畑を耕すための農業機械といえば、大型のトラクターを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、耕運機やテーラーを使えば、家庭菜園などの面積が小さい畑も便利に耕すことができます。耕運機やテーラーの使い勝手は、チェンソー、ヘッジトリマー、ブロワー、草刈機などの身近な農機具に近いです。
この記事では、ホンダ耕運機「プチな」を紹介します。
「プチな」の概要
ホンダ耕運機の中では、最も軽量小型のコンパクトなモデルです。「プチな」という名称は、小さいことを表す「PETIT」と野菜など想起させる「菜」に由来しています。手軽に扱うことができるので、野菜づくりはもちろん、ガーデニングでの利用にもおすすめできる耕運機です。
性能と機能
本体は小型ながら、最大耕幅や耕運爪径は比較的大きいため本格的に耕すことが可能です。持ち運びに配慮したキャリーハンドルとフロントガードが装備されているので、畑や圃場への移動もラクラクです。また、車での運搬も想定されているため、工具不要でハンドルを折りたたんでコンパクトに収納することができます。
使い勝手を高めるための細かな技術にも余念がありません。外爪を固定するボルト留め用ロックピンを取付方向問わず差せるR型形状とすることで、ピンの脱落を防止するとともに、外爪の脱着作業を容易にしています。このロックピンは抵抗棒を固定するボルト留め用にも採用されており、抵抗棒やアタッチメントの脱着がスムーズに行えます。また、長期保管や車載の際に、キャブレター内に残った燃料を工具無しで素早く簡単に抜くことができる手動式の「キャブドレンノブ」と「ドレンチューブ」が標準装備されており、メンテナンス作業も手軽に行えます。
なお、ホンダの耕運機は標準仕様が定まっていてシンプルなので、大変分かりやすいです。プチなFG201(JAT)という製品もありますが、これはローターが装着されていない仕様なので、購入時には注意が必要です。
プチな FG201(JT) | |
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製品 | |
型式名 | FAFJ |
区分 | JT |
動力源 | ガソリン |
タイプ | 車軸ローター |
全長×全幅×全高(mm) | 1055×485×990 |
重量(kg) | 18 |
最大出力(馬力) | 2.2 |
耕運幅(mm) | 450 |
対応面積目安(坪) | ~30 |
希望小売価格(税込) | 75,900円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。プチなに採用されているGXV50Tの性能は、以下の通りです。
GXV50T | |
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種類 | 空冷4ストローク単気筒OHV |
総排気量(cm3) | 49.4 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.1[1.5]/4,600 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.6[2.2]/7,000 |
使用燃料 | 自動車用無鉛ガソリン |
燃料タンク容量(L) | 0.35 |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
燃料にガソリンを使用する耕運機は、パワフルに土を粉砕し、広い面積を耕すことができます。一方で、エンジンオイルの交換などメンテナンスや手入れをしなくてはいけない側面があります。また、ガソリンを入手するために、携行缶を持ってガソリンスタンドに行かなくてはいけないという煩わしさもあります。こうした手間を回避したい場合には、燃料にカセットガスを使用するガス耕運機を活用する方法もあります。状況や状態に応じて、検討してみてください。
「プチな」の使い方
プチなの使い方を「操作方法」と「用途」に分けて紹介します。
操作方法
一般的な耕運機の操作方法は以下の通りですが、プチなの場合はさらにシンプルで簡単です。スロットルレバーを握るだけでクラッチがつながり前進し、放すと止まる簡単で安心な操作です(主クラッチ形式は遠心クラッチ、走行変速段数は前進1段のみです)。
作業名 | 内容 |
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始動 | ① 機体の安全点検を行う ② 主クラッチレバーと耕運クラッチレバーが「切」、変速レバーが「中立」になっていることを確認する ③ エンジンを始動させる(リコイルスタータの場合はロープを引き、セルスタータの場合はスイッチを使う) |
発進 | ① 変速レバーを希望の位置に入れる ② アクセルレバーを調整し、エンジンの回転を上げる ③ 主クラッチレバーを入れ、ゆっくりとクラッチをつなぎ発進 |
変速 | ① 主クラッチレバーを切り、変速レバーを希望の位置に入れる ② 主クラッチレバーを入れ、ゆっくりとクラッチをつなぐ |
旋回 | ① エンジンの回転を下げ、速度を十分に落とす ② ハンドルをかるく持ち上げる ③ 曲がる側のかじとりクラッチレバーを握りながら、機体を旋回させる |
停止 | ① エンジンの回転を下げ、主クラッチレバーを「切」にする ② 変速レバーを「中立」にし、エンジンを停止させる |
用途
別売の純正アタッチメントを装着することで、耕運だけでなく、畝立て、中耕培土、除草、整地など色々な農作業を行うことができます。別売の純正アタッチメントは、以下の通りです。なお、同じ製品名のアタッチメントであっても、異なるモデルの機体には対応していないものもありますので、注文前に品番をよく確認するようにしましょう。
パープル培土器 | グリーン培土器W(尾輪付) | ニューイエロー培土器(尾輪付) | 培土車輪 | イエロースパイラル450 | スーパー整地レーキ | ボディーカバー(ハーフサイズ) (FV200・FG201・F220用) | ボディーカバー(フルカバー) (FV200・FG201・F220用) | |
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製品 | ||||||||
希望小売価格(税込) | 13,200円 | 14,850円 | 15,950円 | 10,450円 | 17,600円 | 10,450円 | 3,080円 | 4,730円 |
まとめ
ホンダ(HONDA)は、「The Power of Dreams」をスローガンに掲げるテクノロジー企業です。ホンダのクルマやバイクは誰もが知るところですが、マリンやパワープロダクツも有名で、最近ではHondaJetも手掛けています。
「パワープロダクツ」分野の製品として、耕運機、芝刈機、草刈機、刈払機、除雪機、動力噴霧機(動力散布機)、高圧洗浄機、ブロワ、水ポンプといったものも展開しています。特に耕運機は、家庭菜園や小中規模園芸において、高いシェアをもつベストセラー製品です。
ホンダ耕運機の中で、最も軽量小型のコンパクトなモデルが「プチな」です。本体は小型ながら、最大耕幅や耕運爪径は比較的大きいため本格的に耕すことが可能です。持ち運びに配慮したキャリーハンドルとフロントガードが装備されているので、畑や圃場への移動もラクラクです。また、車での運搬も想定されているため、工具不要でハンドルを折りたたんでコンパクトに収納することができます。
使い勝手を高めるための細かな技術にも余念がありません。外爪を固定するボルト留め用ロックピンを取付方向問わず差せるR型形状とすることで、ピンの脱落を防止するとともに、外爪の脱着作業を容易にしています。このロックピンは抵抗棒を固定するボルト留め用にも採用されており、抵抗棒やアタッチメントの脱着がスムーズに行えます。また、工具を使わずにガソリン抜きができるホースも搭載されており、メンテナンス作業も手軽に行えます。
なお、ホンダには、以下の耕運機などもあります。ホンダの耕運機は、燃料の種類、ロータリーの位置、対応できる面積、対応できる作業などによって、それぞれに明確な特色があります。
- ピアンタ FV200(JT2)
- こまめ F220(JT)
- こまめ F220(JAST)
- パンチ F503(JH)
- サ・ラ・ダCG FFV300
- サ・ラ・ダ FF300(LT2)
- サ・ラ・ダ FF500(LA)
- ラッキーボーイ FU400
- ラッキー FU655
- ラッキー FU755(L)
- 一輪管理機(FR316)
- 汎用管理機(LH)
その他、代表的な耕運機メーカーとして、クボタ(KUBOTA)、ヤンマー(YANMAR)、イセキ(ISEKI)、マキタ(makita)、リョービ(RYOBI)、オーレック(OREC)などもあります。これから耕運機を探すという人は、あわせてチェックしてみてもよいかもしれません。