ぶどうの栽培には肥料が大切ですが、肥料によって味はかわったり、使うだけでおいしくなる肥料はあるのかなど、ぶどうの肥料についてわかりやすく説明します。
肥料によって味が変わる?
そもそも肥料によってぶどうの味に差はでるのでしょうか。この肥料を使えばかならずおいしくなるとは限りませんが、果実の食味をよくするには土と肥料が大切です。
ぶどうは肥料を与えすぎると、枝・葉・根などの果実は関係のない樹勢が良くなります。植物にとって果実をつくることは、タネを作って子孫を残すことです。木が弱ると子孫を残そうと植物はタネを作ることに力を注ぎます。よってぶどうは樹勢を抑えることでおいしい果実を実らせることができます。
そのため元肥にはゆっくり効果がでて土壌環境もよくする、堆肥などの有機物や有機肥料を使い、収穫がおわったあとお礼肥とには速効性の化成肥料を与えることで、果実がなった後の樹勢を戻してあげるのがよいといわれます。
ぶどうをおいしくする肥料
肥料の与え方
ぶどうの肥料の基本は、年2回。秋の10月下旬~11月に基礎となる時期に元肥としてゆっくり効果のでる「緩効性肥料」を与え、収穫の後にお礼肥として「速効性の肥料」を与えます。その他苗の様子を観察して、肥料切れをおこしているようでしたら追肥として速効性の肥料を与えます。
苗から購入したぶどうの苗は、庭に植えつけをしたり、植木鉢やプランターなどに植え替えるときに元肥として緩効性肥料を施すのが一般的です。
ぶどうの肥料時期や与え方は、詳しく書いている記事がありますのでそちらも参考にしてください。
土壌と肥料について
おいしいぶどうを作るには、土づくりが大切です。上記で述べたように植物が育つには、8要素の「微量要素」が必要で、それらは土の中の堆肥や有機質肥料によって土の中に供給されるからです。
堆肥を入れたよい土に、有機肥料を与えることでおいしいぶどうを栽培することができます。水はけと通気性がよく水持ちのよい土がよいぶどうをつくるには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。堆肥で土づくりをしっかり行い、さらに元肥を施し足りない肥料分を補います。
鉢植えなどでは、臭いが気になる人には植物性の腐葉土やパーク堆肥などをいれた野菜の培養土もおすすめです。
おすすめの肥料
庭植えの元肥には、土壌改良も兼ねて有機肥料がおすすめです。化成肥料や有機入りの化成肥料は、肥料の栄養素もわかりやすく、鉢植えや庭植えの追肥として便利に使うことができます。
有機肥料
庭植えにおすすめなのは有機肥料です。有機肥料は土壌の改善になり元肥や、11月の追肥にも使えます。油かす・鶏けいふん・米ぬかなどの有機肥料も使えます。牛ふんは土壌改良にもおすすめ。いづれも完熟しているものを使いましょう。
ぶどう専用肥料
ぶどうの専用肥料の初心者の人にはおすすめです。「ぶどうがおいしくなる肥料」や「マイガーデンベジフル」などは有機肥料としてよく使われています
その他 おいしいぶどうを収穫するには
品種
ぶどうは多くの品種があります。家庭で育てるには自分の味覚にあった好みの品種を育てることができます。香りだけでもさわやかなマスカット香や、巨峰などのグレープのキャンディのような甘い独特のフォクシー香とよばれる香りがするものもあります。
家庭で育てる場合は、自分の土地の気候にあった品種を選んで育てやすい品種を選ぶことが大切です。
ぶどうは、大きくわけて「欧州種」「米国種」「欧米雑種」の3つに分けられます。耐寒性は普通で耐暑性も強いのですが、乾燥した地域に育つ欧州種は特に多湿が苦手で日本で育てるのは難しいといわれています。米国種は病気につよいのですが、果実の味は欧州種に劣るといわれ、その両方の長所をもつ「欧米雑種」が日本がではよく栽培されています。
日本でおなじみの巨峰やピオーネ、シャインマスカットはすべて「欧米雑種」です。日本では近年栽培農家では、ぶどうの大粒化や収量の多い品種の栽培がすすんでいます。しかし家庭で育てる場合には、粒の大きさにこだわらず、初心者にはデラウエアなどの小粒の品種も育てやすくおすすめです。
収穫時期
ぶどうは、追熟しません。追熟とは果物を収穫した後に一定期間置くと甘くなる現象のこと。完熟する前に収穫してしまうと、それ以上完熟することはありません。
農家などでは糖度計を使って調べますが、家庭では味見をしてみましょう。ぶどうは上部の方が下部より甘くなるのが早いので、下部の部分を一粒食べて甘いようでしたら、全体が甘くなっているでしょう。
その他 栽培ポイント
ぶどうは肥料だけでなく、おいしい果実をつけるには剪定や、摘房・摘粒など手間をかけてあげることで甘くておいしい実を収穫することができます。甘いぶどうを育てる方法については、くわしい記事がありますので参考にしてください。