畑での除草は、作物の収穫に影響を及ぼすだけでなく病害虫の予防にも役立つため、重要な作業です。しかし草刈りは重労働なため除草機械をつかって効果的に除草をしましょう。ここでは、畑に使うおすすめの除草機械について、種類別に説明します。
草刈り機・刈払い機について
畑や畔畦で雑草を大量に刈り込む場合は、電動草刈機、エンジン式草刈機がおすすめです。特に最近の草刈り機は軽量なもの、またバッテリー式でもかなりパワフルに草を刈り込むもの、また静音のものがあります。
電動式とエンジン式の違い
電動式は、コードで電気を供給するタイプと、バッテリーに充電してコードレスで使えるタイプの2種類があります。畑で使うことを考えると、バッテリータイプになります。バッテリータイプのメリットはコードレスでガソリンなどを使わずに気楽に使用できる点ですが、デメリットは、草刈り機のパワーによりますが、バッテリー一個で約40分前後しか持たないため、替えのバッテリーが必要になる点です。
ループハンドルと両手ハンドル(Uハンドル)の違いは?
草刈り機(刈払い機)のハンドルは主に、ループハンドルと両手ハンドル(Uハンドル)があります。両手ハンドルは両手で並行に握る分、安定して草刈り機を地面に並行させて運転することができます。両手で並行して使用することから、振動がそれほど体に伝わらず、全身で草刈り機の重さを支えることができるため疲れにくく、平地での大規模な草刈りに向きます。
ループハンドルは両手を縦に草刈り機を持つため、畦畔などの斜面に対して草刈機に角度をつけて使用する場合に向きます。しかし、その持ち方から、草刈り機の振動が手に伝わりやすく、また腕で草刈り機を支えることから、両手ハンドルに比べて疲れやすくなります。さらに上下左右に移動させやすくなるため、体と刃先の位置が近くなり、作業の危険性が増します。このため、斜面で草刈りを行う必要性がない場合は、両手ハンドルをおすすめします。また、ループハンドルの持ち方でループがなくなり、ただのグリップになった、ツーグリップハンドルの草刈り機もあります。こちらはループハンドルのものより更に軽く扱うことができます。
チップソー、樹脂刃、ナイロンコードとは?
チップソー
草刈り機の刃で最もポビュラーなのがチップソーです。チップソーとは丸ノコギリのギサギザの歯のことを指し、様々な歯数の多さ、形、並び方があります。草刈りには草刈り用のチップソーを選ぶと良いでしょう。
樹脂刃
マキタの草刈機などによく使われている、カッターの形の樹脂性の刃です。チップソーほどの切れ味はなく、非常に太い雑草は一発で切ることはできませんが、通常の雑草を刈るには十分な切れ味です。何よりもメリットは、音が静かなことで、また石垣の周りなどチップソーの場合チップが飛んでしまうような際刈りには樹脂刃が安全です。
実際に使ってみた感想としては、草丈が高い雑草密集地でガンガン刈っていると、使用3回目位(各1.5時間ほど)で切れ味が落ちて、イネ科の雑草は絡まりやすくなりました。まめな刃の交換が必要になってきます。
ナイロンコード
最近よく使われるようになってきた、ナイロンコードを回転させることで草を刈るタイプです。ナイロンカッターとも呼ばれます。こちらは丸型、四角型、スパイラル型、鋸刃型など様々なタイプがありますが、スパイラル型、鋸刃型の登場で切れ味も格段に良くなり、普及するに至っています。
ナイロンコードの最大のメリットは、金属刃の研磨などのメンテナンスが必要ない点です。簡単に取り替えることができますし、自動のリール型を選ぶと、長く取り換える必要なく使用することができます。
畑、庭におすすめの電動式草刈り機(刈払い機)
マキタ 充電式草刈機 MUR369UDG2
充電式工具メーカー マキタが誇る、バッテリータイプの電動式草刈り機です。こちらの商品は、電動式でありながら30mLエンジン式同等のパワフルな使用感で、特筆すべきは、雑草が刃に絡みつくのを自動で取り除くカラミトリ機能がついていること、またAFT(アクティブフィードバックセンシングテクノロジー)というキックバック時に刃物がストップする安全機能がついていることです。
高儀 EARTH MAN グラストリマー
こちらはメジャーでコストパフォーマンスに優れた電動式の充電式草刈機です。15,000円ほどで売られており、重さも1.8kgと軽く、チップソーと樹脂刃の両方が付属されています。ハンドルの標準はループハンドルになります。
畑、庭におすすめのエンジン式草刈り機(刈払い機)
エンジン式は、ガソリンを動力源として動く草刈り機のことです。農業においては耕運機(カルチベーター)など他の農業機械の多くでガソリンを使用するため、電動よりもこちらの方が扱いやすいかもしれません。電動式よりもパワーがあるものが多く、ガソリンの方が長時間の作業を可能にします。このため、広い土地の作業には圧倒的にエンジン式が向きますが、電動式よりも重いものが多くなる点が難点です。ここでは代表的なエンジン式の草刈り機をご紹介します。
ゼノア TRZ235L
ハスクバーナ ゼノアの肩掛ループハンドル刈払機で、ストラト・チャージドと呼ばれる、2011年排ガス規制をクリアした、環境に対応した燃費向上が著しい「ストラト・チャージドエンジン」を搭載しています。そして振動・振幅を吸収するダンパシャフトを搭載し、振動をかなり低減したモデルで、本当に多くの農家の方に使われています。
操作スロットルは使い易くて操作が簡単なSTレバー式に変更、手を離しても回転数を一定に保てるから作業者の負担を軽減します。
値段も機能の割に抑えられているジャストシリーズの代表刈払機です。畑地、水田の畔畦、万能に使えます。またU字ハンドルのTRZ235Wもあります。
丸山製作所 MB279
肩掛、新型の丸山エンジンを搭載した、環境に対応した燃費向上が素晴らしい草刈機(刈払機)です。そしてこちらの製品も、振動・振幅を吸収する低振動の工夫がなされています。
ハンドルは、U字、ループ、ツーグリップと全てラインナップ。サイズ、重さ的にも大変使い勝手がいい、雑草刈り、下草刈りにスタンダードな草刈機(刈払機)です。
その他
初心者におすすめの草刈機や、畑におすすめの草刈機などの記事もありますのでこちらも参考にしてください。
草刈り機、刈払い機アタッチメント型 除草機械
また、既存の草刈り機(刈払い機)に装着できる、農作業の様々なシチュエーションで役立つアタッチメントもあります。アタッチメントは草刈機に接続できるので、屈まず、立ったまま作業できます。ここでは、農作業に大変役立つアタッチメントを厳選して紹介します。
スーパーカルマー pro(プロ) (アイデック)
草刈作業の事故の主な要因は、障害物にあった跳ね返りで仮払い機が振られて作業者に当たってしまうキックバックと、小石や刃の破片が作業者に飛ぶことです。スーパーカルマーProは、上下刃逆回転のハサミ刈り方式で高い刈取性能を維持しつつ、低速回転での刈り払いができるため、飛散事故や切創事故が起こるのを減らすことができ、より安全に草刈り作業をすることができます。
うね草取りまー (アイデック)
うね草取りまーは、畑の畝の間の草丈がまだそんなに高くない雑草を根本から粉砕除去するアタッチメントです。従来の草刈り機と異なり、雑草を根元から粉砕するため雑草を集める手間が省ける優れものです。
ウィードシェーバー (アイデック)
ウィードシェーバーは畑の作物の株間や畝間、グランドなどに発生する短い雑草を土ごと削り取ることができるアタッチメントです。低速回転で安全かつ、ローターが石に強いので、砂利場でも草削りができます。
耕運機(カルチベーター)アタッチメント型 除草機械
昔の耕うんは鍬などの農具を使って行っていましたが、現代の畑作の農作業には、土壌を耕うん、耕すための耕運機が欠かせません。耕運機のパワーを利用して、耕運機に取り付けて除草を行うことができるアタッチメントもあります。ここでは、代表的な除草用アタッチメントを紹介します。
草削りローター
耕運機に取り付けできる草削り用のローターです。草刈りをするというよりは、削り取り、踏みつけるものという方がイメージしやすいかと思います。使用した実感から言いますと、雑草を刈り取るというよりは土から削り取り、スパスパ切るものではありません。このため、果樹園などで雑草を踏み抑えつけるのに使い勝手が良いです。
草削りローターのアタッチメントは、クボタ、HONDAこまめだとブルースパイラルローターのように、各耕運機用の草刈り用アタッチメントがありますので、確認してみて下さい。
その他の除草機械
ムサシ 除草バイブレーター (ムサシ)
ムサシ 除草バイブレーターは、電動のバイブレーションを利用して、振動を与えて草を抜く除草機械です。バイブレーター機能で力をかけずに土、泥を削いで草抜きができ、草刈機や鎌(カマ)に比べて、根こそぎきれいに抜けるため、土の表面の草刈りよりも雑草の再生を遅らせ、草を生えにくくします。また、様々なアタッチメントがあり、いろんな用途に使用が可能です。
その他、ドウカンの雑草を土ごとけずる「けずっ太郎」などの除草用のレーキ、鍬、三角ホーなどの手動での草刈り、草むしりを効率化する除草道具は下記にまとめていますので参考にしてみてください。
農家web畑作・農耕地の除草についての記事がたくさんあります。こちらも一度覗いてみてください。