パセリはスープやサラダ、料理のつけ合わせなどに少量づつ使うので、収穫しながら育てるプランター栽培に向いています。この記事では、パセリのプランター栽培について、種まき、苗の植え付けから収穫までの育て方について説明します。
パセリのプランター栽培の手順(苗の植え付け)
ここからは市販の苗をプランターに植え付けする手順を紹介します。
準備するもの
- パセリの苗
- プランター
- 野菜用の培養土
- 鉢底石
- 肥料
手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。側面を軽くたたいて土を落ち着かせます。 - 手順2苗の植えつけ
20cmほどの株間をとり、根鉢よりも大きめの植穴をつくります。
ポットから根鉢をこわさないように苗を抜き、穴に苗を植えつけます。
株元を軽く押さえ、たっぷり水やりをします。 - 手順3間引き収穫
葉茎が15本程度になったら収穫できます。外葉から必要な分だけ株元からハサミで切り取りましょう。収穫は元の株の半分までにして育てると、長く収穫が楽しめます。
- 手順4
- 手順5花芽つみ・再収穫
こまめに収穫すると新しい芽がでて、長く収穫が楽しめます。収穫の後は追肥をしながら育てましょう。
花が咲くと、葉茎が固くなるので花芽は早めに摘み取りましょう。
種から始めるセロリのプランター栽培の手順(直まき)
パセリは、播種から発芽まで10日~20日、育苗期間は約60日程度かかります。発芽率が悪いので、1晩水に浸けてからタネをまくとよいでしょう。ここではプランターに直播する方法で説明します。
用意するもの
- パセリの種
- プランター
- 培養土(元肥入りの野菜の培養土)
手順
- プランターに培養土をいれ、株間を15~20cmを空けて直径4~5cm、深さ0.5cmの植穴をつくります。(小さなプランターなら中央に植え穴をつくります)
- 植え穴に8粒ほど種を入れ、土を薄くかぶせて手でかるく押さえます。
- タネをまいたら、たっぷり水やりをします。
- 双葉がでたら4本に、本葉2~3枚で2本に、本葉3枚~4枚で1本に、元気な苗を残して後は間引きます。
タネから育てる場合の栽培ポイント
- パセリの発芽率はあまりよくないので、タネは多めに撒きます。
- パセリのタネは好光種子ですので、覆土はうすくします。
- 発芽までは、タネが乾燥しないように気をつけましょう。
- 間引きせずに2~3株づつまとめて育てる(密植)こともできますが、茎が細くなります。
パセリのプランター栽培の育て方
パセリの基礎知識
パセリは、セリ科の二年草(種をまいた翌年に花を咲かせる)のため、長く収穫が楽しめます。肉料理のつけ合わせなどに使われえる、葉が縮れてカールしているカーリーパセリと、パクチーに似た、平たい葉のイタリアンパセリがあります。
栽培は地中海沿岸が原産で冷涼な気候を好むため、春か秋に苗を植えつけて育てるのが一般的です。タネからも育てられますが、パセリは発芽率が低く、発芽までの日数がかかるためプランター栽培では、苗からがおすすめです。苗からなら収穫まで30日程度、病害虫に強く丈夫で育てやすいハーブです。
作物名 | パセリ |
---|---|
属名 | セリ科オランダゼリ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
発芽温度 | 15℃~25℃ |
生育適温 | 15℃~20℃ |
栽培難易度 | 簡単 |
パセリの品種
カーリーパセリは日本やアメリカで主流ですが、ヨーロッパではイタリアンパセリが主流です。栽培方法は変わりませんが、イタリアンパセリの方が病害虫などに強く丈夫なので育てやすい品種です。
種類名 | 特徴 | 概要 |
---|---|---|
モスカールドパセリ | 葉が縮れてカールするカーリーパセリの品種 パセリの仲間の中でもカールが強い品種 | |
パラマウントパセリ | 葉が縮れてカールするカーリーパセリの品種 濃緑色で肉厚、品質が良い定番の品種 | |
イタリアンパセリ | 平たい葉が特徴。カーリーパセリより香りが強く、 味は苦味が少なくせがない。 |
栽培時期
パセリは春まきか秋まきが家庭菜園では一般的です。寒冷地では秋まきは向かないので、春に種まき、植え付けをしましょう。耐暑性や耐寒性も強いので、中間地以西では真夏、真冬を除けば一年中栽培が可能です。
春まき栽培
地域 | 播種(種まき)時期 | 植えつけ時期 | 収穫時期 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 4月中旬~6月上旬 | 5月 | 10月上旬~11月中旬 |
中間地 | 4月~5月 | 5月 | 10月~11月 |
暖地 | 3月中旬~5月 | 3月下旬~5月 | 9月中旬~11月 |
秋まき栽培
地域 | 播種(種まき)時期 | 植えつけ時期 | 収穫時期 |
---|---|---|---|
寒冷地 | ー | ー | ー |
中間地 | 9月~10月 | 9月中旬~10月 | 11月~4月 |
暖地 | 9月中旬~10月 | 10月 | 11月中旬~5月上旬 |
容器・用土
プランターは、深さ15cmほどであれば十分育てることができます。1株なら直径15cmほどの5号の小型鉢か丸形プランターで育てます。横幅60cm程度の標準プランターであれば、株間を20cm程度とり、3株ほど育てることができます。
用土は、元肥入りの野菜用の培養土が便利です。赤玉土6、腐葉土4などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
環境・日当たり
パセリの生育適温は、15℃~20℃。冷涼な気候を好みます。日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育てることができます。耐暑性も強いほうですが、強い光を当てると葉が固くなります、真夏の直射日光は葉焼けの原因ともなりますので、明るい日陰で育てるとよいでしょう。
乾燥に弱いので、水切れには注意が必要です。水やりは、植え付け直後は根付くまでは、乾燥に注意し、根付いてからは土の表面が乾いたら、鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。冬は生育が鈍るので水やりの回数は減らしましょう。
肥料
パセリのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
追肥は、元肥の肥料が切れるのが1ヵ月程度ですので、種まき、植え付けから1か月後から始めましょう。化成肥料10g程度を株元に散布するか、液体肥料を水やり代わりに与えます。目安は化成肥料であれば1か月に1度、液肥であれば2週間に1度施肥します。
化成肥料は家庭菜園でよくつかわれる化成肥料8-8-8などの他、ハーブ専用の肥料、ハイポネックスの野菜用の肥料などが使えます。
液体肥料は、水やりがわりに薄めてあげるだけなので乾燥が苦手なバジルもにおすすめです。肥料不足のときにもすぐに使えるので1本あると他の植物にも使えます。液肥にはハイポネックスの野菜の液肥や有機質入りのベジフル液肥などがおすすめ。
肥料は生育に合わせて与えるのが基本です。パセリは肥料が切れると下葉の方から色が緑色から黄色に薄くなります。また緑色が濃くなりすぎて、葉が固くなったら肥料の与えすぎです。目安の回数だけでなく葉の様子もみて随時肥料を与えましょう。
収穫
パセリは、茎のように見える部分は葉柄で、1本の葉です。途中から切っても新しい葉は生えてこないので、株元から切り取って収穫しましょう。
茎葉(本葉)が15枚以上になれば収穫できます。苗の植えつけから30日程度で収穫できるようになります。短いものは残し、長く伸びた外葉から収穫しましょう。一度の多く収穫すると株が弱るので、長く収穫を楽しみたいなら、株の半分以上は収穫しないで。こまめに収穫することで、風通しもよくなり新しい葉がどんどん育ちます。
病害虫
イタリアンパセリは比較的害虫はつきませんが、カーリーパセリはキアゲハの幼虫やヨトウムシがつきやすく葉を食害します。発見次第排除しましょう。またアブラムシも発生します。ヨトウムシは夜行性のため、昼は土にもぐっているので見つけにくいので、できれば防虫ネットをかけて育てるのがおすすめです。
病気は、苗立枯病、根腐病、うどんこ病、軟腐病などにかかることがあります。高温多湿な気候で発症しやすいので、雨が続く時は雨があたらない軒下で、風通しの良い場所で育てましょう。
ベニカマイルドスプレーは、食品成分を使用した殺菌殺虫剤で様々な野菜やハーブ、果樹などで使えます。
まとめ
パセリを料理につかうときに、乾燥パセリをつかっているという人も多いのではないでしょうか。やはり生のパセリは香りが違います。栽培も簡単で、春や秋に時期をずらして植え付けすれば1年中収穫が楽しめます。
半日陰でも育つので、室内でも土をつかわない水耕栽培でも育てることができます。ハイドロカルチャーで育てれば、観葉植物のように育てることもできます。
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