さやごと食べるスナップエンドウは、シャキシャキとした食感で、肉厚で甘みが強い栄養価の高い野菜です。スナップエンドウは畑だけでなく、プランター栽培も可能です。
ここでは、スナップエンドウのプランター栽培について、種まきから収穫までスナップエンドウを初めて育てる方にもわかりやすく、手順や育て方を説明します。
スナップエンドウのプランター栽培の手順
ここからはプランターでスナップエンドウを育てる手順について説明していきます。タネをプランターに直播する手順で説明します。
セルトレイや、ポリポットに種をまいて育苗してから、植え付けする方法もあります。また数株であれば苗を購入して植え付けるもの簡単です。
用意するもの
プランター栽培の手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。側面を軽くたたいて土を落ち着かせます。 - 手順2種まき
株間25cm~30㎝に、深さ1~2cmのまき穴を指でつくります。
そこに3粒づつ種をまき土をかぶせます。
防虫ネットをかけ、発芽するまで乾燥させないように水やりをします。
間引きしないで育てます。 - 手順3
寒さが緩む2月下旬になると株が成長し始めます。このころの追肥を始めましょう。月に1度化成肥料を、10g程度土にばら撒いて、土寄せします。収穫が始まったら、2週間に1度同量に施肥します。
- 手順4支柱立て
つるが生長してきたら、支柱を立てましょう。プランターのまわりに支柱をたて、紐で囲んで、つるを誘引します。
- 手順5収穫
開花から20日ほどで収穫適期を迎えます。さやがつやのある緑色になり、厚さが1cmほどに膨らんだら収穫のタイミングです。
さやのつけ根をハサミで切って収穫します。
スナップエンドウのプランター栽培 育て方
スナップエンドウの基礎知識
エンドウには、柔らかいサヤと豆を食べるのスナップエンドウの他に、若いさやを食べるサヤエンドウ、太った豆を食べるグリーンピース(実エンドウ)、新芽を食べる豆苗があります。それぞれ専用の品種がありますが、豆苗以外は基本的に栽培方法は同じです。
スナップエンドウの生育適温は15℃~20℃と、比較的冷涼な気候を好みます。冬の低温にあうことで花芽をつけるので、秋に種をまいて春に収穫するのが一般的です。品種にもよりますが、種まきから植え付けまで10日~2週間、種まきから収穫までは約5か月ほどかかります。冬の寒さに強く育てやすいマメ類です。
作物名 | スナップエンドウ |
---|---|
科目 | マメ科エンドウ属 |
原産地 | 中央アジアから中近東 |
発芽適温(地温) | 18〜20℃ |
生育適温 | 15〜20℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
育てやすさ | 普通 |
スナップエンドウの品種
つるあり種とつるなし種がありますが、プランター栽培ではコンパクトなつるなし種がおすすめです。
品種名 | 概要 | 特徴 |
---|---|---|
つるなしスナック2号 | さやが下部からつき、分けつが少ない早生種 うどんこ病に強くプランター栽培向き | |
ニムラサラダスナップ | つるなしの極早生品種。 着莢性が極めて良く、多収穫 柔らかく甘みが強い | |
つるなしあまいえんどうプラス | 草丈が低く、プランター栽培向き 甘くサクサクした触感 |
栽培時期
スナップエンドウの栽培時期は、中間地・暖地では秋に種をまいて春から初夏に収穫をします。寒冷地では、春に種をまいて初夏にかけて収穫をします。
地域 | 播種(タネまき)時期 | 植え付け時期 | 収穫時期 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 3月中旬~4月上旬 | 4月中旬~5月上旬 | 6月中旬~7月中旬 |
中間地 | 10月上旬~11月上旬 | 11月上旬~11月下旬 | 4月下旬~6月上旬 |
暖地 | 10月下旬~11月中旬 | 11月下旬~12月上旬 | 4月中旬~5月下旬 |
容器・用土
スナップエンドウは、さやなしの品種であれば草丈があまり伸びないので、深さ26cm以上のプランターで育てることができます。プランターには、通常の深型プランターの他、支柱留めフレームなどがついているものもあります。スナップエンドウ栽培では支柱を立てる必要があるのでそちらもおすすめです。
用土は、マメ類は連作を嫌うのでできれば新しい用土を使いましょう。元肥入りの野菜の培養土がおすすめです。自分で配合する場合は、赤玉土7、腐葉土2、バーミキュライト1を混合します。自分で配合した場合や、元肥が入っていない場合は、緩効性肥料を施します。
栽培環境・水やり
スナップエンドウの生育適温は15℃~20℃と、比較的冷涼な気候を好みます。日当たりのよい風通しの良い場所で管理しましょう。
耐寒性の強いスナップエンドウですが、大苗になってから寒さにあたると株が傷みやすくなるので、霜や寒風にあたらない暖かいベランダや軒下など管理しましょう。タネまきから発芽までは、鳥が種を食べてしまう恐れがあるので防虫ネットをしっかり止めておきましょう。
水やりは、特に発芽するまでは乾燥に注意しましょう。土が乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。冬の朝に水やりをすると凍ることがあります。水やりは午前10時過ぎの暖かくなってから与えましょう。
種まき(育苗)
スナップエンドウは直まきか、ポリポットなどで育苗をして植えつけする方法もあります。直まきの場合は、株間25cm~30㎝に、深さ1~2cmのまき穴を指でつくり、そこに3粒づつ種をまき土をかぶせます。
ポリポットで育苗する場合は、植える株数より多く育苗し、よりよい苗を選べることが大きなメリットです。ポリポットでの育苗の方法は下記のとおりです。
- 3号のポリポットに鉢底ネットを入れて、野菜の培養土を入れます。
- 指で深さ1~2cmのまき穴を3ヵ所作ります。
- 1穴に1粒づつ種をまいて、発芽するまで土を乾かさないよう、水やりをします。
- 本葉が3~4枚ほどになったら、間引かずそのままプランターに植え付けします。
植え付け
スナップエンドウの苗は、自分でポリポットなどで育苗したりした場合や、ホームセンターなどでも苗は販売されているので、それらを使う場合は適期にプランターに植え付けします。
市販の苗は4本~5本立ちになっているので、ポット苗の根鉢は崩さず、株間を15cm~20cm程度開けて植え付けします。プランターにポリポットが入るほどの穴を空けて、ポリポットから苗を取り出してそのまま植えつけます。植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
肥料
エンドウなどのマメ類は、根粒菌と共生しているのでその働きにより窒素分が供給されます。そのため少ない肥料でも育つことができます。通常と同様に窒素を与えると、枝葉ばかりが茂ってしまい、莢が付かない、実がつかない「つるぼけ」が発生する恐れがあります。
プランター栽培の場合肥料は、元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
肥料は化成肥料や、有機肥料、液肥も使えます。窒素分が多くなくリン酸が多いものがおすすめ。まめの専用肥料であれば、チッソが控えめに配合されえています。またハイポネックスの「花と野菜と果実の肥料」なども使えます。葉の色が悪くなったら、速効性のある液体肥料もおすすめです。
支柱立て
支柱はプランターでは、あんどん式で立てます。
あんどん式は、プランターの縁にそって180cmほどの支柱をたて、支柱と支柱を紐で結んで、プランター周囲を囲んでいきます。20cm~30㎝間隔で数本の紐をはります。
病害虫
葉が開くまでは鳥害が必要です。防虫ネットなどを被せて対策をしましょう。冬はあまり病害虫の心配ありませんが、暖かくなると害虫がでてきます。スナップエンドウはアブラムシやハモグリバエ類が発生しやすくなります。発生したらすぐに捕殺しましょう。
まとめ
スナップエンドウは、栽培期間が長めですが、冬に栽培することで病害虫などの被害も少なく作りやすい野菜です。別名スナックエンドウとも呼ばれ、栄養価が高い緑黄色野菜ですが、甘さが強いので子供たちにも人気があります。
またスイートピーに似た可愛らしい花も魅力です。品種により白色や赤色の花があります。ぜひプランター栽培で採れたての甘いスナップエンドウを楽しんでください。
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