一度植えると何年も収穫できるアスパラガスはプランター栽培も可能です。ここでは苗から始めるアスパラのプランター栽培の基本から、肥料の与え方、植え替えまで初心者の人にもわかりやすく説明します。
苗から始めるアスパラガスのプランター栽培の方法
アスパラガスの苗の選び方
アスパラガスの苗は、ポット苗と地上部を切った根株があります。翌年から収穫するなら大株サイズの根株がおすすめです。根株には、栽培1年目の若い株から、数年経過した大きな根株があります。
翌年収穫したいのであれば、2年以上のものを選びます。外袋などに記載されているので、記載をよく確認してから購入しましょう。1年目の若い株であれば翌年は収穫せず、株を育てて2年目から収穫しましょう。
用意するもの
- アスパラガスの根株
- 深型プランター
- 培養土(元肥入りの野菜の培養土)
- 鉢底石
- 肥料
手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの半分まで入れます - 手順2苗の植え付け
中央に根株を良く広げておきます。
用土をプランターの縁から2cm~3センチ下まで入れ、根株を完全に土中に埋めます。
ジョウロで全体的にたっぷりと水やりをします。 - 手順3
春に植え付けをした場合には、植え付け1か月後から10月まで1か月に1度追肥をして育てます。
- 手順4支柱立て
株が成長してきたら、150cm程度の支柱を立てます。あんどん式で立てる場合は、支柱を4本立て、紐を高さ90cm、40cm付近に張り渡します。
- 手順5冬越しの準備
11月中旬ごろになると、葉が枯れてきます。枯れた地上部を、地際からハサミで切り取ります。
- 手順6追肥
冬越しの準備が終わったら、追肥をします。株の周りに肥料をまいて、軽く中耕して土寄せします。その後、早春に芽が伸びるころ同様に追肥します。
- 手順7収穫
新芽が長さ20cmほどになったら収穫のタイミングです。株元からハサミで切り取ります。全部収穫すると株が弱るため4~5本残して、収穫を止めます。
収穫が終わったら追肥をしておきます。
アスパラガス栽培 プランターでの育て方
アスパラガスの基礎知識
アスパラガスは野菜では珍しい多年草で、一度植え付けをしたら毎年収穫ができ、上手に育てれば10年ほど続けて収穫できます。冷涼な気候を好みますが耐暑性も強いので、暖地でも育てることができます。
栽培は、タネからも育てることができますが収穫まで3年ほどかかるので栽培の難易度は上がります。家庭菜園では、春や秋に出回る市販の苗(地堀り苗)を使って植えつけるのが手軽です。特大苗を購入すれば翌春から収穫することもできます。プランターでは大苗を使って栽培するのがおすすめです。
作物名 | アスパラガス |
---|---|
科目 | ユリ科アスパラガス属 |
原産地 | 南ヨーロッパからウクライナ地方 |
発芽適温(地温) | 25~30℃ |
生育適温 | 15℃~20℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0~7.0 |
育てやすさ | 普通~少し難しい |
栽培時期
アスパラガスは、タネまきから育てる場合は春に種をまき、3年後の春に収穫します。大苗を植えつける場合には、春か秋に植え付けをし、翌年の春か夏から秋にかけて収穫します。
地域別の大苗の根株の植えつけ時期は下記のとおりです。植え付けから収穫までは約1年です。
地域 | 植え付け時期(春植え) | 植え付け時期(秋植え) |
---|---|---|
寒冷地 | 4月中旬~5月上旬 | 10月中旬~10月下旬 |
中間地 | 4月 | 10月下旬~11月上旬 |
暖地 | 3月下旬~4月中旬 | 11月上旬~11月中旬 |
容器・用土
アスパラガスは深さ20㎝以上、鉢なら10号以上のものがよいでしょう。
用土は市販の元肥入りの野菜用の培養土が便利です。アスパラガスは肥料を好むため、元肥が入っていない場合は、緩効性肥料を施します。
栽培環境・水やり
アスパラガスは日当たりのよい、風通しの良い場所を好みます。日照時間が少なくても育ちますが、日当たりの良い場所で育てると、甘いアスパラガスが収穫できます。
アスパラガスは乾燥に強く過湿に弱いといわれるので、水やりを控えてしまう人もおおいのですが。実はアスパラガスは年間を通して水を必要とします。水やりのやり方で収穫量にも差がでるといわれています。ただし過湿が苦手なので、水分が過多になると根腐れの原因ともなります。
春から秋の生育期は、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。夏は朝晩の涼しい時間に与えましょう。休眠期の冬は回数を減らし、水やりは続けましょう。
肥料
アスパラガスは栽培期間が長いため、肥料がとても大切です。多肥を好むため、生育期は肥料切れに注意が必要です。芽が出る少し前から、9月までは肥料切れしないようにして栽培します。
プランター栽培の場合肥料は、元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
追肥のタイミングは、植え付けの時期にもよりますが、植え付けが春の場合は、植え付け後から1か月後から9月まで月に1度追肥します。化成肥料をひとつかみ程度、鉢のすみにぐるっと一周させておきます。月に1回行いましょう。その後は、冬越しの準備が終わったところで追肥をします。秋植えの場合には、早春の頃新芽が出るころに同様に追肥します。
翌年からは、芽が出る2月~3月頃、収穫後からは9月まで1か月おきに。冬越しために茎を刈り取ったら、追肥をして育てます。
肥料は、アスパラガスの専用の肥料もあります。追肥をしながら6年~10年育てるので専用の肥料を購入するのもおすすめです。その他、野菜用に作られた肥料でもよいでしょう。ハイポネックスジャパンの「今日から野菜 野菜の肥料」や「マイガーデンベジフル」などはホームセンターなどでも買え、初心者の人にも使いやすい肥料です。
プランターでは液体肥料も便利です。住友化学園芸の「マイガーデン液肥」やハイポネックスジャパンの「野菜の液肥」などがあります。液体肥料の場合は2週間に1度、水やり代わりに与えます。
アスパラガス栽培におすすめの肥料については、下記に詳しい記事があるのでこちらも参考にしてください。
収穫するアスパラガスが太くならないのは、肥料不足のせいかもしれません。細いアスパラガスしか収穫できない場合には、こちらの記事も参考にしてください。
支柱立て
アスパラガスは風に弱いので、株が成長してきたら支柱を立てます。ここではあんどん式の支柱の立て方について説明します。
- 150cmの支柱を4本、プランターの内側に等間隔で立てます。
- 支柱の高さ40㎝、90cmあたりに紐をかけ、支柱に結びます。
- 他の支柱に、紐を一回り回しかけながら、順に紐を渡していきます。
- 囲いが出来たら最後に支柱に、しっかりと結びます。
収穫
春になると新芽がでてきます。長さ20cmほどになったら収穫のタイミングです。新芽を株元からハサミで切り取って収穫しましょう。細い新芽がでてこなくなったら株が弱っているサインですので、収穫を止めましょう。根株を充実させるため4~5本は残して収穫を終えましょう。
収穫が終わったら、追肥を忘れずに行いましょう。
アスパラガス プランターの植え替え
アスパラガスは、プランターで育てていると根詰まりをおこしてしまうことがあります。プランタ―栽培では2~3年に1度株分けをして植え替えをしましょう。株分けをすることで収穫量を増やすこともできます。
植え替えの時期は植えつけと同じ時期、葉が枯れた後の秋か、春がおすすめです
- アスパラガスの根株をプランターから取り出します。
- 土を落とし、手かカッターで2~3個に分けます。(1つの根に芽が1つ残すようにします)
- 新しい用土をいれ、それぞれプランターに植え付けします。
まとめ
アスパラガスは日に当てて良く育てる、グリーンアスパラガスの他、若どりのミニアスパラガス、グリーンアスパラを日に当てずに育てるホワイトアスパラガス、紫アスパラガスなどがあります。
取りたてのアスパラガスは、甘みが強くやわらか。野菜としては珍しく多年草なので毎年収穫が楽しめます。肥料も頻繁に上げる必要性があるので、ベランダなどで栽培できるプランター栽培はアスパラガスの家庭栽培にむいています。ぜひアスパラガスのプランター栽培を始めてみてください。
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