ゴーヤ栽培では、植えつけ時に肥料を施し(元肥)、生育期間中に不足した成分を追肥して育てます。ここでは、地植え、プランター別にゴーヤ栽培の肥料の与え方について説明します。
ゴーヤに対する肥料の与え方
ゴーヤの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。育て方によって肥料の与え方は変わるため、地植え、プランター(鉢植え)別に説明します。
地植え
元肥
ゴーヤは、栽培が長いので元肥はゆっくりと効果が表れて持続するように、溝施肥で行います。
- 栽培するスペース(畝)を決め、土壌phの調整が必要な場合は苦土石灰1㎡あたり100gまいて、深く耕しておきます。
- 1から2~3週間ほどたってから、幅70cm、高さ15~20cmほどの高畝を作ります。
- 畝の中央に深さ15cm~20cmの植え溝をつくり、1㎡あたり堆肥0.5kgを入れ緩効性肥料50g、熔成りん酸10g程度を施し、土を戻します。
- マルチを張り、苗を植えつけます。
土づくり
元肥は、土づくりと一緒に行いましょう。ゴーヤ栽培に適した土壌ph6.0~7.5です。日本の土壌は雨や肥料などにより酸性に傾いていることが多いので、酸性に傾いている土壌は石灰などを使い酸度調整をする必要があります。
土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。土壌酸度は、市販の土壌酸度計や土壌酸度測定液をつかって図りましょう。家庭菜園をする人は一つもっているとよいでしょう。
堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。
未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。
追肥
追肥は、最初の実がついてから行います。株の周辺に1㎡あたり50g程度の化成肥料をばらまきましょう。同時に株の周辺をクワで耕す中耕を行い、土と肥料をまぜておきます。その後は、2週間~3週間に1度、生育を見ながら同様の追肥を行いましょう。
プランター・鉢植え
プランター栽培の場合肥料は、元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
追肥は実が付いたら、2週間に1度追肥をします。化成肥料10g程度を株の周りにばらまいておきます。葉色を見て緑色が濃いようなら肥料は控えましょう。
ゴーヤにおすすめな肥料
ゴーヤ栽培では実を収穫するため、植えつけ時の元肥にはリン酸が多く含まれている肥料がおすすめです。窒素、リン酸、カリウムがバランスよく含まれた肥料をつかい、ようりんなどのリン酸肥料を追加で与えてもよいでしょう。
元肥でしっかりリン酸を与えていれば、追肥で使う肥料は、3大栄養素が均等に含まれている肥料でかまいません。
また、グリーンカーテンを作るのが目的であれば、窒素の多い肥料がおすすめです。
畑などの元肥には、土壌改良効果もある有機肥料がおすすめです。プランターなどでは臭いや虫が気になる人は、緩効性肥料の有機配合肥料などを使いましょう。追肥には速効性の化成肥料や液体肥料がおすすめです。
ゴーヤ専用肥料も販売されています。ゴーヤに必要な肥料分が配合されており、施肥量なども書かれているので誰でも使いやすい肥料です。
ゴーヤにおすすめな肥料の種類の説明や、商品については下記で詳しく説明しています。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
元肥
苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
追肥
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
追肥は必要な肥料分がすぐに作物に届くように、速効性の化成肥料を使うことが一般的です。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料の過不足
肥料は上げれば上げるほどよいというわけではありません。特にウリ科のつる性のゴーヤは、生育初期に肥料を多く与えると、葉やツルが大きくなり花芽がつかないつるボケの症状がでます。また肥料が直接根にあたると、肥料やけを起こして最悪枯れてしまうこともあります。
ゴーヤは栽培期間が長いので、緩効性肥料をうまく使いながら肥料不足の症状がでたら、化成肥料を与えてあげるのがよいでしょう。肥料不足の症状は、葉の色がうすくなったり、草勢が弱いことなどがあげられます。
この記事では、ゴーヤを収穫することを目的とした肥料量ですが、緑のカーテンが目的で収穫が目的でないのであれば、窒素(N)が多めにしてツルを伸ばしましょう。
肥料は正しい時期に、適量を与えましょう。肥料のパッケージをよく読んで使い方を間違えないことも大切です。
肥料は生育に合わせて与えるのが基本です。育てている土壌によっても必要な肥料量は変わります。葉色が薄くなると肥料ぎれ、葉が濃い緑色になり葉や茎が大きくなりすぎたら肥料過多です。よく観察して、肥料を与えるようにしましょう。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
まとめ
ゴーヤ(苦瓜)は元々は沖縄料理のゴーヤチャンプルなどで使われる野菜として、沖縄など暖かな地域で栽培されていましたが、グリーンカーテンとして利用できるとして全国に広がりました。プランターでもツルを伸ばしてグリーンカーテンをつくることもできるので、ベランダでも栽培が可能です。
ゴーヤの肥料は、元肥は少なめに施して、実をつけてからは肥料を切らさずに育てることがポイントです。実が熟しすぎると、実がやわらかくなって食べられなくなるので若どりを心がけましょう。
ゴーヤをたくさん収穫するには、肥料だけでなく摘芯も大切な作業です。摘芯については詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください
この他にも、農家webには野菜の肥料の記事や栽培の記事がたくさんあります。
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