償却資産税はあまり知られていない税金ですが、固定資産税の一部で1月1日時点で対象の固定資産を持っている人は、個人事業主の農家であっても申告の義務があります。ここでは償却資産税について対象の資産や申告方法について説明します。
償却資産税とは
償却資産税とは、事業用として使用している固定資産に対して、市区町村が課税する税金です。毎年1月1日現在に所有している固定資産についてその状況(資産の名称,数量,取得年月,取得価格,耐用年数等)を1月31日までに申告します。
償却資産税は、申告に基づいて計算された資産の評価額に税率(1.4%)を掛けた金額で、その年の4月に納付書が届きます。評価額の合計が150万円未満の場合は、免税となり税金はかかりませんが申告の義務はあります。
前年に申告していれば申告書が送られてきますが、申告書が送られてこないことも多いので申告もれが多い税金です。調査等により申告もれが発生した場合には、罰金や延滞金を取られることがあるので対象の資産を購入した時には申告もれがないように注意しましょう。
償却資産の対象となる資産について
対象となる固定資産は、取得価格が1台20万円以上の建物付属設備、構築物、機械装置、工具器具備品、車輌及び運搬具(自動車税の対象となっているものは対象外)です。具体的には農家では、ビニールハウスや農業用機械などが該当します。
確定申告時に固定資産としたの中で対象外となるのは、10万円以上20万円未満で一括償却資産、ソフトウエアなどの無形固定資産も対象外です。土地や建物は、別で固定資産税がかかるためここでの申告は不要です。
ビニールハウスは構造によって資産区分や耐用年数がかわります。詳しくはこちらで説明しています。
農業用特殊車両(トラクター、コンバイン等)について
申告の中でも間違えやすいのが、乗用農耕トラクター、コンバインなどの特殊車両です。車両及び運搬具は自動車税の対象となるものと、償却資産税の対象となるものに分けられます。
対象となるのは、乗用農耕トラクター、コンバイン、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車、乗用田植機の他
国土交通大臣の指定する農耕作業用自動車で、最高速度によって小型特殊自動車になるか大型特殊自動車に分けられます。大きさは関係ありません。小型特殊自動車は、公道を走らないとしてもナンバープレートの交付申請が必要です。
大型特殊自動車は公道をはしらなければナンバープレートは必要ありませんが、公道を走る場合にはナンバープレートが必要です。しかし自動車税はかからないので、償却資産として申請する必要があります。
区分 | 最高速度(時速) | 税科目 | ナンバープレート |
---|---|---|---|
小型特殊 自動車 | 最高速度35km/時 未満 | 自動車税 | 必要 |
大型特殊自動車 | 最高速度35km/時 以上 | 償却資産税 | 公道を走らなければ不要 |
補助金を使って買った資産について
農家向けの補助金等を使って固定資産を取得した場合、個人事業主の農家ではその対象となる資産の取得価格から補助金の額を引いた額を取得価格として固定資産に計上することが認められています。しかしこれは所得税法の特例であり、償却資産税にはこの特例は認められていません。
そのため、償却資産税の申告時には補助金の金額はマイナスせず、実際に購入した取得金額で申請する必要があります。確定申告の減価償却資産の台帳と金額が異なることになるので注意しましょう。
償却資産税の申告方法
申告対象者
- 1月1日に対象となる償却資産を所有している人
- 前年に申告した資産がある人
- 新規で事業を開始した人(資産がなくとも申告書が送られてくるので該当なしで申告)
申告先
1月1日に償却資産を所有している市区町村役場(都内は都税事務所)
申告の提出期限
1月31日
申告方法
最初に申告する年は、種類別明細書(増加資産・全資産用)に1月1日時点に所有している償却資産の名称、数量、取得年月日、耐用年数、取得価格を記入し、増加理由を選びます。取得価格の資産別の合計金額を、償却資産税申告書の今年増加したものの欄に記入して、合計金額を出して提出します。
2年目以降は、通常送られてくる申告書に前年までに申告した資産が一覧で印字されてくるので、増加や減少をそれぞれの種類別明細書に記載して、申告書の増加と減少の欄に記入して計算して出しましょう。変動がない場合は、計算に必要もありません。
廃棄したり、人に譲った場合にはかならず減少資産に記入することを忘れずに。無駄な税金を払うことになります。
まとめ
ここまで償却資産税について説明してきましたが、償却資産税について知らなかった、資産があったけど申告したことがなかったという人もいるかもしれません。償却資産税の時効は5年で、評価額150万円以上という免税点があるので、申告もれをしても課税標準額が150万円未満で税金が課金されていなければ、延滞金の心配はありませんが今一度資産を見直してみましょう。
最近ではビニールハウスの課税漏れを過去5年にさかのぼって調査するという市町村のニュースもあり、大きな施設や設備を持っている農家には調査に入ることもあります。正しく申請し、申請もれや逆に2重課税などにならないように注意しましょう。
税金の申告方法や税制は変更が多いので、実際の申告では市町村の申告の手引き等をよく読み、不明な点については、市町村や税理士に確認しましょう。