この記事では、花壇に植えられる植物に適したおすすめ肥料、肥料の選び方・与え方、活力剤まで網羅的に紹介します。
施肥のタイミングと考え方、肥料の選び方
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
花壇は、大きな庭とは異なってそもそも用土の量が限られるため、庭の広い土壌を使って栽培するよりも水分が蓄積し難く、水と共に肥料が流れやすいため、追肥も重要になってきます。
花壇の植物におすすめの肥料一覧
花壇での栽培に使用する肥料は、土壌で植物を栽培するという点で、野菜や果樹などの土耕栽培に使うものと基本的には同じもので問題ありません。「花壇だから特別な肥料を使う」ということはありません。
プランターや鉢植え栽培で使用できる肥料であれば、問題なく使用することができます。ガーデニングで育てられる植物は主に花や草木など観葉植物であることが多いと思いますので、その点では花肥と呼ばれるリン酸が豊富に含まれている肥料も良いでしょう。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
化成肥料(化学肥料)、有機肥料のどちらが良いということはないです。この記事では、初心者の方にも扱いやすい、おすすめの肥料の組み合わせをご紹介します。
花壇向けの肥料 元肥におすすめの肥料
上記の通り、元肥には緩効性肥料、遅効性肥料がおすすめです。この中でも初心者の方にも扱いやすい肥料をご紹介します。
マイガーデン植物全般用
マイガーデン植物全般用は、様々な観葉植物・草花・庭木・果樹、球根系にも使うことができる肥料です。
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができます。
栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しており、植物が肥料を吸収しやすくする働きや、土壌の保水性、通気性を高めるなど、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしています。
また、肥料成分は樹脂コーディングし、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶けだす量が調節され、効き目が持続するリリースコントロールテクノロジーを採用しており、樹脂コーディングのため、肥料が直接根に触れても肥料やけしないのが特長です。元肥、追肥両方に使用可能です。こちらは粒状の製品ですが、液体タイプ(液肥)のマイガーデンもあります。
マイガーデンの肥料は他にも種類がありますよ!
ハイポネックス マグァンプK
ハイポネックスジャパンが販売する元肥用の定番の粒状肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていて、元肥に申し分ありません。土にしっかり混ぜて、大粒で約2年、中粒で約1年、生長効果が持続します。マグァンプK 小粒は追肥に有効です。
花壇向けの肥料 追肥におすすめの肥料
上記のように、追肥は元肥と異なり、速効性がある肥料がおすすめです。速効性がある肥料の中でも、手に入りやすく扱いやすい肥料をご紹介します。
ハイポネックス 原液
液体肥料(液肥)国内トップシェアを誇るハイポネックスの定番液体肥料です。ハイポネックス原液は、「三大要素(窒素、リン酸、 カリ)」の他、マグネシウムやカルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素を最適のバランスで配合された液体肥料(液肥)で、水で薄めて使います。
他のハイポネックス商品もガーデニング初心者にとって扱いやすいので、興味ある方は下記も是非一読ください(アブラムシやヨトウムシなどの病害虫の予防・駆除という農薬的要素も入っている肥料や、芝生など作物に特化した肥料、希釈しないでそのままの濃度で使える肥料もあります)。
マイガーデン 液体肥料
当製品は、先ほど紹介したマイガーデン植物全般用の効果に加えて、モイスト成分と呼ばれる土の潤い・活力が増す作用があり、保水力と保肥力が高まります。このため、用土に取り入れることで肥料が効果的に染み渡るとともに、暑い夏の水管理に効果を発揮します。液体肥料(液肥)なので速効性が期待でき、追肥用としておすすめの商品です。
バイオゴールドオリジナル
こちらは有機肥料でありながら、即効性があり追肥に向いている珍しいタイプの肥料です。生育に必要な三要素(チッソ・リンサン・カリ)はもちろんカルシウム・マグネシウムをはじめ豊富な天然のミネラル類がたっぷりと、バランス良く含まれています。
有機肥料は臭いが伴うものが多いですが、こちらの商品は施肥後の臭いも気にならず、粒状ですが、ばらまいて使用する他に、水に溶かして液肥として使うこともできますし、肥料焼けも起こりにくいという利点もあります。初めて有機肥料を使用してみたいと思われる方には、試していただきたい商品です。
合わせて使いたい活力剤(栄養剤)
植物の栄養剤として肥料の他に「活力剤」と呼ばれる製品があります。活力剤は、植物の活性を高める目的で使われ「窒素(チッソ)・リン酸(リンサン)・カリウム(加里)」の三要素以外の養分やアミノ酸、フルボ酸などの有機酸が含まれています。
活力剤は、単体で施用するのではなく、あくまで肥料にプラスして施用するものです。肥料はしっかりと適期に施しつつ、植物が弱ってきたり、より綺麗に花を咲かせたい、葉緑素(光合成に影響があります)を増やして葉を青くイキイキさせたいときに有効です。
種類としては液体やアンプルのものがあります。
リキダス
リキダスは、3種類の有効成分コリン、フルボ酸、アミノ酸を配合し、3つの相乗効果で植物本来が持っている力を引き出し、元気な植物を育てる活力液です。また、カルシウムをはじめ、不足しがちな各種ミネラル(鉄・銅・亜鉛・モリブデンなど)が、植物に活力を与え、美しい花を咲かせると共に、葉面散布液としても使用できるおすすめの活力液です。
土壌に挿してそのまま使えるアンプルタイプのものもあります。
植物活力素 メネデール
植物の生長に欠かせない鉄を、根から吸収されやすいイオンの形で含む植物活力素で、発根を促し、元気な植物に育てます。肥料でも農薬でもないので気軽に使用できます。
バラ専用・観葉植物専用の肥料もおすすめ
バラ(薔薇)専用、観葉植物専用の肥料など、それぞれの花木に合わせて配合が最適化された肥料も販売されています。
また、三要素(チッソ・リンサン・カリ)やマグネシウム、カルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素の最適のバランスで配合した肥料もあります。
特に花壇で取り入れやすい花木専用の肥料は、ハイポネックスの専用液肥(トップクオリティ)シリーズ、ハイグレードシリーズ、キュートシリーズなどがあります。下の記事にハイポネックスに関する情報をまとめていますのでぜひご覧ください。
植物別のおすすめ肥料
農家webには、植物別におすすめの肥料をまとめている記事がたくさんあります。
バラにおすすめの肥料
芝生におすすめの肥料
ハーブにおすすめの肥料
その他
その他にも植物ごとにおすすめの肥料を掲載した記事がありますので、検索欄に植物名を入れて検索してみてください。
検索欄は、「右のサイドバー」もしくは「サイドバーメニュー」にありますよ!
花壇の植物栽培で特に気をつけたい点
花壇での栽培は、ガーデニングの一種と言えるでしょう。
ガーデニングとは、その名の通り庭やベランダで、草花・苗を植え付け、生育、栽培することを指します。花を咲かせたり、また庭木を育てたり、柵やレンガや石畳で庭をデザインしたりするなど、庭作り・園芸を総合的に楽しむことができます。
今日では、草花に加えて、果菜類の野菜や果樹などを植えて栽培、収穫するような家庭菜園、また室内(インドアガーデニング)もガーデニングの範疇に入ってくるでしょう。そういう意味ではガーデニングは「草木や花の植物を植え付け、栽培することで、エクステリア・インドアをデザインすること」と言えます。
花壇は庭と異なり、用土(培土)の量が限られるため、コンテナ・プランター・鉢での栽培で注意すべきポイントと同じく、
- 水やりの頻度を土での家庭菜園よりも多めに(土が乾いたら水やりする頻度)
- 肥料が水と共に流れやすいため、元肥より追肥が重要
の2点が主に気をつける点となります。