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営農種別・経営体別補助金一覧

兼業農家が活用できる補助金

全国の農林業経営体数は、令和2年2月1日現在109 万2千経営体で、5年前に比べ 31 万2千経営体(22.2%)減少しています。

その中で注目されているのが兼業農家の存在です。兼業農家とは「世帯員のうち誰かがほかの仕事で収入を得ている農家」のことです。

この記事では、兼業農家でも活用しやすい補助金について、解説します。

※この記事は2023年11月時点の情報です。補助金の内容等の変更や公募が終了している可能性もあるため、必ず各公募の公式ページをご確認ください。

農家web補助金データベース

農家webでは、農業で利用できる補助金情報をまとめたポータルサイト「農家web補助金データベース」を構築、運営しています。

そもそも「兼業農家」とは

兼業農家とは「世帯員のうち誰かがほかの仕事で収入を得ている農家」のことです。農林業センサスでは、下記2つの観点から、兼業農家が含まれる個人経営体を区分しています。

  1. 自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員の有無
  2. 世帯収入における農業収入の割合

兼業農家が含まれる個人経営体の区分は下記のとおりです。

主副業別定義
主業経営体自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいる個人経営体で、
世帯収入における農業収入の割合が50%以上
準主業経営体自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいる個人経営体で、
世帯収入における農業収入の割合が50%未満
副業的経営体自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいない個人経営体
(世帯収入における農業収入の割合は関係ない)
兼業農家が含まれる経営体区分(農業センサス 用語の解説
編集さん
編集さん

2015年の農業センサスまでは、専業農家・兼業農家別の統計(専兼業別統計)がありましたが、主副業別統計が定着してきたことから2020年の農業センサスから専兼業別統計が廃止されました。そのため、今までの第1種兼業農家、第2種兼業農家などの区分が使われなくなってきています。

近年では、副業的経営体の割合が増えておりますが、これは65歳以上となった場合、農業収入に関わらず、自動的に副業的経営体として集計されていることが原因と見られます(農業経営統計調査の審議を契機とする部会長メモ 農林業センサスで設けられている個人経営体の区分の再検討について)。

兼業農家でも活用しやすい補助金

兼業農家で規模拡大や経営改善を考えている方、また新たに兼業農家として農業を始めたいと考えている方が活用しやすい補助金を紹介します。

各地方自治体独自の補助金

兼業農家グループ化支援制度(東広島市)

地形的な理由等により法人化が困難であるが、農地を保全し地域農業を支える複数の農家グループの農業経営の安定化を図るため、地域グループ営農団体が購入する農業用機械等の経費の一部を支援するものです。

米、麦、大豆などの作物を栽培する兼業農家がグループとして活動していく場合に活用ができそうです。

https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/material/files/group/38/kenngyounoukaguru-pukasienntebiki.pdf

各地方自治体のホームページや窓口などで相談をしてみると良いでしょう。

担い手確保・経営強化支援事業

担い手確保・経営強化支援事業は、下記を目的に農林水産省が公募しました。

担い手確保・経営強化支援事業の目的

適切な人・農地プランが作成されており、農地中間管理機構を活用している地域(又は活用することが確実な地域)において、農産物の輸出など意欲的な取組により経営の発展を図ろうとする担い手等が、融資を活用するなどして農業用機械等を導入する際、助成金を交付することにより主体的な経営発展を支援します。併せて、融資の円滑化等を図るため、農業信用基金協会の金融機関への債務保証(経営体の信用保証)を支援します

助成対象となるものの具体的な例は、以下のとおりです。もちろん、ビニールハウスやトラクターにも使えます

  • トラクタ、田植え機、コンバインなどの農業用機械の取得
  • 乾燥調製施設(乾燥機)、集出荷施設(選果機)、農畜産物加工施設(加工設備)など設備の取得
  • ビニールハウスの整備

助成対象者要件の一つである「農地中間管理機構から賃借権等の設定等を受けている者(認定農業者、認定就農者又は集落営農組織に該当する場合に限る)」に兼業農家も含まれるとは思いますが、申請の手間なども考えるなかなかハードルが高い気がします。

就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)

新たに農業に参入する農業従事者に対して、研修期間や農業経営を始めてから経営が安定するまでの間、月々12.5万円が交付される補助事業です。

就農準備資金は、道府県農業大学校や先進農家などで研修を受ける場合、研修期間中に月12.5万円(年間最大150万円)を最長2年間交付します。

経営開始資金は、新規就農される方に、農業経営を始めてから経営が安定するまでの最大3年間、月12.5万円(年間150万円)を交付します。

兼業農家としてこれから農業を始めたい方も活用を検討できると思いますが、下記要件がありますので実際に活用することは難しい可能性があります。

  1. 就農予定時の年齢が、原則49歳以下であること
  2. 独立・自営就農、雇用就農又は親元での就農を目指すこと
    • 独立・自営就農を目指す者については、就農後5年以内に認定農業者又は認定新規就農者になること
    • 親元就農を目指す者については、就農後5年以内に経営を継承する、農業法人の共同経営者になる又は独立・自営就農し、認定農業者又は認定新規就農者になること
  3. 都道府県等が認めた研修機関・先進農家・先進農業法人で概ね1年以上(1年につき概ね1,200時間以上)研修すること
  4. 常勤の雇用契約を締結していないこと
  5. 生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給でないこと
  6. 申請時の前年の世帯全体(親子及び配偶者の範囲)の所得が原則600万円以下であること
  7. 研修中の怪我等に備えて傷害保険に加入すること

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。

もちろん、農業者であっても補助金申請をすることが可能です。

例えば、下記のような事例が挙げられます。

事業再構築補助金の農業者の活用事例

直接消費者とつながることができる体験型農家レストランを新規開店した事例。今まで専業農家として活躍していた農家が、事業の幅と継続性を考えて、レストランを新規開店する計画を策定し、その資金として事業再構築補助金を活用した。

しかし、下記の場合は対象外となる可能性が高いことから注意が必要です。

  • 他業界から、農業への参入
  • 単に別の作物に変更するだけの事業計画

その他、支援制度

交付金、補助金以外にも、融資や優遇などの支援制度はあります。

スーパーL資金

農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)及び農業近代化資金は、農業用機械・施設の整備などに利用できる制度資金です。認定農業者は、農業経営改善計画の達成に必要な資金を長期かつ低利で借り入れすることができます。

さらに、目標地図に位置付けられた場合等は、貸付当初5年間実質無利子化されます。

青年等就農支援資金

青年等就農資金(新規就農者向けの無利子資金制度)とは、新たに農業経営を営もうとする青年等に対し、農業経営を開始するために必要な資金を長期、無利子で貸し付ける青年等就農資金により支援する制度です。

認定新規就農者が、施設・機械の購入などの資金として無利子で借り入れすることができます。

農業補助金検索なら農家web補助金データベースが便利

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