モロヘイヤは真夏に生育する健康野菜として人気です。ここでは、モロヘイヤのプランター栽培について、種まきや苗の植えつけから収穫までモロヘイヤを初めて育てる方にもわかりやすく、手順や育て方を説明します。
モロヘイヤのプランター栽培の手順
モロヘイヤは種から直まきして栽培することもできますが、ポリポットでの育苗の方法する場合は管理がしやすく、良い苗をえらぶこともできます。育苗の方法については、種まきのところで説明しています。
数株しか必要のないプランター栽培では、ホームセンターなどで市販の苗を買ってきて植えつけすると、簡単に栽培することができます。
用意するもの
プランター栽培の手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。側面を軽くたたいて土を落ち着かせます。 - 手順2植え付け
株間は20cm~30cm程度あけ、ポットより大きめの植穴を空け、水を注ぎ入れます
水が浸透したら、根鉢は壊さずポットから苗をとりだし植穴に苗をいれ、土を入れて株元を軽く手で押さえます。
底からから水がでるまでたっぷり水を与えます - 手順3間引き
植え付けから2週間ほどして本葉が7枚~8枚になったら、生育のよい1本を残して、他の苗は地際でハサミで切り取り、間引きます。
- 手順4
3回目の間引きが終わったら、追肥をして育てます。化成肥料10g程度をプランターにばら撒き、土を軽くまぜて軽く株元に土寄せしておきます。葉色を見ながらその後は月に1回ほど同様の追肥を続けます。
- 手順5摘心
草丈が30cmほどになったら、先端から10㎝ぐらいのわき芽がでているところのすぐ上のところをハサミでカットします。摘心することで、やわらかなわき芽がどんどん出てきて収穫量が増えます。
- 手順6収穫
草丈が40cm~50cm程度になったら、先端の10cm~15cmのところを、手でポキッと折れるやわらかい部分を、手で摘みとります。
暑くなると生育が盛んになるのでこまめに収穫しましょう。花芽がついたらそのつど切り取り、実をつけないようにしましょう。実やタネには毒があるので口に絶対入れないように注意しましょう。花が咲いたら収穫は終わりです。
モロヘイヤの栽培の基本情報
モロヘイヤの基礎知識
モロヘイヤは、和名をシマツナソといいます。アフリカ北部からインドが原産で、エジプト周辺での栽培が盛んです。モロヘイヤは栄養が豊富で古代エジプトの王様の病気を治したことから、エジプト語で、「王様の野菜」の意味を持ちます。美容効果も高くクレオパトラが愛したともいわれています。
ビタミンやミネラルが豊富で、刻むとでる独特の粘りの成分は、胃の粘膜を保護する役割もあります。栽培は容易で、熱帯の植物で、生育適温が25℃~30℃と高温を好み、青葉の育ちにくい真夏でもよく育ちますが、低温には弱く10℃以下になると生育が衰えます。タネには強い毒性があるので食べないようにしましょう。
作物名 | モロヘイヤ |
---|---|
科目 | アオイ科(シナノキ科)ツナソ属 |
原産地 | アフリカ北部~インド |
発芽適温(地温) | 25〜30℃ |
生育適温 | 25〜30℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
育てやすさ | 簡単 |
栽培時期
モロヘイヤは春に気温が十分暖かくなってきてから種まき、植えつけをしましょう。
地域 | 播種(タネまき)時期 | 植え付け時期 | 収穫時期 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 5月中旬~6月中旬 | 6月 | 7月下旬~10月中旬 |
中間地 | 5月~6月中旬 | 5月下旬~6月 | 7月~10月 |
暖地 | 4月下旬~6月 | 5月中旬~7月上旬 | 6月下旬~11月中旬 |
モロヘイヤのプランター栽培の育て方
容器・用土
モロヘイヤは、草丈も高くなりわき芽が旺盛になるので深さ30cm以上の大型プランターでの栽培がおすすめです。横幅70cm程度の大型プランターで2株栽培ができます。
用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。自分で配合する場合は、自分で配合する場合は、赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
栽培環境・水やり
モロヘイヤは、生育適温が20℃~30℃と、暖かい気温を好みます。暖かい日当たりのよい場所で管理しましょう。植えつけは地温が十分に上がってからにしましょう。
水やりは、発芽するまでは乾かさずに注意し、その後は土の表面乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。モロヘイヤは乾燥には強いですが、乾燥すると葉が固くなるので水切れに注意しましょう。夏の暑い時期は朝の涼しい時間帯に水やりを行いましょう。
種まき
モロヘイヤは直まきか、ポリポットなどで育苗をして植えつけする方法もあります。直まきの場合は、株間30㎝ほどに、まき穴をでつくり、そこに8~10粒づつ種をまき土をかぶせます。
ポリポットで育苗する場合は、植える株数より多く育苗し、よりよい苗を選べることが大きなメリットです。ポリポットでの育苗の方法は下記のとおりです。
- 3号のポリポットに鉢底ネットを入れて、野菜の培養土を入れます。
- ペットボトルの蓋などで、深さ1cm程度のまき穴をつくります。
- 種を7粒~8粒まいて、土をかぶせ手で軽く押さえます。発芽するまで土を乾かさないよう、水やりをします。
- 双葉が開いたら、5本に間引きます。本葉2枚~3枚で3本に。本葉4枚~5枚で2本に間引きます。
- 本葉が5枚~6枚になったら、根鉢を壊さずプランターに植えつけます。
肥料
モロヘイヤのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
モロヘイヤは、わき芽を育てながら収穫するため、生育中は肥料を切らさないように育てる必要があります。化成肥料であれば月に1回、液体肥料であれば水やり代わりに月に2回ほど追肥するとよいでしょ。
プランターなどでは元肥や追肥にも使えるハイポネックスジャパンの「今日から野菜 野菜の肥料」追肥に便利な固形肥料であれば、「野菜の錠剤」、液体肥料では住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」ハイポネックスジャパンの「野菜の液肥」などが使えます。
病害虫
モロヘイヤは病害虫にも強いためあまり心配はいりません。害虫はアブラムシや、ネコブセンチュウ、ヨトウムシ、ハダニなどがつきやすくなります。見つけたらすぐに捕殺しましょう。風通しの良い場所で育てることで予防につながります。
病気はうどんこ病、灰色かび病にかかることがあります。病気にかかったらすぐに葉を取り除いて、被害が広がらないようにしましょう。
まとめ
モロヘイヤは、高温多湿に強いので日本の夏でも、栽培しやすい野菜です。株数が少なくとも、次々とわき芽が伸びて収穫が楽しめるので、プランター栽培に向いています。
収穫期間が長いので、肥料を切らさず乾燥させずに、水やりをしっかりして育てましょう。若い芽は手でポキッと折って収穫できるので、まめに摘みとりましょう。花・実・莢・茎・種子にはストロファンチジンという毒があります。ペットやお子様のいるご家庭では、絶対に口にいれないよう注意して育ててください。
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