農機具の分野では4大メーカーという表現があります。クボタ(KUBOTA)、ヤンマー(YANMAR)、イセキ(ISEKI)、三菱(MITSUBISHI)の4社を指す表現です。田植機、トラクター、コンバイン、カルチベータといった農機具に革新をもたらし続けてきた存在で、農家から絶大なる信頼が寄せられています。
この記事では、三菱(MITSUBISHI)耕運機について俯瞰して紹介します。
三菱耕運機の特長とラインナップ
一般に三菱耕運機といわれているのは、三菱マヒンドラ農機株式会社の耕運機のことです。三菱農機とインド自動車大手であるマヒンドラ&マヒンドラが、2015年に資本業務提携したことにより現在の社名となっています。
三菱耕運機に共通する特長として、丈夫で長持ちということがあります。また、エンジンは三菱重工製のものを採用しており、その性能は折り紙付きです。ラインナップとして大きくは、「ミニ耕運機」、「耕運機」、「管理機」、「テイラー」、「乗用管理機」に分類されています。
ミニ耕運機
家庭菜園から中規模圃場くらいまでの使用を想定した耕運機です。コンパクトタイプなので運搬や収納が楽なのはもちろん、アタッチメントの種類が多く耕運以外の色々な作業ができる点も三菱ならではといえます。ラインナップは、エコ・ラテ、ポプリ、MMシリーズ、MMRシリーズです。
エコ・ラテ
燃料としてカセットボンベを使用するガス耕運機です。カセットボンベには、鍋やバーベキューなどでも使用する岩谷産業の「イワタニカセットガス」が指定されています。燃料にガソリンを使用する場合と比べて、手軽に入手でき、作業時の手間もかからないのが最大の特長です。エンジン始動もチョーク操作なしでリコイルを引くだけなので簡単です。現行モデルは、EL20A、ELF20、ELR20です。
ポプリ
燃料としてガソリンを使用します。フロントロータリタイプのため、足元の耕運爪を気にすることなく使用できます。「ミラクルスタート」をよばれるリコイルロープを軽く引くだけでエンジン始動できる独自技術などが、結集しています。3馬力(PS)のパワフルなエンジン出力により、強い回転を実現しています。現行モデルは、MFR30Aです。
MMシリーズ
燃料としてガソリンを使用します。車軸ロータリタイプのため、小回りがきき初心者にもおすすめです(尾輪の装着で、畑への移動も楽々です)。補助ハンドルがないことで、運びやすく、倉庫などへもすっきり格納できるのも特長です。コンパクトな機体ながら、2.2~3馬力(PS)のパワフルなエンジン出力があります。現行モデルは、MM2、MM300E、MM300Aです。
MMRシリーズ
燃料としてガソリンを使用します。リアロータリタイプのため、より深く安定して耕すことができます。MMRシリーズは主力製品でもあり、マイボーイ(My Boy)という愛称が製品名にもつけられています。現行モデルは、MMR300A、MMR400A、MMR600Aです(かつては、MMR6、MMR60、MMR65といったモデルが普及しており、現在でも中古農機市場には広く流通しています)。
耕運機
中規模圃場以上での使用を想定しています。「ミニ耕運機」よりもエンジン性能が高いものを「耕運機」と分類および位置付けて、MRシリーズとしてラインナップしています。エンジン出力が7.2~9.3馬力(PS)なので、プロ農家向けといえるでしょう。現行モデルは、MR750B、MR950Bです。
管理機
「ミニ耕運機」や「耕運機」よりもさらに高度で多彩な管理作業を実現できます。別売のアタッチメントを装備することで、中耕、除草、培土、溝浚、マルチ作業といったより細かいニーズにもしっかり対応します。
MSDシリーズ
一輪管理機シリーズです。車輪が1つのため、旋回時の持ち上げ荷重が軽減されるというメリットがあります。中耕、除草、培土などの管理作業もしっかり行えます。現行モデルは、MSD3、MSD4、MSD6、MSDC6です。
MMシリーズ
多数のモデルを有しており、フロントロータリタイプ、車軸タイプ、リアロータリタイプのいずれもあります。モデルによっては、中耕、除草、培土などはもちろんのことマルチ作業までできてしまうという万能シリーズです。現行モデルは、MM408A、MM458、MM558AS、MM658AS、MM708AS、MM758AS、MM858AS、MM1058AS、MM116Bです。
MMRシリーズ
二輪のリアロータリシリーズです。MMRシリーズは主力製品でもあり、マイボーイ(My Boy)という愛称が製品名にもつけられています。現行モデルは、MMR78A、MMR78AUN、MMR88Bです。
テイラー(テーラー)
テイラー(テーラー)は、ロータリーを装着することで強力な耕運機になります。一方、後部に荷台(トレーラー)を装着すると、乗用の運搬機としても利用できるのが最大の特長です。現行モデルは、MS68B、MS88Bです。
乗用管理機
乗用管理機は、防除、中耕除草、追肥、収穫など様々な作業を行うことができる乗用トラクターの仲間です。農作物の栽培中に田畑に入ることが多いので、軽い機体や細いタイヤで構成されているといった特徴があります。現行モデルはMV170で、メーカー希望小売価格は2,222,000円です。
三菱耕運機の部品を入手したいときは
よく使われる培土器や畝立て器のようなアタッチメント、耕運爪や抵抗棒のような部品であればショッピングサイト(Amazon、楽天、yahoo、モノタロウ、ノウキナビ等)で入手できるものがあります。気軽に確認できますので、のぞいてみるとよいでしょう。
ショッピングサイトで見つからない場合は、お近くの三菱農業機械取扱店に連絡してみましょう。三菱耕運機をショッピングサイトで購入した場合、中古で購入した場合、他人から譲渡された場合のいずれであっても相談に乗ってもらえることが多いです。なお、三菱マヒンドラ農機は、耕運機の部品について当該製品の生産終了から11年間は供給できる体制を敷いています。このように、アフターサポートやメンテナンス網が充実していることも、三菱耕運機への信頼につながっています。
三菱耕運機を中古で買いたいときは
三菱耕運機は、その性能に比して安価を実現していますので、新品でも手の届きやすい価格になっています。しかしながら、中古でもいいからもっと安く入手したいという人もいるでしょう。その場合におすすめなのが、大手オークションサイトである「ヤフオク!」を利用する方法です。
オークションというと価格を随時確認しなくてはいけないなど煩わしいイメージがあるかもしれませんが、実は現在の「ヤフオク!」には「定額」で出品されている商品が多くあります。「定額」で出品されている商品は、オークション形式とは異なり、表示されている価格に対し購入ボタンを押すだけで即時取引完了となります。このように煩わしさもなくなっているばかりか、農機商品の取扱い数も急拡大しており、非常に使い勝手のよいサービスに進化しています。
以下にリンクを用意しましたので、ぜひ一度のぞいてみるとよいでしょう。
=>ヤフオク!で検索してみるまとめ
三菱耕運機には多くの製品ラインナップがありますが、これは農家からの信頼に対し、実績で応えてきた歴史が形作ったものです。性能、耐久性、アフターサポートなどいずれも安心できる耕運機ですので、興味がある場合には間違いなく買いといえるでしょう(ブランドとしてのミツビシのファンで愛用している人も少なくありません)。
一方、クボタ(KUBOTA)、ヤンマー(YANMAR)、イセキ(ISEKI)、三菱(MITSUBISHI)の4大メーカー以外にも優れた農機具を製造販売しているメーカーは少なくありません。やまびこ(共立および新ダイワ工業)、丸山製作所、オーレック、オカネツ工業などは、たとえば果樹園で使用するスピードスプレーヤーでよく知られています。
もう少し低価格帯であったり、小型で充電式のバッテリーを動力とするような耕運機をお探しの場合には、マキタの「充電式耕運機 MUK360D」、リョービの「電気カルチベータ ACV-1500」、高儀の「菜援くん」といった製品もあります。気になる方は、あわせてチェックしてみるとよいでしょう。