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プランター栽培

鉢植え・プランターで育てる ラズベリー栽培 

ラズベリー プランター栽培

ラズベリーは、赤く小さなかわいい果実と育てやすさで人気の果樹で、樹高も低いため、鉢植えやプランター栽培にも向いています。ここではラズベリーの鉢植え・プランター栽培について、苗木の植えつけの手順から年間の管理方法、育て方について説明します。

ラズベリーの鉢植え・プランターへの植え付け

それではここからは、苗の植えつけ方について説明してきます。

植え付け時期

寒さに強いラズベリーは、植え付けや植え替えは休眠期の11月~2月頃に行います。春に新芽が出る前に行いましょう。

準備するもの

  • ラズベリーの苗木
  • プランター・鉢(苗木より1~2回り大きなもの)
  • 果樹・花木用の培養土
  • 鉢底石

苗木の選び方

ホームセンターやインターネットなどでは、植え付け時期になるとラズベリーの苗木が販売されます。市販の苗には、3~4号サイズのポット苗が多く流通しています。春には花芽や実つき苗も販売されます。ポット苗は1年中手にはいりますが、植え付け時期の秋から冬に手に入れましょう。

インターネットなどでは実績のある信頼できる販売店で購入し、ホームセンターなどで買う場合のポイントは下記の4点です。

  • 品種名のラベルがきちんとついているもの
  • 枝が太く多くついており、根がしっかりしているもの
  • 病気、害虫などに侵された跡がないもの

春頃に見かける花芽、実つき苗は、植え替えはすぐ行わず11月頃までそのまま育ててから植え替えします。

容器と土

ポット苗を植えつける場合は一回り大きな深鉢、7号~8号(直径21cm~24cm)のナセリーポットやプラスチックの果樹専用のポットなどがよいでしょう。素焼き鉢に比べて通水性などが劣りますが、鉢底石をいれることで改善でき軽量なので持ち運びが楽です。スリット鉢は水はけが良くなります。

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用土は、元肥入りの果樹・花木用の培養土を使います。手に入らない場合には野菜用の土と鹿沼土小粒を7:3の割合で混ぜるとよいでしょう。自分で配合する場合には、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ、緩効性肥料を加えます。鉢底石はスリット鉢の場合は不要です。

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植え付けの手順

ラズベリーの苗木の植えつけ手順
  • 手順1
    植え付け準備

    植え付けの前日に、バケツに水をはり、その中に苗ごと根の部分を一晩水に浸けて、水を吸わせます。

  • 手順2
    苗木の準備

    翌日、植え付け直前に水から苗を取り出し、ポットから苗木を取り出し土を落とします。根を傷めないように軽く土を落とします。

  • 手順3
    植え付け

    容器に、鉢底石を3㎝ほど入れその上に培養土を、容器の3分の1程度の高さまで入れます。
    苗木の根を放射線状に広げ、中心部に置き培養土を入れ植えつけます。用土は鉢の上部から3cm程度まで、ウォータースペースを取っておきます。割り箸などでつついて、根の間に土をしっかり入れます。

  • 手順4
    支柱を立てる

    苗木の横に支柱をさし、地際と先端を紐でかるく結んで固定します。
    植え付けが終わったら、鉢底から水がでるまでしっかり水やりをします。

ラズベリーのプランター栽培 年間スケジュール

ラズベリー栽培 年間スケジュール
  • 1月~3月
    休眠期

    2月は植え付けや植え替えの時期です。
    11月~12月に植え替えを行っていない場合には、2年~3年に1度植え替えをしましょう。

    植え替えをしない場合には、2月~3月の新芽が動く前に春肥(元肥)を施しておきます。

  • 4月~5月
    生育期

    生育期に入るので水やりはたっぷり与えましょう。
    5月頃から開花が始まります。実付が悪い場合のみ人工受粉をしましょう。
    春肥が切れるころです、5月~6月に追肥をしましょう。

  • 6月~7月
    収穫期

    収穫期です。実が赤くなって完熟したものから随時収穫しましょう。

  • 8月~10月
    開花期・収穫

    2季なり性の品種は、8月頃から開花し9月~10月頃まで収穫できます。
    収穫が終わったら、お礼肥として追肥をしておきます。

    1季なり性は、今年実が付いた枝は剪定しておきましょう。

  • 11月~12月
    休眠期

    11月になると紅葉が始まり、落葉して休眠期に入ります。
    水やりは少しづつ控えて、冬には7日~10日に1度程度にします。

    休眠期は、植えつけや植え替え、剪定を行い翌期に備えます。

ラズベリーの鉢植え・プランターの育て方

ラズベリーの基礎知識

ラズベリー樹はバラ科の落葉低木で、日本では木いちごとも呼ばれ、日本各地に多くの野生種が自生しています。フランス語ではフランボワーズと呼ばれ、甘酸っぱい果実は、生で食べるのはもちろん、ケーキやジャムなどのスイーツに使われます。

樹高は成木でも1m~1.5mの小果樹で場所もとらないので鉢植えでも十分育てることができます。果実だけでなく、白い可憐な花もかわいらしく、観葉植物としても人気があります。

寒さや病害虫にも強く、自家結実性なので1株で受粉して実がります。無農薬でも栽培でき、1株で実付がよいので初心者の人にもおすすめ。収穫期は6月~7月ですが、9月~10月にも収穫できる2季なりの品種が人気です。

学名 Rubus
属名 バラ科キイチゴ属
原産地ヨーロッパ、北アメリカ
樹高・草丈1m~2.5m
耐寒性等耐寒性 強い 耐暑性 強い
花言葉「愛情」「深い後悔」

品種について

ラズベリーには多くの品種があり、果実は赤色、黄色、紫色、黒色があります。似た品種にブラックベリーがありますが同じバラ科キイチゴ属で栽培方法も似ていますが、果実の風味や枝の伸び方なども違う、異なる品種です。

ラズベリーの木には、トゲがあるものが一般的ですがトゲのない品種もあります。また収穫時期が6月~7月の1回の一季なりと、6月~7月と9月~10月にも収穫できる二季なりのものもあります。

品種名インディアンサマーグレンアンプルファールゴールドブラックキャップ
果実の色赤色赤色黄色黒紫色
収穫期2季なり1季なり1季なり1季なり
トゲトゲありトゲなしトゲありトゲあり
特徴2季なりの人気品種。
味もよく多収
強い甘みと豊かな香りが特徴
初心者の人におすすめ
酸味がマイルドで生食向き甘みとコクがある。
暑さに弱いので半日陰がおすすめ
概要
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栽培環境・水やり

ラズベリーは、日光を好むので、日当たりのよい屋外で栽培しましょう。関東から西以では夏の直射日光は、暑すぎるため半日陰で管理します。できれば雨のあたらない軒下で管理すると病気が少なくすみます。冬はマイナス35℃まで耐えられるので、屋外での冬越しが可能です。

水やりは、鉢の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。水やりの回数の目安は、春と秋は朝に1回、夏は朝と夕方の2回、冬は1週間に1度程度。収穫期間中は、収穫前に水やりをすると果実が水っぽくなるため、収穫後に与えるとよいでしょう。

夏は特に乾燥すると苗がよわり、ハダニが発生しやすくなるので水切れには注意が必要です。

肥料

肥料は、春肥(元肥)、芽出し肥(追肥)、礼肥(追肥)の年3回を標準とするとよいでしょう。春肥(元肥)とは、葉芽の芽生え(新芽)前の春に肥料を施すことで、2月~3月が適期です。芽出し肥(追肥)は、春肥が吸収され土中の養分が不足したタイミング、具体的には5月~6月が適期です。礼肥(追肥)とは、果実の収穫が済んだ後に肥料を施すことで、9月頃が目安になります。

鉢植えの場合、植え付けや植え替えを11月~12月に行った場合は、春肥を与えましょう。2月月に植え付け、植え替えをした場合は、新しい培養土に肥料が入っている場合は不要です。肥料がはいっていないものは緩効性肥料を与えましょう。

肥料は春肥(元肥)には、油粕などの有機肥料がおすすめですがベランダなどで、臭いや虫が気になる人は化成肥料を使いましょう。追肥には速効性の化成肥料がおすすめです。元肥には、ゆっくり効果の効くハイポネックスの「マグァンプK大粒」やマイガーデンベジフルは、元肥としても追肥としても使えます。追肥には、野菜などによく使われる化成肥料8-8-8なども使えますが、置くだけで簡単な果樹用の錠剤タイプも便利です。

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支柱立て・誘引

ラズベリーは、枝が垂直方向に伸びやすく直立するものが多いので、株の横に支柱を立て、枝が大きくなってきたら、垂れ下がらないように麻ひもや、園芸用のビニールタイなどを使い支柱にむずびつけて誘引しておきましょう。

剪定

ラズベリーは、1季なりは収穫後と休眠期の12月~2月に行います。ラズベリーは実がなった枝の多くが、力を使い果たしたかのように冬までには枯れてしまいます。収穫後には実が着いた枝は、株元で切り取りましょう。2季なりは、秋に果実がついた枝には翌年に果実が着くので、切り取る必要がありません。収穫後は行わず、冬だけ行いましょう。

冬の休眠期には、枯れた枝は株元から切り取り、生きている枝のうち枝分かれしているものは、3~5芽を残して切り詰めます。枝分かれしていない枝も、株元から30cm程度に切り詰めることで充実した枝の発生を促します。

人工授粉

基本的には不要ですが、毎年実つきが悪いようなら人工授粉をしてみましょう。開花が始まったら行います。同じ花の中に雄しべと雌しべがあるので、筆などをつかい雄しべと雌しべを交互に触れます。

ラズベリーの花

植え替え

ラズベリーは、根詰まりを防ぐために2年~3年に1度は植え替えが必要です。厳寒期を避けた11月~2月頃に行います。冬の寒さが厳しくない関東より西では11月~12月中旬、寒さが厳しい地域では植え痛みの少ない2月の春植えが適期です。

一回り大きな鉢に、新しい用土で植えつけます。植えつけるときには根鉢が根で固まっているようなら中心部の土を軽くほぐして掻きだしてから、植えつけるとよいでしょう。

苗が大きくなりすぎて、これ以上大きくしたくない場合には、根鉢を3分の1を落とし、表面近くの土も根が張っていない部分の土も落としてから、傷んだ根などをつけ根からきって整理してから同じ鉢に植え替えましょう。

収穫

収穫は6月~7月に、果実が熟して赤くなったら収穫しましょう。果実の中が空洞なので、つぶれやすく傷みやすいです。まっすぐ引き抜いて収穫しましょう。果実は雨にあたらないようにしましょう。生のラズベリーは傷みやすいのでスーパーなどで手に入りにくいので、生で食べてみましょう。日持ちしないので、食べきれない果実は冷凍保存しておきます。

2季なりはうまく育てれば、9月~10月にも収穫できます。植えつけ1年目は収穫せず、花芽ができたときに花芽摘みをして株を育て、翌年から果実を楽しみましょう。

病害虫

ラズベリーは、他の果樹に比べて病害虫の被害は少ないのであまり心配はいりませんが、病気では、灰色カビ病や枝枯れ病などが発生します。病気の予防としては、剪定や枯れた枝や葉を取り除き風通しよくすることです。発生した場合には、すぐに切り取って取り除きましょう。

害虫は、アブラムシ、ハダニ、ケムシ、ハマキムシ、コガネムシなどが発生します。夏に乾燥するとハダニが発生しやすくなります。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。

また果実はブルーベリーなどに比べ鳥害にもあまりあいません。品種によっては、食べる鳥もいるようですので、被害がある場合には防鳥ネットなどで囲むのが効果的です。被害にあった果実は、見つけ次第取り除きましょう。

まとめ

ラズベリーは果樹の中でも、管理もあまりいらず暑さ寒さにも強いので、栽培が容易です。病害虫の被害も少ないので無農薬栽培も可能。ラズベリーは地下茎(サッカー)で横に広がる性質があるので、鉢やプランターで育てるとコンパクトに育てることができます。

真っ赤に熟した果実は傷みやすいので、生のものは、なかなかスーパーなどでは買えないのでぜひ自分で育ててみてください。

編集さん
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執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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