噴霧器とは?

噴霧器とは「水や薬液を霧のように高圧噴射するための器具」で、スプレイヤーとも呼ばれます。
大まかなタイプとしては、ガソリンや電気を使わず、手動で行う「手動式噴霧器」、電池や充電式バッテリー、コンセントからの電気で動く「電動式噴霧器」、そしてガソリン燃料でエンジンを動かせる「ガソリン式噴霧器」があります。
そして農業界では、手動ではない「電動式噴霧器」「ガソリン式噴霧器」を「動力噴霧器(通称:動噴(どうふん))」と呼んでいます。特に「ガソリン式噴霧器」を動噴と呼んでいるケースが多いです。
エンジン式噴霧器とは?
「4サイクル」「2サイクル」とは?
エンジン式噴霧器とは、その名の通り、エンジンによって動力を得る噴霧器をいいます。エンジンの種類では「4サイクル」「2サイクル」という言葉がよく聞かれますが、それぞれの内容は以下の通りです。
エンジン式の農機具は、2サイクル(2ストローク)と4サイクル(4ストローク)のガソリンエンジンが存在します。それぞれの特徴は以下の通りです。
2サイクル(2ストローク)
2サイクルエンジンでは、4サイクルエンジンでも行われていた4つの行程が重複して同時に行われます。具体的には、「吸気」および「圧縮」→「爆発」および「排気」の2つの行程で一周期が完了します。これを周期的に動かして動力を発生させています。構造が簡単なため小型化や軽量化しやすく、刈払機、チェンソー、動力噴霧機、動力散布機などで広く採用されています。
- 同サイズでは出力で優る
- 小型化や軽量化しやすい
- 安価であることが多い
- メンテナンスが簡単
2サイクルエンジンは、ガソリンと、2ストローク専用エンジンオイルを 25〜50:1の割合で混ぜた混合ガソリンを使います。(農業者の方は、50:1の方が多いです)
※燃料の配合については説明書を必ず確認してください。
4サイクル(4ストローク)
4サイクルエンジンでは、「吸気」→「圧縮」→「爆発」→「排気」の4つの行程で一周期が完了します。これを周期的に動かして動力を発生させています。吸気バルブが燃焼室の上についているものをOHV(オーバーヘッドバルブ)といい、他に吸気バルブが燃焼室の横についているSV(サイドバルブ)もあります。現行の大部分の耕運機では、4サイクルが採用されています。2サイクルと比べた場合の特長は、以下の通りです。
- 燃費がよい
- 振動が少なく振動障害が起こりにくい
- 排気ガスに含まれる有害成分が少ない
- 混合燃料を使用する必要がない
4サイクルエンジンは燃料にガソリンを使います。
※燃料の配合については説明書を必ず確認してください。
どのタイプなのか、購入時に確認することが大事です。
ガソリン式噴霧器の種類
ガソリン燃料を使う噴霧器は従来は大型なものが多く、セット動噴と呼ばれる、大型で床に設置して使用するタイプや積み下ろしできるタイヤ付きタンクキャリーで移動させるタイプのものが主流でした。
しかし、昨今の技術改良から小型のものも開発され、設置型ではなく背中に背負える背負型も販売されています。
軽油を使うディーゼルエンジン
この他、燃料に軽油を使用する「ディーゼルエンジン」式のエンジン噴霧器もあります。ディーゼルエンジンは低回転でより大きなトルクが得られる点が特徴ですが、構造上大型になってしまうのが難点です。大規模な圃場で大型なものが使用できる環境の場合、軽油はガソリンよりも税制で優遇されているメリットもあるので、このタイプを使う方も多くいらっしゃいます。
おすすめのエンジン式除草剤噴霧器
丸山製作所 エンジンセット動噴 MS337EA-M
株式会社丸山製作所は、農林業用機械などの開発販売を行うメーカーです。農林業用機械のほかにも、工業用ポンプ、消火器、緑化関連商品、畜産・施設園芸関連商品(石灰塗布機など)も手掛けています。当社はエンジン技術やポンプ技術に強みをもちます。そういったこともあり、農業、林業、造園業などのプロにとっては、2サイクルエンジンの搭載された農業機械(農機具や資材)でなじみが深いです。
そんな丸山製作所のMS337EA-Mは、アグリズが販売する人気モデルです。軽量でコンパクト、また耐久性にも優れ吸水効率のいいユニフロー式を採用している長く使える動噴です。
ユニフロー式は、必要な圧力・流量を得るための所要動力が少なく、エンジン・モーターに負荷の少ない点が特長と言えるでしょう。
エンジン式小型動噴 MS-ERH50
工進が販売するガソリン式噴霧器です。工進(koshin)はエンジンポンプ部門で世界1位を誇る、京都に本社を置く非常に優れたメーカーです。
工進のガソリン式噴霧器の特徴は何といってもパワフルなことです。本製品はセット台にエンジンやモーターなどの動力とポンプを搭載した噴霧器で「セット動噴」と呼ばれているタイプです。
広範囲の除草に噴霧器(散布機)を使用したい場合は、この「セット動噴」がマッチするかと思います。広範囲に除草剤を散布しないといけないけど、背負い式はきつい、といった方にこのセット動噴はベストな選択肢でしょう。
機種 | MS-ERH50 |
---|---|
タンク容量 | ー |
ポンプ形式 | ピストンポンプ |
最高圧力 | 3.0MPa |
噴口 | ー |
噴霧量 | 1.0〜2.9L(リットル)/分 |
寸法 (幅×奥行×高さ) | 650×350×400mm |
本体重量 | 18.0kg |
市場価格目安 | 約90,000円 |
マルヤマ BIGM エンジン 噴霧機 <GS15EMA>
丸山製作所の背負式エンジン噴霧器です。カスケードポンプを搭載し、マルヤマ2サイクルエンジンで非常に安定した出力が期待できます。タンクは15Lと小型で重量も6.1kgでポータブル、幅広い方に扱いやすい製品です。
ハイガー エンジン式噴霧器 HG-2PS2625
ハイガー産業(haige)の背負い式のエンジン式噴霧器です。エンジン式のため、オイルが必要なこと、また騒音が電気式、手動式と比べて大きいという難点はありますが、25Lのタンク、ピストンポンプでパワーが強く、安定して噴霧することができます。セット動噴を使うほどの広範囲のものは必要ない場合におすすめの噴霧器です。
噴霧器は、除草剤のタイプに合わせて、どのノズルを使うかが重要です。どのノズルを使うべきか悩んだ時は、下記を参考にしてください。