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シャコバサボテン

シャコバサボテンのふやし方 失敗しない挿し木の方法

シャコバサボテン

シャコバサボテンは生長が早く、初心者の方でも簡単に挿し木で増やせますが、いつどのように行えば失敗なくふやせるのでしょうか。ここではシャコバサボテンの挿し木や実生のふやし方について、わかりやすく説明します。

シャコバサボテンふやし方

サボテンは、種まきから増やす実生、挿し木、胴切り、株分けで増やすことができます。シャコサボテンは「挿し木」と「実生」で増やします。

シャコバサボテンの挿し木の時期・方法

多肉植物は春秋型、夏型、冬型の3タイプに別れ、それぞれ生育期と休眠期が異なります。サボテンは、ほとんどが「夏型」に 該当します。夏型は夏に盛んに生育し、春と秋はゆっくり生育し、冬は休眠します。

シャコバサボテンの挿し木の時期は、普通のサボテンより少し遅く気温が20℃前後のころ、5月から6月、もしくは9月にも行えますが、生育期直前の5月が一番の適期です。

挿し木のさし方には、挿した株をそのまま育てる方法や、さし床をつかって鉢上げする方法もあるので両方の方法を紹介します。

挿し木の方法① さし床

準備するもの

  • 水ゴケ
  • ゴロ石
  • ピンセット
  • ハサミ
  • 輪ゴム
  • 発根促進剤

挿し床の手順

  1. しおれていない元気な茎節を2節~3節ほど切りとります。茎節の部分をひねると簡単に取れますが、固い場合や芯が抜ける場合には、ハサミで切り取ります。
  2. 摘み取った茎節に、水ごけを巻き付けて輪ゴムで止めます。この時切り口に発根促進剤をつけるとより発根しやすくなります。同じものを複数作り挿し芽にします。
  3. 鉢の底にゴロ石を敷き、その上に湿らせた水ゴケを置きます。
  4. ②で作った挿し穂を立てて挿しこみ、隙間を水ゴケを詰めて固定します。
  5. 水やりは植え付け後、3日ほどたってから行います。約2か月程度で発根します。
  6. 5月に行った場合は、9月にさし床から通常の用土に移し替えて、鉢上げします。

水ゴケを巻き付けずに植えつける場合は②は省略してもかまいません。その場合も切り口に発根促進剤をつけるとより発根しやすくなります。また用土は、水ゴケのほか鹿沼土・赤玉土の単用を使うこともできます。いずれも新しく清潔であることで切り口から雑菌が入るのを防ぎます。

挿し木の方法② さし床を使わず、培養土でそのまま育てる。

準備するもの

  • シャコバサボテンの培養土
  • 鉢底石
  • ピンセット
  • ハサミ
  • 発根促進剤(あれば発芽率があがります)

手順

  1. しおれていない元気な茎節を2節~3節ほど切りとります。茎節の部分をひねると簡単に取れますが、固い場合や芯が抜ける場合には、ハサミで切り取ります。
  2. 鉢の底に鉢底石を敷き、用土をいれます。用土はあらかじめ湿らせておきます。
  3. ①で摘みとった茎節を、切り口を下にして同心円を書くように植えつけます。この時に切り口に発根促進剤を使うと発根しやすくなります。
  4. 水やりは植え付け後、3日ほどたってから行います。

発根促進剤について

生育期であれば発根しますが、発根を早くしたり太く元気な根を促進させる、成功率を上げるためには発根促進剤も有効です。

土での挿し木にはルートンがよく使われます。ルートンは、さし木、さし苗の発根を促進させる植物成長調整剤です。粉末状ですので枝の切り口3㎝ぐらいを水に浸して、粉末をまぶして使います。まぶしすぎないように気をつけましょう。

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また、水挿しなどにも使われるメネデールは、発根まで2~3日に一度メネデールを薄めた水で水やりをするのも効果的です。

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メネデールは、肥料と併用できますが農薬と混ぜてはいけません。ルートンは農薬ですので併用はやめましょう。

タネから育てる実生の方法

シャコバサボテンを増やすには、挿し木が簡単ですがタネからでもふやすことができます。種から育てるのは時間もかかり少し難しいですが、一度に多くふやすことができ、珍しい品種などに出会える可能性もあります。種をまく時期は、5月から6月、気温が20℃から30℃のころが適期です。

  1. 底の浅い平鉢にバームキュライトを入れ、吸水させてから等間隔になるように種をまきます。
  2. まき土はせず、水やりは、鉢ごと水につけて鉢底から十分吸わせる腰水で行います。
  3. ガラス板・ラップなどで鉢を覆い、保湿しましょう。2~3週間程度で発芽します。

発芽したら植え替えをしましょう。平鉢に用土(赤玉土小玉4・ピートモス4・パーライト2)を入れ、1㎝間隔になるようにピンセットで植え替えをします。1年後にまた同様の植え替えをおこない種まきから3年後程度て一人前の株になります。

その他 シャコバサボテンの栽培で気をつけたいポイント

栽培環境

シャコバサボテンは、日当たりの良い風通しの良い場所を好みます。できれば生育期の春から梅雨までは、屋外の日の当たる場所で屋外で管理しましょう。室内で育てるときも、日の当たる窓辺に置き、ベランダや庭など屋外にも定期的に出してあげると元気に育ちます。

夏越し

日光不足になるとひょろひょろと先端が細くなったりして徒長してしまい、弱って枯れる原因ともなります。しかし梅雨明け後の真夏の直射日光は、葉焼けの原因にもなりますので半日日に当てたら、午後は軒下などの日陰に移動する。もしくは寒冷紗などで遮光して半日陰で管理します。

シャコバサボテンは、ブラジル原産で自生地は熱帯性森林で霧が多い環境ですが、温度は夏でも25℃から30℃程度なので、日本の夏は暑すぎるといえるでしょう。風通しのよい涼しい場所を選んで管理しましょう。水やりも控えめにしてください。

冬越し

シャコバサボテンは、耐寒性は弱いです。霜の降りる冷え込む前、夜の温度が10℃以下になる10月下旬ごろには室内で管理してください。夜、窓際に置いておくと気温が下がり寒くなります。花が咲き終わったら気温が5℃以下にならない場所で管理し冬越をします。

短日処理

シャコバサボテンは短日植物で、日照時間が短くなると、花芽をつけ始めます。夜遅くまで明るい場所に置くと花芽やつぼみが付きにくくなる場合もあるので、明るさにも注意が必要です。ベランダなどでは生活光などで真っ暗にできない場合は、品種にもよりますが花芽がつく9月下旬ごろから一カ月程度、夕方から朝まで段ボールをかぶせておくなどの処理をしましょう。

水やり

サボテンの水やりのポイントは、生育期と休眠期で水やりの方法を変えることです。シャコバサボテンの水やりは基本的には生育期の3月〜9月は、表面の土が乾いたら水やりをします。ジョウロで根本に水を与える灌水で、底から水が流れでるまで与えます。

夏に根腐れすることが多いので梅雨と夏は、土が乾いたと思ったらもう2~3日まってから水やりをするとよいでしょう。

サボテンは休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に控えめにして水を減らしますが、シャコバサボテンは11月下旬から蕾が大きくなる時期ですので、水やりは控えず生育期と同様の水やりをします。花が終わった2月から3月頃までは水やりの回数を減らし、乾かし気味で管理します。

種類

シャコバサボテンの花期は11月~3月までですが、花期の異なる品種をえらんだり、短日植物であることを利用して、開花調整することで、長い間楽しむことができます。シャコバサボテンの花色や品種に関しての記事がありますので、興味のある方はお読みください

用土

一般の観葉植物では、鉢植えの場合は、赤玉土と鹿沼土を基本用土として、ピートモス、バーミキュライト、パーライトやココヤシチップといった改良用の土を基本用土にプラスして使います。

しかし、多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。

シャコバサボテン専用の培養土が販売されていますので、そちらが便利です。自分で配合する場合には、赤玉土4・腐葉土3・軽石3や、赤玉土・腐葉土・鹿沼土の等量配合など水はけや通気性のよい土がよいでしょう。根腐れ防止にくん灰やゼオライトを少量混ぜてもよいでしょう。

サボテンは乾いた土に植え替えするのが基本ですが、シャコバサボテンはある程度湿らせた土に植え替えをします。新しい土は配合した後に半分程度濡らしてビニール袋に入れ、日向に2時間ほど放置した湿った土を使うとよいでしょう。

肥料

砂漠などの栄養の少ない土でも育つサボテンですが、肥料をあげることで元気にすくすくと育ちます。

シャコバサボテンは花つきをよくするために肥料が大切です。生育期の4月と6月に固形の固形の緩効性肥料を置き肥し、3月~6月には液体肥料(液肥)を2週間に1度の施します。梅雨明け以降の肥料は不要です。

休眠期は絶対に肥料をやらないようにしてください。肥料やけを起こし、枯れる原因になります。

シャコバサボテンの肥料についての記事もありますので、肥料について興味のある方は読んでみてください。

植えつけ、植え替え

園芸店などで購入してきた苗の鉢は、インテリアに合わせて、素焼き鉢や、陶器やグラスなどにも植え替えすることもできます。またサボテンが病気で根元から腐ってしまったときは、すぐに植え替えが必要です。寄せ植えも植え替えの一種です。

またシャコバサボテンは生長に合わせて、1年~2年に一度、できれば毎年植え替えをしましょう。時期は4月頃に、一回り大きな鉢に移し替えます。根から土1/2~1/3程度を落とし、傷んだ根っこや根腐れを起こしているものは、根元から切り取ります。根腐れしているものは思い切って株分けしてもかまいません。根を露出している1/3程度切り詰め、新しい土に埋めて移し替えます。

植え替えする場合は、鉢が乾いている状態で引き抜きましょう。また新しい土は配合した後に半分程度濡らしてビニール袋に入れ、日向に2時間ほど放置した湿った土を使うとよいでしょう。

シャコバサボテンの一種であるカニサボテンの植え替えについての記事もありますので興味がある方は読んでみてください。

剪定(切り戻し・芽摘み)

春に新芽を切り戻しすると、背丈を調整することで株がバランスよく仕立てられ、その茎を使ってふやすこともできます。秋になっても茎葉が生長し続けているときは、各枝の先端の赤くて柔らかい新芽をひねって、摘み取ると花芽が付きやすくなります。

秋には、翌年の花芽のつきをよくするため、芽摘みをしましょう。涼しくなった9月の上旬に茎節がのびているようなら、先端のやわらかい新芽を摘みとります。

病害虫

シャコバサボテンは、ケムシ、ヨウトウムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生する恐れがあります。梅雨にはナメクジが発生する恐れもあります。それぞれの害虫によって葉っぱを食い荒らしたり、ウイルスを伝染させたりと活動も異なり、幼虫や成虫などによって対応は変わります。見つけたら早めに取り除いてあげましょう。殺虫殺菌剤なども有効です。

また湿気の多い場所に置いておくと、根腐れ病や茎枯れ病・茎腐れ病などにかかる恐れがあります。予防には、湿気の少ない風とおしの良い場所に置いてあげましょう。

まとめ

冬に大ぶりな赤やピンクの鮮やかな色の花が咲くシャコサボテンは、一般の観葉植物と比べて毎日手をかけなくても育つので、観賞用としても非常に人気のある植物です。ほかにも花が咲くサボテンとしてはイースターカクタスやクジャクサボテン・月下美人(ゲッカビジン)も有名です。

また花言葉は、「一時の美」「美しい眺め」「つむじまがり」などがあります。簡単に増やせるので自分で育てたシャコバサボテンを、いっぱいにして冬の花をぜひ楽しんでください。

ここで紹介した農薬は、JA販売店やホームセンターのガーデニング・資材、庭木コーナーにあるものもあります。ほ場で早期発見し、適切な薬剤や防除方法でしっかり発生を予防、ガードできると、農薬散布と言った農作業の回数を減らすことができます。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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