ホンダ(HONDA)というと、自動車やバイクを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし実は、「パワープロダクツ」分野の製品として、耕運機、芝刈機、草刈機、刈払機、除雪機、動力噴霧機(動力散布機)、高圧洗浄機、ブロワ、水ポンプといったものも展開しています。特に耕運機は、家庭菜園や小中規模園芸において、高いシェアをもつベストセラー製品です。
この記事では、ホンダ耕運機のうち、カセットガスを燃料とする現行モデルを紹介します。
カセットガスを燃料とするホンダ耕運機
カセットガス(ガスボンベ)を燃料とする耕運機をガス耕運機とよぶことがあります。一般に、ガス耕運機のメリットには、①電動耕運機よりもパワーがありパワフルに耕せる、②燃料の入手や交換がカンタン、③燃料がガソリンの場合と比べてオイルの詰まりが少なくメンテナンスが楽である(エアークリーナーなどの部品メンテナンスは、燃料の種類に関わらず必要)、といったことがあります。
ホンダ耕運機のうち、カセットガスを燃料とする現行モデルは、以下の2つです。
ピアンタ FV200
カセットガスを燃料とする現行モデル2つのうち、軽量で小型のものが「ピアンタ FV200」です。ピアンタ(Pianta)という名称は、イタリア語の「植物」から名付けられたそうです。
性能と機能
「ピアンタ FV200」は、車軸ロータータイプの耕運機で、重量も軽いので、手軽な使い勝手を求めている人にぴったりといえます。本体は小型ながら、最大耕幅や耕運爪径は比較的大きいため本格的に耕すことが可能です。車での運搬も想定されているため、工具不要でハンドルを折りたたんでコンパクトに収納することができます(専用のキャリーボックス付きなので、耕運爪で車を汚すようなこともなく持ち運びできます)。さらに、手押しで移動できる車輪が標準装備されているので、畑や菜園までの移動もラクラクです。
畑の土質や状態によっても異なるとされていますが、カセットガス1本で連続運転時間最長60分というのは、他製品と比べてもかなり長いです。握ると動き、放すと止まる安心安全なスロットルレバーを採用しています。
他メーカーの耕運機では同じ機体であっても品番によって機能などの仕様が異なっていたりすることがありますが、ホンダの耕運機は標準仕様が定まっていてシンプルなので大変分かりやすいです。
ピアンタ FV200 | |
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製品 | |
型式名 | FBCJ |
区分 | JT2 |
動力源 | ガス |
タイプ | 車軸ローター |
全長×全幅×全高(mm) | 1055×485×990 |
重量(kg) | 20 |
最大出力(馬力) | 1.5 |
耕運幅(mm) | 350 |
対応面積目安(坪) | ~30 |
希望小売価格(税込) | 109,780円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。ピアンタに採用されているGXV50Tの性能は、以下の通りです。
GXV50T | |
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種類 | 空冷4ストローク単気筒OHV |
総排気量(cm3) | 49.4 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.0[1.4]/4,600 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.1[1.5]/5,000 |
使用燃料 | LPG(液化ブタン/指定カセットボンベ) |
燃料タンク容量(L) | 〈カセットガス1本の標準容量〉250g |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
アタッチメント
別売の純正アタッチメントを装着することで、畑を耕すだけでなく様々な農作業を行うことができます。畝づくり、土寄せ、畝間雑草の処理などを含め、次のような農作業を行えます。
- 畝立て
- 中耕培土
- 除草
- 整地
なお、同じ製品名のアタッチメントであっても、異なるモデルの機体には対応していないものもありますので、注文前に品番をよく確認するようにしましょう。
サ・ラ・ダCG FFV300
現行のホンダ耕運機「サ・ラ・ダ」シリーズには3機種ありますが、いずれもフロントロータリータイプです。フロントロータリータイプでは耕運爪が前方にあるので、足元の余裕を気にすることなく安心安全に作業ができ、さらに畑の隅々まで耕せるというメリットがあります。そのうち、カセットガスを燃料とする現行モデルが「サ・ラ・ダCG FFV300」です。
性能と機能
「サ・ラ・ダCG FFV300」は、土質の条件や状態によっても変わりますが、100坪程度の広さまで対応する本格的なガス耕運機です。ある程度の質量に加え、バランスよく配置されたバーチカルエンジンによって低重心で安定しているため、直進性をもった深い耕運が可能です(一般に耕運の深さは抵抗棒によって調節しますが、フロントロータリータイプのため前輪によって調節します)。
多様な機能も魅力です。ハンドル高さの調節機能、クラッチレバー1本で可能な前進と後進を含む速度調節機能(走行変速段数は前進3段および後進1段)、デフロック機構による直進と旋回の切り替え機能、握り位置を自由に選べるループハンドルなどの多様な機能が搭載されています。工具を使うことなくハンドルを折りたためて、コンパクトに収納できることも嬉しいポイントです。
また、ARS(アクティブ・ロータリー・システム)という名称の同軸同時正逆転ロータリー技術も採用されています。ARS(アクティブ・ロータリー・システム)では、爪をしっかり土に食い込ませ、内爪と外爪を同時に正転逆転させることで土を細かく粉砕し、深く耕しながらダッシング(耕運機が土壌の上を走行して急に飛び出すこと)も抑えています。
サ・ラ・ダCG FFV300 | |
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製品 | |
型式名 | FBDJ |
区分 | LT2 |
動力源 | ガス |
タイプ | フロントロータリー |
全長×全幅×全高(mm) | 1465×465×1015 |
重量(kg) | 54 |
最大出力(馬力) | 1.6 |
耕運幅(mm) | 450 |
対応面積目安(坪) | ~100 |
希望小売価格(税込) | 209,000円 |
エンジン
ホンダの祖業でもあり技術の根幹を成す、エンジンへのこだわりは耕運機においても同様です。FFV300に採用されているGXV57の性能は、以下の通りです。
GXV57 | |
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種類 | 空冷4ストローク単気筒OHV |
総排気量(cm3) | 57.3 |
連続定格出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 0.85[1.2]/4,000 |
最大出力/回転数(kW[PS]/rpm) | 1.2[1.6]/4,800 |
使用燃料 | LPG(液化ブタン/指定カセットボンベ) |
燃料タンク容量(L) | 〈カセットガス1本の標準容量〉250g |
点火方式 | トランジスタ式マグネト点火 |
始動方式 | リコイルスターター(手動) |
アタッチメント
別売の純正アタッチメントを装着することで、畑を耕すだけでなく様々な農作業を行うことができます。畝づくり、土寄せ、畝間雑草の処理、乾燥を防ぐためのマルチングなどを含め、次のような農作業を行えます。
- 畝立て
- 中耕培土
- 除草
- 整地
- マルチ
ただし、ローターを除くアタッチメントの取り付けには、牽引用のヒッチが必要な点に留意しましょう。また、同じ製品名のアタッチメントであっても、異なるモデルの機体には対応していないものもありますので、注文前に品番をよく確認するようにしましょう。
ニューM型ヒッチ(FFV300・FF300用) | スマートヒッチ(FFV300・FF300用) | パープル培土器 | グリーン培土器W(尾輪なし)(FFV300・FF300用) | ニューイエロー培土器(尾輪なし) | ブルー溝浚器(尾輪なし) | 内外盛整形器Ⅱ型 | らくらく培土器 | FF300補助車輪380(FFV300・FF300用) | 中耕ローター320(FFV300・FF300用) | スパイラルローター(FFV300・FF300用) | ブルースパイラル(FF300・FFV300用) | スーパー整地レーキ(FFV300・FF300用) | 平うねミニマルチ こはる | マルチシート55cm(黒色)(FFV300・FF300用) | ボディーカバー(ハーフサイズ)(FFV300・FF300用) | ボディーカバー(フルカバー)(FFV300・FF300・F503・FU400用) | |
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製品 | ー | ||||||||||||||||
希望小売価格(税込) | 15,180円 | 11,000円 | 13,200円 | 13,200円 | 14,300円 | 15,400円 | 22,550円 | 15,400円 | 19,800円 | 20,900円 | 24,200円 | 27,500円 | 11,550円 | 25,300円 | 3,300円 | 4,180円 | 5,830円 |
カセットガスを燃料とするホンダ耕運機を比較
カセットガスを燃料とするホンダ耕運機の現行モデル2機種については、以下の通り比較できます。対応面積目安と価格の折り合いが焦点となるでしょう。また、マルチ作業の可否も異なりますので、この点についても留意しましょう。
ピアンタ FV200 | サ・ラ・ダCG FFV300 | |
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製品 | ||
型式名 | FBCJ | FBDJ |
区分 | JT2 | LT2 |
動力源 | ガス | ガス |
タイプ | 車軸ローター | フロントロータリー |
全長×全幅×全高(mm) | 1055×485×990 | 1465×465×1015 |
重量(kg) | 20 | 54 |
最大出力(馬力) | 1.5 | 1.6 |
耕運幅(mm) | 350 | 450 |
対応面積目安(坪) | ~30 | ~100 |
希望小売価格(税込) | 109,780円 | 209,000円 |
使用するカセットガス
ガソリンを燃料とするガソリン耕運機では、携行缶を持ってガソリンスタンドに足を運ばなくてはいけません。一方で、ガスを燃料とするガス耕運機では、家電量販店やスーパーマーケットでも商品として販売されているカセットガス(ガスボンベ)を簡単に購入することができます。
ホンダのガス耕運機には、東邦金属工業のカセットガスを使用してください。東邦金属工業の「TOHOシャトル」が、ホンダのガスパワー製品の指定ボンベになっています。ガス耕運機のほかには、発電機EU9iGB(エネポ)などにも使用します。中身はLPG(液化ブタン)です。
まとめ
ホンダ(HONDA)は、「The Power of Dreams」をスローガンに掲げるテクノロジー企業です。ホンダのクルマやバイクは誰もが知るところですが、マリンやパワープロダクツも有名で、最近ではHondaJetも手掛けています。
「パワープロダクツ」分野の製品として、耕運機、芝刈機、草刈機、刈払機、除雪機、動力噴霧機(動力散布機)、高圧洗浄機、ブロワ、水ポンプといったものも展開しています。特に耕運機は、家庭菜園や小中規模園芸において、高いシェアをもつベストセラー製品です。
ホンダ耕運機のうち、カセットガスを燃料とする現行モデルは、以下の2つです。それぞれに異なった特徴がありますが、テーラーなどの大型耕運機と比べると扱うことは簡単なので、操作上の心配は全く必要ありません。圃場での利用だけでなく、ガーデニングでの利用でも大いに活躍するはずです。
- ピアンタ FV200
- サ・ラ・ダCG FFV300
なお、ホンダには、以下の耕運機などもあります。ホンダの耕運機は、燃料の種類、ロータリーの位置、対応できる面積、対応できる作業などによって、それぞれに明確な特色があります。
- プチな FG201(JT)
- こまめ F220(JT)
- こまめ F220(JAST)
- パンチ F503(JH)
- サ・ラ・ダ FF300(LT2)
- サ・ラ・ダ FF500(LA)
- ラッキーボーイ FU400
- ラッキー FU655
- ラッキー FU755(L)
- 一輪管理機(FR316)
- 汎用管理機(LH)
その他、代表的な耕運機メーカーとして、クボタ(KUBOTA)、ヤンマー(YANMAR)、イセキ(ISEKI)、マキタ(makita)、リョービ(RYOBI)、オーレック(OREC)などもあります。これから耕運機を探すという人は、あわせてチェックしてみてもよいかもしれません。