庭植えや鉢植えで育てることができるフェイジョアですが、肥料はいつ、どのように与えたらよいのでしょうか。ここではフェイジョアの肥料の与え方を中心に育て方のポイントについてわかりやすく説明します。
フェイジョアに肥料を与える時期と与え方
フェイジョアの肥料時期
フェイジョアの肥料の時期は、庭植えの場合は2月の寒肥と11月頃の収穫が終わった後のお礼肥の2回、鉢植えの場合は3月、7月、11月の3回が基本です。
若い苗木の場合は、果実がなるまでには3年~4年かかります。果実がならない場合は10月頃に追肥をします。
肥料の与え方(地植え)
寒肥(元肥)
寒肥とは、冬の休眠期の庭木や果樹に与える肥料で、通常は12月下旬~2月頃に行います。フェイジョアの寒肥の適期は2月頃がよいでしょう。元肥(もとひ・もとごえ)ともいわれることもあります。樹木が目を覚ます前に寒肥を与えることにより、元気な新芽がでてきます。
1年のうちで最も大切な肥料で、寒肥がしっかり施肥できれば追肥が不要なこともあります。またこの時期に有機肥料を施すと、有機質の肥料は冬の間に分解され、春の芽吹きのころにゆっくりと効果を発揮します。肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施し、春先の成長に備えて、土に栄養分を与えるとともに、土壌改良の効果も期待できます。
有機肥料を根元から少し離したところに置き、軽く土をかぶせるとよいでしょう。量は各製品のラベルに準拠しますが、おおむね一掴み程度が目安です。土壌は、弱酸性を好み微量要素のマグネシウムを補強できるので、苦土石灰も散布しておくとよいでしょう。
追肥
果実の収穫が終わった11月頃にお礼肥として有機配合肥料を追肥に与えます。若い苗木の場合は植え付けから果実が実るまでには3~4年かかります。果実が実らない場合は10月頃に有機肥料を与えましょう。
与え方は、寒肥と同様に有機肥料や有機配合肥料を根元から少し離れたところにばら撒いて土をかぶせておきます。
肥料の与え方(鉢植え)
鉢植えの場合は、地植えより水やりなどで肥料が流れやすくなるため、春からの芽生えのために3月に元肥を、6月の下旬から7月に実肥を、11月にお礼肥として追肥を施します。
鉢植えの場合では有機肥料は臭いが気になるという人には有機配合の肥料を使いましょう。粒剤であれば、肥料をばらまいて土と軽く混ぜる、置き肥であれば、鉢の縁に肥料を置くだけで水やりのたびに肥料が流れ出ます。
葉色が薄くなったり葉が大きくならない場合は肥料不足の可能性があるので、その場合は液体肥料を与えて様子をみてみましょう。
フェイジョアにおすすめの肥料
フェイジョアの肥料には、ゆっくり効果が続き、土壌改良効果やアミノ酸効果で果実の食味もよくなる「有機質肥料」がおすすめです。鉢植えやお礼肥には、臭いがすくなく使いやすい有機配合肥料もおすすめです。
また果樹用の肥料も各社から販売されているので、果樹に適した肥料分が配合されており、施肥量も記載されているので誰でも使いやすい肥料です。
おすすめの肥料の種類や特徴、商品についてはこちらで詳しく説明しています。
フェイジョア栽培のポイント
フェイジョアの基礎知識
フェイジョアは南米原産の常緑広葉大低木で、別名をパイナップルグアバとも呼ばれます。南国原産ながら比較的寒さに強く、関東以西であれば地植えも可能です。病害虫にもつよく無農薬でも育てることができるため家庭での栽培も容易ですが、自家不結実性しにくいので別に異品種を育てる必要があります。
夏に赤と白のコントラストが美しい花を咲かせ、秋に果実が実ります。果実は緑色の楕円形をしており、パイナップル、バナナ、イチゴを合わせた甘酸っぱい味ともいわれます。花はエキゾチックな雰囲気で、白い花弁は甘く食せます。葉は銀色で常緑種のため生け垣などにも使われます。
学名 | Acca sellowiana(Feijoa sellowiana) |
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属名 | フトモモ科アッカ属 |
原産地 | ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部 |
樹高・草丈 | 1.5m~4m |
耐寒性等 | 耐寒性:普通 耐暑性:強い |
花言葉 | 「情熱に燃える心」「甘美な思い出」「実りある人生」 |
栽培環境・水やり
フェイジョアは日当たりの良い場所を好みます。庭植えや鉢植えでも日当たりの良い場所で管理しましょう。
水やりは庭植えの場合は、乾燥が続く時以外は基本的には不要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えましょう。
夏は耐暑性はありますが、乾燥に弱いので株元に藁などを敷いておくとよいでしょう。夏は水切れにも注意です。鉢植えの場合は朝と夜に水やりをしましょう。
耐寒性は普通ですが、苗が幼い時期はあまり強くないため、幼苗のころは鉢植えにして室内で管理するか、寒冷紗などをつかって、防寒対策をして冬越しをします。
剪定
毎年3月~4月に剪定を行いましょう。強剪定はせず、不要な枝や混みあっている枝を切り落として、枝に日が当たるように剪定します。垂れ下がる枝には大きな果実がつくので剪定しないようにしましょう。
人工授粉
フェイジョアは、若い苗は3年~4年は実をつけません。また自家受粉できない品種もあるため異なる品種を2本育てる必要があります。確実に受粉させるには人工受粉を行いましょう。
植え替え
鉢植えの場合は2年~3年に1度一回り大きな鉢に植え替えます。適期は3月~4月です。
フェイジョアは、あまり市場ではみかけない果実ですが、栽培も容易で花もエディブルフラワーとして利用できます。葉は銀色でバランスのよい樹木で、花も美しいため観葉植物としても楽しめます。実を楽しみたいのであれば小果の品種が味がよいのでおすすめです。