らっきょうは、若どりするとエシャレットとして生で食べることができます。ここではらっきょうやエシャレットのプランター栽培について、植え付けから収穫までの育て方の基本から、水やりや肥料など失敗しない栽培のポイントをわかりやすく説明します。
らっきょう・エシャレットのプランター栽培の手順
用意するもの
- らっきょうの種球
- 標準プランター
- 野菜用の培養土
- 鉢底石
- 肥料
手順
- 手順1種球の準備
種球は、1球づつのばらして子球にわけます。
- 手順2プランターの準備
プランターの底に鉢底石をいれ、野菜用の培養土を8分目まで入れます。
- 手順3植え付け
ばらした子球を、株間10cm、列間15cmの間隔で2列に1球づつ植えつけます。
指で深さ5cm程度の植え穴をつくり、球根の尖っているほうを上にして植えつけます。
球根がかくれるようしっかり覆土し、たっぷり水やりをします。 - 手順4冬越し
植え付け後は土の表面が乾いたら水やりをするだけ。耐寒性は強いので、冬越しのための防寒は不要です。真冬は休眠期にあたるので、水やりの回数を減らし、1週間に1回程度暖かい日中に水やりをしましょう。
- 手順5
- 手順6エシャレットの収穫
3月~4月の葉が青いうちに、早めに収穫するとエシャレットとして、生で食べることができます。
- 手順7らっきょうの収穫
地上部の葉茎が枯れてきたら、収穫のタイミングです。球根を傷つけないように茎の地際をもって引き抜きます。不要な葉と根をハサミで切り取りましょう。
1球から分けつして複数のらっきょうが収穫できます。花らっきょうを栽培する場合は、掘り起こさず、そのまま育てると翌年には3倍ぐらいに分けつして、花ラッキョウが収穫できます。
らっきょう・エシャレットのプランター栽培の育て方
らっきょうの基礎知識
らっきょうは、鱗茎と呼ばれる根の部分を食用とします。ニラやネギ、ニンニクなどと同じ硫化アリルを多く含み、独特の辛味と匂いが特徴の野菜です。エシャレットは、らっきょうを若採りしたもので辛味もマイルドで生のまま、みそやマヨネーズをつけて食べます。
らっきょうは、タネではなく球根を夏の終わりに植え付けをして、エシャレットなら11月以降いつでも、大粒のらっきょうは越冬して翌年の夏に収穫します。栽培期間は大粒の場合は、植え付けから10カ月ほどと栽培期間は長いですが、植えつけた後は追肥を与えるぐらいなので、手間のかからない野菜です。
生育適温は18℃~22℃ですが、耐寒性はあるので冬も屋外で冬越しが可能です。
作物名 | ラッキョウ |
---|---|
属名 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 中国 |
発芽温度 | 18℃〜22℃ |
生育適温 | 18℃〜22℃ |
土壌ph | 5.5~6.0 |
栽培難易度 | 普通 |
らっきょうの栽培時期
らっきょうは種球(しきゅう)と呼ばれる球根を、夏の終わりに植え付けします。一般地では8月下旬〜9月中旬ころ、寒冷地であれば少し早めの8月中旬~9月上旬に植え付けをすると良いでしょう。
栽培期間は夏の終わりに植え付けをし、冬越しをして翌年春3月~4月にエシャレットが収穫できます。大粒のらっきょうは、6月頃に収穫できます。翌年に収穫をせず、そのまま冬越しをすると分球して、小粒ですが数が増えます。これは花らっきょうとして利用されます。
らっきょうの品種
ラッキョウの品種はそれほど多くありません、大粒のラッキョウを収穫できる普通種といわれるものはラクダと八房の2つが良く知られた品種です。沖縄の在来品種の島らっきょうは作りやすい品種です。
品種名 | 特徴 |
---|---|
ラクダ | 大粒で収穫するための品種 大球で長いたまご型の代表品種 |
八房 | 大粒で収穫するための品種 ラクダと玉ラッキョウの中間の大きさの粒が収穫できる |
玉らっきょう | 台湾から導入された品種 花らっきょうの栽培に使われる |
島ラッキョウ | 沖縄の在来品種で、分けつが多く育てやすい。 香りが強く固めで締まっており、漬物にすると ポリポリとした食感が楽しめる。 |
容器・用土
プランターや鉢植えでニンニクを育てる場合は、鉢の場合は8号~9号、プランターであれば横幅60㎝以上のものを使いましょう。深さは15cm以上あれば大丈夫です。標準プランター(幅65×奥行20×高さ20cm程度)なら2条まきで株間10cmほどに植え付けします。
用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。自分で配合する場合は、赤玉土7、腐葉土3などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
植え付け
上記では植え付けは、植穴1つに対し1球で植え付けしましたが、植穴1つに対し2~3球植え付けする方法もあります。2つ以上植えつけると、実は小さくなりますが多くのラッキョウを収穫することができます。
らっきょうは浅植えしすぎると、球根が緑化してしまい、深く植えつけすぎると発芽せずに中で腐ってしまう恐れがあります。覆土の深さは3cm~5cm。深めの方が大きならっきょうが収穫できます。
置き場所・水やり
植え付け後は、日当たりの良い、風通しの良い場所で管理します。耐暑性が強いらっきょうは、暑い時期に植え付けしても、特段暑さ対策をせずとも1か月ほどで芽が大きく成長します。ベランダなどではプランターを直置きするとコンクリートの暑さが伝わってしまうので、台などに乗せてあげましょう。
耐寒性も強いため、真冬の寒冷地でも、特段冬越しの準備は不要です。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。冬は水やりの回数を減らし、乾かし気味に育てます。目安は週1回程度。暖かい日中に水やりは行いましょう。
肥料
らっきょうのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
生育期間が長いらっきょうは、追肥をしながら育てます。植えつけ時にしっかり元肥をしておけば、翌年の2月下旬までは追肥は不要です。化成肥料を土10ℓあたり10g程度を土にばらまき、軽く土と混ぜます。根の部分が地上にでると緑化してしまうため、同時に土寄せもしておきましょう。肥料を与えたら、水をたっぷり与えることも忘れずに。
肥料は、有機肥料や化成肥料が使えますが、プランター栽培ではベランダなどで育てるため、有機肥料は臭いや虫が気になるという方は、化成肥料がおすすめです。元肥には緩効性肥料を使いましょう。追肥にはほとんどの野菜に使える化成肥料8-8-8や野菜の肥料、ラッキョウの肥料もあります。
収穫
エシャレットは、翌年の3月~4月頃、葉が青いうちに収穫します。らっきょうは6月頃から収穫できます。島ラッキョウはらっきょうより少し早めに収穫できます。
らっきょうを収穫するには、葉茎が半分ほど枯れたころが収穫のタイミングです。スコップなどで堀り上げてから引き抜くと簡単に収穫できます。高品質な玉らっきょうを収穫するには、掘り起こさず10月頃まで追肥をしながら育てます。そのまま育てると11月頃に紫色のかわいらしい花が咲きます。花摘みなども不要です。冬越しをして翌年の6月~7月になれば、玉らっきょうが収穫できます。
らっきょうは1年で6~7球程度に分けつします、翌年まで待てば2倍~3倍ほどの小さならっきょうが収穫できます。
種球の保存
収穫したらっきょうは、一部を残して次に栽培するときの種球にもできます。収穫したもののうち、大球のもので病害虫などの被害がないものを選びましょう。葉を切り取り、風通しの良い場所で乾燥して保存します。
病害虫
らっきょうは、比較的病害虫の被害が少ない野菜です。しかし高温や多湿の時期になると、ネギアブラムシ、ネギアザミウマ、ロビンネダニなどの害虫が発生しやすいです。また病害は、白色疫病、灰色かび病、さび病が発生しやすいので、風通しの良い場所で育てましょう。病気のない種球を使うことも大切です。また症状などと照らし合わせながら、薬剤散布など適切な対処を行いましょう。害虫には、防虫ネットなども有効です。
まとめ
らっきょうは、鳥取が生産高一位なのをご存じでしょうか。鳥取砂丘で育ったらっきょうは「砂丘らっきょう」としてブランド化されています。暑さ寒さにも強く、保水力や保肥力のない土壌でも育つ丈夫な野菜です。栽培期間は長いですが、畑などではほったらかしにしておいても育つともいわれます。
採れたてのらっきょうは、漬物にするだけなく天ぷらや炒めものなどにしてもおいしいので、ぜひ家庭菜園でおいしいエシャレットやらっきょうを育ててみてください。
この他にも、農家webにはプランター栽培の記事がたくさんあります。
育てたい野菜や果実の名前から、プランター栽培の記事が探せます