小松菜(コマツナ)は、ほぼ一年中栽培が可能で、発芽もしやすいので家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。ここでは、種から始める小松菜のプランター栽培について、種まきから収穫までの手順、肥料や病害虫の対応、リボベジまで説明します。。
小松菜(コマツナ)の栽培のポイント
小松菜は、厳寒期を除けばほぼ一年中種をまくことができます。春まき栽培や秋まき栽培がおすすめですが、アブラナ科の野菜には害虫が多く集まるので、初心者の人には被害の少ない秋まきがおすすめです。
多くの野菜は日光を好みますが、小松菜は1日3時間~4時間ほど日照があれば育てることができます。1週間ごとにタネをまくと、長く収穫が楽しめます。
長雨にあたるとべと病や白さび病にかかりやすくなるので、春や秋の長雨の時期にはプランターを軒下などに移して育てるとよいでしょう。
小松菜のプランター栽培の手順
小松菜のプランター栽培は、播種(タネまき)から始めます。苗もホームセンターなどでも販売されていますが、小松菜は発芽率もよく栽培が簡単なのでタネから始めてみましょう。
種まきの時期
小松菜の発芽温度は20℃~25℃。真夏を除く3月~11月までが種まきの時期です。生育適温が15℃~25℃で耐寒性が強く、害虫や病気などのリスクが低く、寒さに当たると甘さが増すことから、秋に散布して冬収穫するのが多く、冬が旬といわれます。
寒さには強くマイナス3℃まで耐えられるので、夏は寒冷紗で日よけをし、真冬ではビニールをかけて保温すれば、1年中育てることも可能です。
準備するもの
- 小松菜の種
- 標準プランター
- 野菜栽培用の培養土
- 鉢底石
- 肥料
手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。側面を軽くたたいて土を落ち着かせます。 - 手順2種まき
タネまきはすじまきで行います。
棒や割り箸などで、条間を10cm~15cmとり、2列に深さ5㎜のまき溝を2本作ります。
タネを1cm間隔でタネをまき、覆土をして手で軽く鎮圧します。
プランターの底からから水がでるまで水やりをします。 - 手順3間引き
発芽がして双葉がそろったら1回目の間引きをします。育ちの悪い苗や形の悪い苗を、根元から切り、苗が3cm間隔になるようにします。
本葉が4~5枚になったら2回目の間引きをして5cm間隔にします。ハサミで切るか、そっと根を引き抜きます。間引き菜は食べられます。
- 手順4
- 手順5収穫
草丈10cmぐらいから株元からハサミで切って、間引きながら収穫します。草丈20cm程度になったら抜き取って全部収穫します。
小松菜のプランター栽培の育て方
小松菜の基礎知識
小松菜は、冬が旬の野菜ですが耐寒性や耐暑性にも優れているため、ほぼ周年栽培が可能です。時期や品種にもよりますが、生育が早いので種をまいてから1か月ほどで収穫できます。適応能力が高いので畑だけでなく、プランター栽培、水耕栽培で育てることができます。
学名 | Nasturtium officinale |
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属名 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | 中国・日本 |
発芽温度 | 20℃~25℃ |
生育適温 | 15℃~25℃ |
耐寒性等 | 耐寒性 強い 耐暑性 やや強い |
プランターのサイズ
小松菜は収穫期間が短いので、深さはそれほど必要ではありません。標準タイププランター(幅65×奥行22×高さ18cm程度)なら2条まきできます。
用土
小松菜は土壌酸度(Ph)6.0~6.5と弱酸性の土壌を好みます。プランターで育てる場合は、市販の元肥入りの野菜の培養土などが便利です。自分で配合する場合は、赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1に配合します。そこに苦土石灰を用土1ℓ当たり1~2gほど混ぜます。自分で配合した場合や、元肥が入っていない場合は、緩効性肥料を施します
置き場所・環境・水やり
小松菜は日当たりの良い風通しの良い場所で管理しましょう。小松菜は、日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内でも、日の当たる窓際であれば育てることができます。暑さに弱いので、真夏は寒冷紗などで日よけをし、直射日光の当たらない半日陰で管理するとよいでしょう。
水やりは、土の表土が乾いたらプランターの底から水がでるまで、たっぷり与えます。
肥料
プランター栽培の場合肥料は、元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
小松菜は、栽培期間が短いので元肥をしっかりすれば、化成肥料を追肥する場合は間引き2回目の後の1回行います。化成肥料を10g程度、葉っぱにかけないように、土にばら撒いて、土と軽く混ぜ株元に土を寄せます。液体肥料を使う場合には、2回目の間引きの後から10日に1度、水やりがわりに規定量に薄めた液肥を与えます。
プランターなどでは元肥や追肥にも使えるハイポネックスジャパンの「いろいろな野菜用粒状肥料」や追肥に便利な液体肥料の住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」などが使えます。
病害虫
小松菜は、アブラムシ類、ヨトウムシ、アオムシ、コナガなどの害虫が付きやすくなります。これらは食害により葉に穴を開けたり、株を弱らせたりします。またアブラムシはウイルスを媒介するため、病気を発生させるので見つけたらすぐに駆除しましょう。特に春から夏の栽培で害虫が多く発生します。防虫ネットも有効です。
長雨にあたるとべと病や白さび病にかかりやすくなるので、春や秋の長雨の時期にはプランターを軒下などに移して育てるとよいでしょう。
小松菜のリボベジ(再生栽培)
リボベジはリボーンベジタブルの略で、野菜の再生栽培です。小松菜はリボベジが非常に簡単で、根元を土に植えておけば、次々と葉が生えて収穫を楽しめます。
水耕栽培でも育ちますが、土の方がより大きく育ちます。
小松菜の選び方と準備
選び方
小松菜(コマツナ)をスーパーで買う時には根元をチェックしてみてください。根がついているものがあればそちらを選びましょう。しかし大抵は根は切られていますが、少し根元が残っています。その状態でも、リボベジは可能です。根元の部分が白くきれいなものを選びましょう。
小松菜の準備
小松菜は、根元から3㎝ほど残してカットします。そのとき株の間に新芽がでていたら、そこはカットしないでそのまま成長させます。小松菜はカットした茎からは新芽は生えません。茎と茎の間から新芽がでてきて成長します。せっかく育っている小さな新芽は傷んでいないようならそのまま成長させましょう。
準備するもの
- 根元からカットした小松菜
- 容器(植木鉢や、ヨーグルトの入れ物、ペットボトルなどの底に穴を空けたものでもOK)
- 野菜用の培養土
リボベジのプランター栽培の手順
- 容器に培養土を入れます
- 土に穴を空けて、小松菜を植えつけます。
- 土の表面が乾いたら水やりをして育てます。
まとめ
小松菜は、家庭菜園の代表的な葉物野菜で、初めて家庭菜園で野菜を作ってみたい人にもおすすめの野菜です。間引きながら収穫できるのでプランター栽培にもぴったり。タネからだけでなくスーパーで買った小松菜の切れ端から再生栽培することもできます。
栽培時期も短く、真夏と真冬以外では育てることができるのでぜひ、一度小松菜の栽培にチャレンジしてみてください。プランター栽培の他、土を使わない水耕栽培でも育てることができますよ。
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