ナス

ナス栽培 芽かき・摘芯(摘心)の方法

ナス畑 ナス

ナス栽培では、大きな果実を多く収穫するためには、側枝の「芽かき」と「摘芯(摘心)」という作業が必要です。

ここではナス栽培の「芽かき」と「摘芯」の作業について、そのタイミングや、位置などイラストを使ってわかりやすく説明します。

「摘心」と「摘芯」、どちらが正しいの?

どちらも正しいです。「摘心」も「摘芯」も同様の意味を持ちます。本記事では、以下から「摘芯」に記載を統一します。

ナスの栽培について

ナスの基礎知識

ナスはインド東部原産の野菜で、日本の夏のような高温多湿を好みます。夏野菜の中でも高い温度を好むので、早く植えつけると成長が止まるので、十分に暖かくなってきてから植えつけます。

栽培は、タネまきから始めるのは、栽培期間が長く育苗も難しいので市販の苗から始めるのがよいでしょう。ホームセンターなどで手軽に手に入ります。植えつけから最初の収穫までは50日程度、その後は収穫しながら育てます。

水分と栄養分を多く必要とするため、大きな容器をつかって育てるとよく育ちます。草丈が大きくなるので、畑やプランターなどでは支柱を使って2本仕立て、3本仕立てにして育てます。耐暑性が強く、雨にも比較的強いため家庭菜園初心者の方でも育てやすい野菜です。

作物名ナス
科目ナス科ナス属
原産地インド東部
発芽適温(地温)25〜30℃
生育適温20〜30℃
育てやすさやさしい

ナス栽培の芽かきについて

芽かきとは、不要な芽を取り除くことで、通常わき芽を取り除くことから「わき芽かき」や「摘芽」とも呼ばれます。

ナスは主枝からわき芽が複数でてきます。このわき芽を1~2本残して、他のわき芽を芽かきをすることで、着果の数を制限し、実がなる茎に栄養が行き渡ることで、大きくて良質な果実を収穫することができます。

ナス栽培の摘芯について

摘芯(てきしん)とは、茎や枝の最先端の芽を摘む作業で、ピンチとも呼ばれます。摘芯をすることでわき芽を増やしたり、生長を止めたりすることができます。

ナスの栽培では、花が咲き果実がなるころに、わき芽からでた側枝を摘芯することにより、側枝の成長を促して収穫量を増やすことができます。また草丈が高くなりすぎないように主枝を摘芯することもあります。

ナスの芽かきの方法

芽かきのタイミング

ナスの芽かきは、一番花(一番最初の花)が咲いて、草丈が30cm程度になった頃に仕立てと一緒に行います。

芽かきのやり方

仕立て方によって、芽かきの本数が変わります。仕立て方は、家庭菜園で栽培されることの多い、主枝からでる側枝(わき芽)を2本残して育てる「3本仕立て」、営農されている農家に多い、主枝1本、側枝1本の「2本仕立て」があります。

残す側枝は、1番花のすぐ下とそのさらに下から出る側枝が勢いのあるものとなるので、3本仕立てはその2本を残し、1本仕立ては、一番花のすぐ下の側枝を残し、ほかの側枝(わき芽)はすべて摘み取ってしまいます。

芽かきが終わったら、仕立て方に合わせて支柱を立て誘引して育てましょう。

ナスの摘芯の方法

ナスの摘芯のタイミング

ナスの摘芯のタイミングは、仕立てた枝から、わき芽(側枝)が伸びて花がついた頃です。その後は、わき芽に着果したら、その都度摘心を行います。

ナスの摘芯のやり方

仕立てた枝から出た側枝(わき芽)に着果したら、花から葉を1~2枚残して、枝の先端を手で摘みとるか、剪定ハサミで切り取ります。

仕立てた枝からでた側面の果実は、収穫時には枝ごと切り落としましょう。側枝からさらにわき芽がでて、着果したら同様に、花から葉を1~2枚残して、枝の先端を手で摘みとるか剪定ハサミで切り取ります。

すべての側枝に花が咲いたら同様の摘芯を行いましょう。

その他摘芯について気を付けること

主枝の摘芯について

主枝や、主枝から残した側枝については基本的に摘芯は不要です。支柱の頂上に届いてしまい、それ以上伸ばせない場合は、作業しにくくなるので先端を摘芯しましょう。

摘芯の方法について

手で摘み取る際には、指先でちぎったり、爪でつまみ切ったりするのではなく、指先で摘んだあと手首を捻って「ポキっ」と折るようにします。こうすることで切断面が綺麗になるだけではなく、切断面に病原菌が付着するリスクを下げることができます。

剪定ハサミを使用する場合は、病原菌の伝染には十分に注意しましょう。気になるようであれば、一回ごとに消毒(エタノールや次亜塩素酸カルシウム、第三リン酸ナトリウムなど)を使用すると良いでしょう。薬液を入れることで自動消毒ができるハサミ(Vカットはさみ)もあります。プロ農家はこれらを使用することも多いです。

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