観葉植物の肥料

月下美人を上手に咲かせる おすすめ肥料と肥料の与え方

月下美人 観葉植物の肥料

妖艶な香りと、夜に純白の大きな花を咲かせる月下美人は、サボテン科に属する多肉植物です。サボテンの仲間ですが、一般的なイメージにある大きな柱状の柱サボテンや玉状の棘が特徴の玉サボテンなどのサボテンとは性質が異なります。

では月下美人を上手に咲かせるには、どんな肥料をいつ与えればよいのでしょうか。ここでは、月下美人を上手に咲かせるおすすめの肥料や肥料のやり方の基本について、わかりやすく説明します。

月下美人の基礎知識

肥料の話をするまえに、月下美人について知っておきましょう。植物の栽培をするうえで、その植物の特徴を知っておくことは大切です。自生地や生育期などを知ればその植物がどのような環境で育てると、枯れずに元気に育つのかわかってきます。

学名 Epiphyllum oxypetalum
属名 サボテン科エピフィルム属
原産地メキシコ~中央アメリカ
樹高・草丈1m~3m
耐寒性等耐寒性 弱い 耐暑性 普通
花言葉「艶やかな美人」「はかない恋」「秘めた情熱」

月下美人(ゲッカビジン)は、森林性サボテンで、原産地では雨の少ない岩石地帯に自生し、樹木に着生して育ちます。よく似たサボテンにシャコバサボテンがありますが、近縁種です。

生育期は5月~10月で冬には休眠します。花期は7月~11月ですが、連続的に開花するのではなく7月から3週間~4週間にぐらいに2回から3回ぐらいまとまって開花します。月下美人は元々メキシコなど日差しが強く温暖な地域に生息しているため、耐暑性はありますが、寒さにはあまり強くないため休眠期は室内で管理して育てます。

月下美人に対する肥料のやる時期と頻度

多肉植物は過酷な場所で生きられえる植物が多く、肥料をそれほど多く必要としません。しかし月下美人に美しい花を咲かせるには適期に肥料を与えて育てる必要があります。

では、月下美人の肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。下記に月下美人の一般的な肥料をやる時期と頻度について、基本的な考え方を説明します。

月下美人の一年 肥料のやり方の基本
  • 春の肥料やり

    春は休眠期の冬から芽が覚めてゆっくりと生長します。5月頃から2か月に1回緩効性化成肥料を施すか、液体肥料(液肥)を1ヵ月に2回施しましょう。

    5月~7月は植え替えの時期です。植え替え時には元肥として緩効性肥料を施しましょう。

  • 夏の肥料やり

    開花の時期です。肥料は春と同様に与えましょう。風通しのよい場所で株を蒸らさないように注意しましょう。

  • 秋の肥料やり

    肥料を与えるのは9月まで。11月には肥料が切れている状態にします。

  • 冬は施肥不要

    休眠期です。肥料は不要です。耐寒性はそれほど強くないので、屋外やベランダに置いてある場合は気温が10℃を下回るようになったら、室内の日向で管理しましょう。

月下美人におすすめの肥料

月下美人は、葉や茎ばかり茂ってしまうと花芽がつかなくなることがあります。そのため葉を大きくする、窒素を控えめにする必要があります。できれば窒素(N)を控え、花をつけるのに必要なリン酸(P)とカリウムを高めた肥料がおすすめです。

緩効性肥料

ハイポネックス マグァンプK

鉢植えの元肥には化成肥料のハイポネックスの定番肥料の粒状肥料のマグァンプKがおすすめ。ゆっくり効果がつづく緩効性肥料で、リンの配合量が多く様々な草花に使える肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていています。植えつけ時の元肥には中粒がおすすめです。

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草花用の緩効性化成肥料

鉢植えの肥料は、草花用の緩効性化成肥料が使えます。土にばら撒いて使う固形のものや、鉢植えなどでは、鉢の植えに置いておけば水やり時に、肥料分が溶け出して肥料が続く肥料がおすすめです。

置き肥では「プロミックの草花・鉢花用」やばら撒いて使える「プランティア 花と野菜と果実の肥料」などが窒素分が少なくリンとカリの成分が多いので月下美人におすすめです。

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液体肥料

追肥には液体肥料もおすすめです。単体で使う場合には、窒素分がすくないハイポネックス原液や、住友園芸化学の花工場原液などがおすすめです。月下美人は多肥を好むので、緩効性肥料と併用して窒素の入っていない開花促進用の専用肥料を併用してもよいでしょう。

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元肥入り培養土

月下美人は2年に1度ほど植え替えが必要です。植え替え時には元肥入りの培養土が便利です。シャコバサボテンやクジャクサボテン用の培養土を使うとよいでしょう。自分で配合する場合には、赤玉土5・腐葉土3・鹿沼土2や赤玉土5・腐葉土2・くん灰1・牛ふん堆肥)2など水はけや通気性のよい土を好みます。川砂などの割合が多いサボテン用の土は、あまりおすすめしません。

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肥料の基礎知識

そもそも肥料ってなに?

肥料の定義は肥料取締法で決まっています。肥料は土壌に科学的変化をもたらし、植物が健全に育つように土地に施されるものを言います。つまり、農作物(植物)の健全な生育に欠かせない栄養を与えるものです。

農作物(植物)が育つためには窒素リン酸カリウム三大要素のほか、微量要素などが必要です。大雑把にはなりますが、窒素(N)は葉肥(はごえ)、リン酸(P)は実肥(みごえ)、カリ(K)は根肥(ねごえ)と呼ばれています。肥料の箱や袋などに記載されているN-P-Kの表示はこれらを指しています。

植物は土に根を張り、それらの養分を吸い上げて成長しています。そのため、土壌中の栄養分は植物が吸い上げることにより、どんどん乏しくなっていきます。それを補うために土壌に肥料を施すことを「施肥」と言います。

肥料を与えるタイミング 元肥と追肥

用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。

苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。

苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。

肥料の種類

作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。

肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。

「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。

大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。

防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ

花芽がつかないのは肥料のせい?

月下美人が咲かない原因は肥料だけでなありません。窒素過多になり、葉やつるばかり伸びてしまっている場合は肥料過多の可能性があります。その場合は肥料を見直し、追肥を控えるか窒素が入っていない肥料を使いましょう。

また苗が幼い場合には、花芽がつかないこともありますし、日照不足や水不足でも花つきが悪くなります。月下美人の育て方の記事に詳しく水やりや栽培環境について説明していますので、そちらで環境をチェックしてみましょう

肥料は絶対混ぜないで!

よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。

まとめ

夜に一夜だけ白い花をさかせる月下美人は、観葉植物として人気が高く、実をつけるために食用月下美人と受粉させたり、新たな品種を作るために交配したりと奥が深く、愛好家が多くいます。

サボテンの中では、少し育て方が変わっていていて多肥・多水を好みます。サボテンと同じように育てると枯れてしまうこともありますので注意が必要です。

春にイースターカクタス、夏にクジャクサボテン(孔雀サボテン)や月下美人、冬にシャコバサボテンなどを育てれば一年中花を楽しむことができます。ぜひお気に入りの品種を見つけて上手に育てて、美しい花を咲かせてみてください。

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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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