この記事では、肥料袋の概要、種類と購入方法、また袋栽培への活用方法のアイデアをご紹介します。
肥料袋とは?
肥料袋とは、その名の通り、肥料や堆肥を入れる袋で、資材の梱包用品に該当します。材質は肥料・堆肥の様々な性質に対応するため、基本的にポリエチレンで作られたポリ袋(いわゆるビニール袋)で一定の強度をもっているのが一般的です。
通常のビニール袋は作業性を向上させるため、滑りやすく作られていますが、肥料袋は作業中、濡れた状態で搬送することも多いことから、滑りにくい低密度ポリエチレンを採用しているものもあります。また、肥料・堆肥は呼吸を行い膨張するため、肥料袋に小さい穴を設けて空気を通し、呼吸できるようにすることで膨張を防いでいます。
肥料袋の種類
肥料袋には、上記のように、中にいれる肥料の特性に合わせて、様々な種類があります。大きく分けられる要素としては、「素材」「大きさ・厚み・色」「形状」になります。
素材では、「LDPE」や「LLDPE」とも呼ばれ、しなやかで伸びやすくツルツルしている材質で、透明性のあるフィルムである低密度ポリエチレンのものもあれば「HDPE」いわゆる高密度ポリエチレンのもの、濡れた状態で使用することを前提として滑りにくい低スリップタイプのものもあります。また、三層のフィルム構造など多層構造のもの、さらにOPPのものもあります。
大きさ・厚みは、どのような肥料を扱うかで大きく異なってくることから、様々な種類が存在します。土のうとして使えるものは、丈夫で厚みのあるものになります。色については、黒から乳白色、白色、透明のフィルム、また無地の汎用品もあれば、ラミネート加工されたものまで様々です。
形状は重量物を入れることができる大きな筒型の袋のものや、小さいものを入れる小判型のもの、巾着型のもの、またショルダーバッグ型や、手で持てるループハンドルバッグ型(手提げ袋)のもの等様々な形状があります。
肥料袋の購入方法
購入方法はホームセンター等が一般的ですが、ほとんどの用途が業務用のため、専門にしているネット資材店も多くあります。下記がそのようなネット資材店のメイン商品です。様々な種類・数量をネット上で選んで、購入することができます。是非、利用してみてください。
上記、商品の他にも様々な肥料袋が販売されているので、用途にあった材質、大きさのものを探してみてください。
また、類似品として、米をいれる米袋もあります。米袋は肥料袋と同様、ビニール袋で作られているものもあれば、クラフト紙で作られている紙袋のものもあります。重量があるため、底を厚くし、贈答品用に包装されたもの、また手提げの形式のものもあります。
肥料袋の袋栽培への活用方法
肥料袋をそのまま培土入れとして活用し、作物を栽培することができます。一般的に袋栽培、バック栽培と呼ばれます。
トマトやキュウリなどの果菜類やジャガイモなどの根菜類を育てる場合は、深さが必要になるため、袋を縦型に使用します。水捌けを良くするため、地面と地面から10cm程度の高さまでの間に、ドライバーなどで10〜40箇所ほど穴を開けます(袋の大きさや土の容量によって異なります)。
果菜類では、一袋に一苗が基本です。リーフレタスや葉ネギのような葉菜類は袋を横に使用し、地面から5cmくらいまでを目安に穴を開けて、水捌けができるようにします。肥料袋栽培を前提とした肥料も数多くありますので、袋栽培を検討されている方は、袋栽培専用の肥料・用土のものを購入するのがおすすめです。
作物別 袋栽培の方法詳細
肥料袋を処分するには?
肥料袋は、基本的にLDPE、LLDPEのポリエチレン素材で作られたポリ袋のため、プラスチックに該当します。つまり、肥料袋は農業用使用済プラスチックであるため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により産業廃棄物に分類されます。このため、農業者自らの責任で、適正に処理することが義務づけられています(ただし、家庭菜園で使用される程度の量であれば自治体によっては「プラスチックごみ」「普通ごみ」として回収してくれます)。
処分方法は各自治体の回収体制によって異なるため、肥料袋は農業用使用済プラスチックで産業廃棄物に当たるということを認識した上で、自治体の廃棄方法を確認して、適切に処分するようにしてください。
余談となりますが、肥料袋を再生したロス袋という環境に優しい資材もあります。肥料や園芸用用土、セメント、砂利など幅広く使用することができます。環境に配慮したいという方はこちらを使用すると良いでしょう。
まとめ
肥料袋と言っても、材質から大きさや厚さまで様々な種類があります。また、使用方法も肥料や堆肥を入れるものから、そのまま栽培までできるものまであります。用途に合ったものを選んで使用しましょう。また、農業を事業としてやられている方(農家なども)については、肥料袋は農業用使用済プラスチックで産業廃棄物に当たるので、処分の際は産業廃棄物として適切な処分方法を心がけましょう。