ホンダ(HONDA)というと、自動車やバイクを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし実は、「パワープロダクツ」分野の製品として、耕運機、芝刈機、草刈機、刈払機、除雪機、動力噴霧機(動力散布機)、高圧洗浄機、ブロワ、水ポンプといったものも展開しています。特に耕運機は、家庭菜園や小中規模園芸において、高いシェアをもつベストセラー製品です。
この記事では、ホンダの耕運機「ピアンタ」を紹介します。
ピアンタの概要
ピアンタは、ホンダが開発販売するガス耕運機です。ピアンタ(Pianta)という名称は、イタリア語の「植物」から名付けられたそうです。一般に、ガス耕運機のメリットには、次のようなことがあります。
- 電動耕運機よりもパワーがあり、パワフルに耕せること
- 燃料の入手や交換が、カンタンであること
- 燃料がガソリンの場合と比べてオイルの詰まりが少なく、メンテナンスが楽であること(エアークリーナーなどの部品メンテナンスは、燃料の種類に関わらず必要)
性能と機能
ピアンタは、車軸ロータータイプの耕運機で、重量も軽いので、手軽な使い勝手を求めている人にぴったりといえます。本体は小型ながら、最大耕幅や耕運爪径は比較的大きいため本格的に耕すことが可能です。車での運搬も想定されているため、工具不要でハンドルを折りたたんでコンパクトに収納することができます(専用のキャリーボックス付きなので、耕運爪で車を汚すようなこともなく持ち運びできます)。さらに、手押しで移動できる車輪が標準装備されているので、畑や菜園までの移動もラクラクです。
畑の土質や状態によっても異なるとされていますが、ガスボンベ(カセットガス)1本で連続運転時間最長60分というのは、他製品と比べてもかなり長いです。握ると動き、放すと止まる安心安全なスロットルレバーを採用しています。
他メーカーの耕運機では同じ機体であっても品番によって機能などの仕様が異なっていたりすることがありますが、ホンダの耕運機は標準仕様が定まっていてシンプルなので大変分かりやすいです。
ピアンタ FV200 | |
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製品 | |
型式名 | FBCJ |
区分 | JT2 |
動力源 | ガス |
タイプ | 車軸ローター |
全長×全幅×全高(mm) | 1055×485×990 |
重量(kg) | 20 |
最大出力(馬力) | 1.5 |
耕運幅(mm) | 350 |
対応面積目安(坪) | ~30 |
希望小売価格(税込) | 109,780円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。ピアンタに採用されているGXV50Tの性能は、以下の通りです。
GXV50T | |
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種類 | 空冷4ストローク単気筒OHV |
総排気量(cm3) | 49.4 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.0[1.4]/4,600 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.1[1.5]/5,000 |
使用燃料 | LPG(液化ブタン/指定カセットボンベ) |
燃料タンク容量(L) | 〈カセットガス1本の標準容量〉250g |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
ガスボンベ(カセットガス)
ガスボンベ(カセットガス)には、東邦金属工業の「TOHOシャトル」を使用します。TOHOシャトルはホンダガスパワー製品の指定ガスボンベ(カセットガス)なので、発電機EU9iGB(エネポ)などにも使用します。中身はLPG(液化ブタン)です。
ピアンタの使い方
ピアンタの使い方を「操作方法」と「用途」に分けて紹介します。
操作方法
一般的な耕運機の操作方法は以下の通りですが、ピアンタの場合はさらにシンプルで簡単です。スロットルレバーを握るだけでクラッチがつながり、前進(直進)します。ピアンタの操作方法については動画が用意されているので、視聴してイメージをつかむとよいでしょう。
作業名 | 内容 |
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始動 | ① 機体の安全点検を行う ② 主クラッチレバーと耕運クラッチレバーが「切」、変速レバーが「中立」になっていることを確認する ③ エンジンを始動させる(リコイルスタータの場合はロープを引き、セルスタータの場合はスイッチを使う) |
発進 | ① 変速レバーを希望の位置に入れる ② アクセルレバーを調整し、エンジンの回転を上げる ③ 主クラッチレバーを入れ、ゆっくりとクラッチをつなぎ発進 |
変速 | ① 主クラッチレバーを切り、変速レバーを希望の位置に入れる ② 主クラッチレバーを入れ、ゆっくりとクラッチをつなぐ |
旋回 | ① エンジンの回転を下げ、速度を十分に落とす ② ハンドルをかるく持ち上げる ③ 曲がる側のかじとりクラッチレバーを握りながら、機体を旋回させる |
停止 | ① エンジンの回転を下げ、主クラッチレバーを「切」にする ② 変速レバーを「中立」にし、エンジンを停止させる |
用途
別売の純正アタッチメントを装着することで耕運だけでなく、畝立て、中耕培土、除草、整地などを行うことができます。着脱もアジャスターピンにより、ピンを耕運機から外すことなく簡単スムーズに行えます。別売の純正アタッチメントは、以下の通りです。
まとめ
ピアンタは、ホンダが開発販売するガス耕運機です。ピアンタ(Pianta)という名称は、イタリア語の「植物」から名付けられたそうです。
ピアンタは、車軸ロータータイプの耕運機で、重量も軽いので、手軽な使い勝手を求めている人にぴったりといえます。本体は小型ながら、最大耕幅や耕運爪径は比較的大きいため本格的に耕すことが可能です。車での運搬も想定されているため、工具不要でハンドルを折りたたんでコンパクトに収納することができます(専用のキャリーボックス付きなので、耕運爪で車を汚すようなこともなく持ち運びできます)。さらに、手押しで移動できる車輪が標準装備されているので、畑や菜園までの移動もラクラクです。
他メーカーの耕運機では同じ機体であっても品番によって機能などの仕様が異なっていたりすることがありますが、ホンダの耕運機は標準仕様が定まっていてシンプルなので大変分かりやすいです。
なお、ホンダには、以下の耕運機などもあります。ホンダの耕運機は、燃料の種類、ロータリーの位置、対応できる面積、対応できる作業などによって、それぞれに明確な特色があります。
- プチな FG201(JT)
- こまめ F220(JT)
- こまめ F220(JAST)
- パンチ F503(JH)
- サ・ラ・ダCG FFV300
- サ・ラ・ダ FF300(LT2)
- サ・ラ・ダ FF500(LA)
- ラッキーボーイ FU400
- ラッキー FU655
- ラッキー FU755(L)
- 一輪管理機(FR316)
- 汎用管理機(LH)
その他、代表的な耕運機メーカーとして、クボタ(KUBOTA)、ヤンマー(YANMAR)、イセキ(ISEKI)、マキタ(makita)、リョービ(RYOBI)、オーレック(OREC)などもあります。これから耕運機を探すという人は、あわせてチェックしてみてもよいかもしれません。