ホンダ(HONDA)というと、自動車やバイクを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし実は、「パワープロダクツ」分野の製品として、耕運機、芝刈機、草刈機、刈払機、除雪機、動力噴霧機(動力散布機)、高圧洗浄機、ブロワ、水ポンプといったものも展開しています。特に耕運機は、家庭菜園や小中規模園芸において、高いシェアをもつベストセラー製品です。
この記事では、ホンダ耕運機「サ・ラ・ダ」シリーズを紹介します。
「サ・ラ・ダ」シリーズ
現行のホンダ耕運機「サ・ラ・ダ」シリーズには、次の3機種があります。いずれもフロントロータリータイプです。フロントロータリータイプでは耕運爪が前方にあるので、足元の余裕を気にすることなく安心安全に作業ができ、さらに畑の隅々まで耕せるというメリットがあります。
- サ・ラ・ダCG FFV300
- サ・ラ・ダ FF300(LT2)
- サ・ラ・ダ FF500(LA)
これら3機種については、燃料および耕せる面積の違いに着目して区別すると違いが分かりやすいです。また、それぞれ耕運以外にできる農作業も異なります。一方で、すべての機種でARS(アクティブ・ロータリー・システム)という名称の同軸同時正逆転ロータリー技術が採用されています。ARS(アクティブ・ロータリー・システム)では、爪をしっかり土に食い込ませ、内爪と外爪を同時に正転逆転させることで土を細かく粉砕し、深く耕しながらダッシング(耕運機が土壌の上を走行して急に飛び出すこと)も抑えています。
サ・ラ・ダCG FFV300
「サ・ラ・ダCG FFV300」は、燃料にガスボンベ(カセットガス)を利用するガス耕運機です。一般に、ガス耕運機のメリットには、①電動耕運機よりもパワーがありパワフルに耕せる、②燃料の入手や交換がカンタン、③燃料がガソリンの場合と比べてオイルの詰まりが少なくメンテナンスが楽である(エアークリーナーなどの部品メンテナンスは、燃料の種類に関わらず必要)、といったことがあります。
性能と機能
土質の条件や状態によっても変わりますが、100坪程度の広さまで対応する本格的なガス耕運機です。また、工具を使うことなくハンドルを折りたためて、コンパクトに収納できます。
サ・ラ・ダCG FFV300 | |
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製品 | |
型式名 | FBDJ |
区分 | LT2 |
動力源 | ガス |
タイプ | フロントロータリー |
全長×全幅×全高(mm) | 1465×465×1015 |
重量(kg) | 54 |
最大出力(馬力) | 1.6 |
耕運幅(mm) | 450 |
対応面積目安(坪) | ~100 |
希望小売価格(税込) | 209,000円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。FFV300に採用されているGXV57の性能は、以下の通りです。
GXV57 | |
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種類 | 空冷4ストローク単気筒OHV |
総排気量(cm3) | 57.3 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 0.85[1.2]/4,000 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.2[1.6]/4,800 |
使用燃料 | LPG(液化ブタン/指定カセットボンベ) |
燃料タンク容量(L) | 〈カセットガス1本の標準容量〉250g |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
アタッチメント
別売の純正アタッチメントを装着することで、畑を耕すだけでなく様々な農作業を行うことができます。畝づくり、土寄せ、畝間雑草の処理、乾燥を防ぐためのマルチングなどを含め、次のような農作業を行えます。
- 畝立て
- 中耕培土
- 除草
- 整地
- マルチ
ただし、ローターを除くアタッチメントの取り付けには、牽引用のヒッチが必要な点に留意しましょう。また、同じ製品名のアタッチメントであっても、異なるモデルの機体には対応していないものもありますので、注文前に品番をよく確認するようにしましょう。
ニューM型ヒッチ(FFV300・FF300用) | スマートヒッチ(FFV300・FF300用) | パープル培土器 | グリーン培土器W(尾輪なし)(FFV300・FF300用) | ニューイエロー培土器(尾輪なし) | ブルー溝浚器(尾輪なし) | 内外盛整形器Ⅱ型 | らくらく培土器 | FF300補助車輪380(FFV300・FF300用) | 中耕ローター320(FFV300・FF300用) | スパイラルローター(FFV300・FF300用) | ブルースパイラル(FF300・FFV300用) | スーパー整地レーキ(FFV300・FF300用) | 平うねミニマルチ こはる | マルチシート55cm(黒色)(FFV300・FF300用) | ボディーカバー(ハーフサイズ)(FFV300・FF300用) | ボディーカバー(フルカバー)(FFV300・FF300・F503・FU400用) | |
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製品 | ー | ||||||||||||||||
希望小売価格(税込) | 15,180円 | 11,000円 | 13,200円 | 13,200円 | 14,300円 | 15,400円 | 22,550円 | 15,400円 | 19,800円 | 20,900円 | 24,200円 | 27,500円 | 11,550円 | 25,300円 | 3,300円 | 4,180円 | 5,830円 |
サ・ラ・ダ FF300(LT2)
「サ・ラ・ダCG FFV300」とよく似たモデルですが、燃料にガソリンを利用する点で大きく異なります。ガソリンを扱うことになるので初心者にとっては慣れない部分もあるかもしれませんが、すぐに問題なくスムーズに操作できるようになります。手軽さでは少し劣るものの、価格は安く性能は高いので、コストパフォーマンスには優れるでしょう。
性能と機能
「サ・ラ・ダCG FFV300」とほぼ同様の機能が搭載されています。具体的には、ハンドル高さの調節機能、クラッチレバー1本で可能な前進と後進を含む速度調節機能、デフロック機構による直進と旋回の切り替え機能、握り位置を自由に選べるループハンドル仕様、などがあります。
サ・ラ・ダ FF300(LT2) | |
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製品 | |
型式名 | FAJJ |
区分 | LT2 |
動力源 | ガソリン |
タイプ | フロントロータリー |
全長×全幅×全高(mm) | 1465×465×1015 |
重量(kg) | 51 |
最大出力(馬力) | 2.0 |
耕運幅(mm) | 450 |
対応面積目安(坪) | ~100 |
希望小売価格(税込) | 177,980円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。FF300に採用されているGXV57の性能は、以下の通りです。
GXV57 | |
---|---|
種類 | 空冷4ストローク単気筒OHV |
総排気量(cm3) | 57.3 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.0[1.4]/4,000 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.5[2.0]/4,800 |
使用燃料 | 自動車用無鉛ガソリン |
燃料タンク容量(L) | 1.0 |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
アタッチメント
別売の純正アタッチメントを装着することで、畑を耕すだけでなく様々な農作業を行うことができます。畝づくり、土寄せ、畝間雑草の処理、乾燥を防ぐためのマルチングなどを含め、次のような農作業を行えます。
- 畝立て
- 中耕培土
- 除草
- 整地
- マルチ
ただし、ローターを除くアタッチメントの取り付けには、牽引用のヒッチが必要な点に留意しましょう。また、同じ製品名のアタッチメントであっても、異なるモデルの機体には対応していないものもありますので、注文前に品番をよく確認するようにしましょう。
ニューM型ヒッチ(FFV300・FF300用) | スマートヒッチ(FFV300・FF300用) | パープル培土器 | グリーン培土器W(尾輪なし)(FFV300・FF300用) | ニューイエロー培土器(尾輪なし) | ブルー溝浚器(尾輪なし) | 内外盛整形器Ⅱ型 | らくらく培土器 | FF300補助車輪380(FFV300・FF300用) | 中耕ローター320(FFV300・FF300用) | スパイラルローター(FFV300・FF300用) | ブルースパイラル(FF300・FFV300用) | スーパー整地レーキ(FFV300・FF300用) | 平うねミニマルチ こはる | マルチシート55cm(黒色)(FFV300・FF300用) | ボディーカバー(ハーフサイズ)(FFV300・FF300用) | ボディーカバー(フルカバー)(FFV300・FF300・F503・FU400用) | |
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製品 | ー | ||||||||||||||||
希望小売価格(税込) | 15,180円 | 11,000円 | 13,200円 | 13,200円 | 14,300円 | 15,400円 | 22,550円 | 15,400円 | 19,800円 | 20,900円 | 24,200円 | 27,500円 | 11,550円 | 25,300円 | 3,300円 | 4,180円 | 5,830円 |
サ・ラ・ダ FF500(LA)
フロントロータリータイプのホンダ耕運機のうち、最も大面積に対応できます。重量(質量)79kgおよび耕運幅550mmの機体に加えて、160cm3の大排気量エンジンがそれを可能にしています。多少大きめの本体サイズに感じるかもしれませんが、自走式の大径タイヤが装備されているのでエンジンをかけていない状態の移動でもラクラクです。
性能と機能
重量があることに加え、バランスよく配置されたバーチカルエンジンによって低重心で安定しているため、直進性をもった深い耕運が可能です(一般に耕運の深さは抵抗棒によって調節しますが、フロントロータリータイプのため前輪によって調節します)。機体寸法が多少大きいものの、ハンドルを折りたたむことはできないので、乗用車での運搬は難儀するかもしれません。
サ・ラ・ダ FF500(LA) | |
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製品 | |
型式名 | FANJ |
区分 | LA |
動力源 | ガソリン |
タイプ | フロントロータリー |
全長×全幅×全高(mm) | 1765×585×1045 |
重量(kg) | 79 |
最大出力(馬力) | 4.5 |
耕運幅(mm) | 550 |
対応面積目安(坪) | ~300 |
希望小売価格(税込) | 229,900円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。FF500に採用されているGCV160A0の性能は、以下の通りです。
GCV160A0 | |
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種類 | 空冷4ストローク単気筒OHC |
総排気量(cm3) | 160 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 2.1[2.9]/3,000 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 3.3[4.5]/3,600 |
使用燃料 | 自動車用無鉛ガソリン |
燃料タンク容量(L) | 1.8 |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
アタッチメント
別売の純正アタッチメントを装着することで、畑を耕すだけでなく様々な農作業を行うことができます。畝づくり、土寄せ、畝間雑草の処理、乾燥を防ぐためのマルチングなどを含め、次のような農作業を行えます。
- 畝立て
- 中耕培土
- 除草
- 整地
- マルチ
ただし、ローターを除くアタッチメントの取り付けには、牽引用のヒッチが必要な点に留意しましょう。また、同じ製品名のアタッチメントであっても、異なるモデルの機体には対応していないものもありますので、注文前に品番をよく確認するようにしましょう。
ニューM型ヒッチ(FF500用) | スマートヒッチ(FF500用) | パープル培土器 | ニューイエロー培土器(尾輪なし) | ブルー溝浚器(尾輪なし) | 内外盛整形器Ⅱ型 | らくらく培土器 | FF500補助車輪380 | スパイラルローター(FF500用) | ブルースパイラル(FF500用) | スーパー整地レーキ(FF500用) | 平うねミニマルチ こはる | マルチシート65cm(黒色)(FF500用) | ボディーカバー(FF500・FU655・FU755用) | |
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製品 | ー | |||||||||||||
希望小売価格(税込) | 16,280円 | 12,100円 | 13,200円 | 14,300円 | 15,400円 | 22,550円 | 15,400円 | 20,130円 | 34,100円 | 33,000円 | 13,200円 | 25,300円 | 3,740円 | 6,380円 |
「サ・ラ・ダ」シリーズを比較
「サ・ラ・ダ」シリーズの現行モデル3機種については、以下の通り比較できます。なお、サ・ラ・ダ FF300 (LHT)、サ・ラ・ダ FF500 (LHA)も他にあります。これらは、ニューM型ヒッチが付属された製品なので、それぞれFF300(LT2)、サ・ラ・ダ FF500 (LHA)を参照すればOKです。
サ・ラ・ダCG FFV300 | サ・ラ・ダ FF300(LT2) | サ・ラ・ダ FF500(LA) | |
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製品 | |||
型式名 | FBDJ | FAJJ | FANJ |
区分 | LT2 | LT2 | LA |
動力源 | ガス | ガソリン | ガソリン |
タイプ | フロントロータリー | フロントロータリー | フロントロータリー |
全長×全幅×全高(mm) | 1465×465×1015 | 1465×465×1015 | 1765×585×1045 |
重量(kg) | 54 | 51 | 79 |
最大出力(馬力) | 1.6 | 2.0 | 4.5 |
耕運幅(mm) | 450 | 450 | 550 |
対応面積目安(坪) | ~100 | ~100 | ~300 |
希望小売価格(税込) | 209,000円 | 177,980円 | 229,900円 |
まとめ
サ・ラ・ダ(salad)は、フロントロータリータイプの耕運機です。フロントロータリータイプでは耕運爪が前方にあるので、足元の余裕を気にすることなく安心安全に作業ができ、さらに畑の隅々まで耕せるというメリットがあります。
現行では3機種ありますが、燃料および耕せる面積の違いに着目して区別すると違いが分かりやすいです。また、それぞれ耕運以外にできる農作業も異なります。一方で、すべての機種でARS(アクティブ・ロータリー・システム)という名称の同軸同時正逆転ロータリー技術が採用されています。ARS(アクティブ・ロータリー・システム)では、爪をしっかり土に食い込ませ、内爪と外爪を同時に正転逆転させることで土を細かく粉砕し、深く耕しながらダッシング(耕運機が土壌の上を走行して急に飛び出すこと)も抑えています。
なお、ホンダには、以下の耕運機などもあります。ホンダの耕運機は、燃料の種類、ロータリーの位置、対応できる面積、対応できる作業などによって、それぞれに明確な特色があります。
- ピアンタ FV200(JT2)
- プチな FG201(JT)
- こまめ F220(JT)
- こまめ F220(JAST)
- パンチ F503(JH)
- ラッキーボーイ FU400
- ラッキー FU655
- ラッキー FU755(L)
- 一輪管理機(FR316)
- 汎用管理機(LH)
その他、代表的な耕運機メーカーとして、クボタ(KUBOTA)、ヤンマー(YANMAR)、イセキ(ISEKI)、マキタ(makita)、リョービ(RYOBI)、オーレック(OREC)などもあります。これから耕運機を探すという人は、あわせてチェックしてみてもよいかもしれません。