準備する。
生ゴミはしっかりと水を切った状態にしましょう。また、微生物による分解を促進させるため、大きな生ゴミは小さく切っておくと良いでしょう。
特に密閉型容器の場合は、水分量が多いと腐敗し失敗しやすくなるので注意が必要です。
- 手順2床をつくる。
まず、発酵させるための床を作ります(ぬか床と一緒です)。
腐葉土もしくは、乾燥させた土を用意し、牛乳パックの1/3の高さまで入れます。ここに米ぬかを土の1/4程度入れて、よく混ぜ合わせます。その後、発酵が始まるまで数日(早ければ1日)、放置します。
発酵が進んでいなさそう、もしくは発酵を促進させたいときには、微生物資材(コーランネオなど)を軽く振りかけてよく混ぜ合わせてください。
- 手順3生ゴミを投入する。
生ゴミを投入するときには、生ゴミに米ぬかを混ぜ合わせて投入してください。微生物資材は適宜追加投入してください。
生ゴミの投入が終わったら、1/3程度、腐葉土もしくは古土を入れます。
- 手順4保管する。
牛乳パック上部をテープなどで止めて、臭いが漏れたり虫が侵入することを防ぎます。さらに、蓋付きの箱の中に入れて置くと心配が減ります。
直射日光の当たらない場所で保管してください。
- 手順5手順3〜4を牛乳パックいっぱいになるまで繰り返す。
おおよそ、2〜3回繰り返すと満杯になると思います。
- 手順6堆肥化完了の確認をする。
生ゴミの最初の投入から1〜3ヶ月程度経ち、発酵速度、温度が落ちてきたら完了に近いです。
堆肥化が完了したものは、切り返し(全体的に混ぜ合わせる)をして全体的に発酵させます。
- 手順7完熟させる。
完成した生ゴミ堆肥を熟成させます。未分解の生ゴミを取り除いて引き続き密閉し、約1ヶ月〜3ヶ月、熟成させます。たまに、ビニールシートなどに広げて、切り返しや加水を行うことで熟成の速度が安定します。
肥料・堆肥を作るときに使用できる生ゴミの種類
生ゴミ堆肥・肥料を作るときに使用できる生ゴミと使用しないほうが良い生ゴミがあります。これはモノによって、微生物による分解のしやすさなどが異なるからです。簡単にまとめると下記のような生ゴミは使用しないほうが良いでしょう。
下記に使用できる生ゴミ、使用しないほうが良い生ゴミ、使用してはいけない生ゴミの例を挙げますので、堆肥・肥料づくりの参考にしてください。
使用できる生ゴミ | 使用しないほうが良い生ゴミ | 使用してはいけないゴミ |
---|---|---|
・ごはん ・野菜、果物の切れ端など ・卵の殻 ・魚、肉類(骨以外、但し煮魚や焼き魚の骨など細かく分解できるものはOK) ・小麦粉(パン、麺類) ・茶葉 ・コーヒーの出がらし(コーヒーかす) ・栽培のときに発生した残渣物(但し、病気などに侵されていないもの) | ・硬い野菜、果物の皮 ・生米 ・魚、肉類の骨 ・塩分の多いもの(一度水に漬け込んで塩分を落とし、水分をしっかり切ればOK) ・水分の多いもの(水分をしっかり切ればOK) ・お弁当の残り物など調理済みで塩分、油分が多いもの ・タケノコの皮 | ・割り箸、爪楊枝 ・腐った生ゴミ ・果物や野菜の硬くて大きい種(梅干し、桃など) ・ビニールなどプラスチック類が含まれるもの ・金属類 ・ティーパックの紙袋など紙類 ・タバコの吸殻 ・輪ゴムなどのゴム類 ・病気に侵された草花や残渣物 |
生ゴミ堆肥・生ゴミぼかし肥料を作るコツ
異物や分解しにくいものを投入しない
生ゴミ堆肥・ぼかし肥料は、微生物によって分解されることで完成します。そのため、微生物の分解に影響のあるものを投入するのはやめましょう。
大きなものは小さく切ってから投入する
大きなものでも時間をかければ微生物は分解できます。しかし、大きければ大きいほど分解には時間がかかります。生ゴミを小さく切って投入することで、分解のスピードを上げてやることができます。
大体、1cm〜2cm角くらいの大きさになっているととても分解しやすいです。やれる範囲でやってみましょう。
水分はしっかりと切ってから投入する
堆肥・ぼかし肥料を作るにあたって最も重要な要素の一つに「水分」があります。微生物は水分がなければ分解を進めることはできませんが、逆に多すぎると腐敗を進めてしまうことになります。
水分はしっかりと切ってから投入し、水分は状況を見ながら加水することで調整するのがベストです。
腐ったものは投入しない
腐ったものは、腐敗や臭い(臭気)の原因となりますので使用しないほうが良いでしょう。どの作り方にも共通して言えますが、生ゴミは出たらそのときに処理するが基本です。
そもそも生ゴミから堆肥は作れるのか?
生ゴミを使用して、主に以下の2種類の肥料を作ることができます。
厳密には、堆肥とぼかし肥料は別物となります。堆肥とぼかし肥料の大きな違いは「土に入れたときに栄養素として分解されるスピード」です。
ぼかし肥料と比較して、堆肥のほうが微生物による分解に時間が長くかかります(遅効性が高い)。
ぼかし肥料は、乳酸菌や酵母など微生物による分解が進んだ状態となりますので、栄養素として吸収されやすいです(速効性が高い)。
世間一般的に、生ゴミ堆肥として紹介されているものは、発酵の進行度合いによってはぼかし肥料に近いかたちであり、厳密には「堆肥(完熟堆肥)」とは言えないかもしれません。
農家webでは、生ゴミの堆肥とぼかし肥料を論理的に以下のように区別することにします。
- 生ゴミ堆肥:生ゴミと枯れ葉や腐葉土、米ぬかなど有機物資材を混ぜ自然発酵させて作ったもの
- 生ゴミぼかし肥料:上記有機物資材のほか、発酵を促進するためにEM菌など微生物資材を混ぜて作ったもの
その他、生ゴミの堆肥・ぼかし肥料の作り方は?
下記の記事にて、生ゴミを利用した堆肥・ぼかし肥料の作り方を詳しく解説していますので、参考にしてください。