キュウリの栽培では肥料は元肥と追肥をして育てます。肥料の過不足はキュウリの収穫に影響を及ぼすため、適切な時期に適量の肥料を与える必要があります。
有機栽培に挑戦したい人は、有機栽培の肥料として油かすを肥料にするのはよく聞かれます。ここでは、キュウリの肥料として、油かすは有効なのか、解説していきます。
油かす肥料とは
油粕(油かす)は、ナタネ(菜種)やダイズ(大豆)から油を搾る工程の残りかすを指し、それを主な原料として使用する有機(有機物)肥料を油かす肥料と呼びます。
\油かす肥料について/
油かす肥料は、その油かすの種類によっても成分が異なります。
ナタネ(菜種)油かすは、窒素が主成分で、リン酸やカリウムも多少含んでいることが特徴です。また、土壌で分解されるのが遅いため、効き目が長い、遅効の肥料ということになります。
ダイズ(大豆)油かすも、窒素が主成分ですが、リン酸やカリウムをあまり含んでいないのが特徴です。また、土壌で分解されるのが早いため、ナタネ(菜種)油かすと比較すると、効果が表れるのが早い、即効の肥料ということになります。
単位:% | ナタネ(菜種)油かす | ダイズ(大豆)油かす |
---|---|---|
窒素(N) | 5 | 7 |
リン酸(P) | 2 | 1 |
カリ(K) | 1 | 2 |
キュウリに油かす肥料は使えるか
結論としては、「キュウリの肥料として油かす肥料は使える」といえます。有機肥料(有機質肥料)は、元肥として施すとゆっくり長く肥料の効果を効かせることができます。
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。庭植えの元肥によく使われます。
キュウリは、つる性のため生育初期に肥料が効きすぎるとツルや葉がのびすぎて花や実がつきにくくなる「つるボケ」をおこします。油粕はゆっくりきく緩効性肥料のため、元肥に適しています。また油粕は光合成をよくするため、食味がよくなるともいわれます。
速効性はあるか
油かすは、緩効性肥料として使えると上記で説明しましたが、速効性のある追肥として使うこともできます。発酵(醗酵)油かすやぼかし肥料を使うことで速効性の肥料としての効果を発揮します。
発酵油粕は、事前に発酵(醗酵)させてあるので、油かすの問題になりやすい臭いや虫(コバエなど)をある程度抑えられます。また、吸収されやすく、よく効くため、追肥に向いています。
ぼかし肥料は、ぼかし肥料とは、油かすや米ぬかなど複数の有機質資材を配合させたものに籾殻や土を加えて発酵させた肥料のことを指します。成分は配合させる有機質によって変わるので、油かす以外での肥料成分も与えることができます。
\ぼかし肥料に関する詳細/
土壌と肥料について
キュウリに限らず、野菜づくりには土づくりが大切です。水はけと通気性がよく水持ちのよい土が野菜づくりには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。堆肥で土づくりをしっかり行い、さらに元肥を施し足りない肥料分を補います。
油かす肥料は、キュウリの肥料として使うには元肥・追肥として使えます。しかし油粕単体ですと窒素を基準にして施肥すると、リンやカリウムの肥料分が不足する可能性がありますので、元肥には鶏糞と、追肥には化成肥料と併用するなどして使いましょう。
キュウリの肥料時期と与え方
キュウリは植え付け時に元肥を施した後は、定植後2週間後から追肥を始めます。栽培期間中は肥料切れがおきないように追肥を続けます。
元肥
元肥は土づくりと同時に行います。
- 栽培する区間を決めます
- 植え付け(定植)予定の3週間以上前に苦土石灰をまいて、深く耕しましょう。
- 植え付け予定の2週間前には牛ふん堆肥と油かす、化成肥料をまいて再度よく耕します。
追肥
定植(植え付け)2週間後くらいから追肥を始めます。その後は、草勢を見ながら、15〜20日程度おきに追肥を施し続けます。液体肥料のみの追肥の場合は、1週間〜10日に1回程度の施肥が必要です。
- 植え付け後2週間ほどたったら、油かすと化成肥料を株の周りに円状に施肥し土と軽く混ぜます
- 2回目から3回目の追肥は、15日〜20日おきに、畝の肩よりも少し内側に溝を掘って施肥します。畝の両肩に対して行いましょう。畝がない場合は、株元から20cm〜30cm程度離したところに同様に施肥します。
- 4回以降の追肥は生育の様子を見ながら15日〜20日おきに1回程度、畝の両側に施肥します。栽培終了するまでの間、継続して追肥を行います。
おすすめの油かす肥料一覧
その他 キュウリにおすすめの肥料
鶏糞
鶏糞は、ニワトリの糞を乾燥させた有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)、リン酸、カリの各成分が豊富に含まれています。同じ堆肥として牛ふんが比較されることがありますが、成分が異なるとともに、牛ふんは土壌改良の目的でも利用される点が異なります。効果が比較的速く出るため、特に苗、苗木など肥料のやり過ぎには注意してください。
鶏糞は油粕と一緒に使われることも多い肥料です。化成肥料の代わりとしてつかってもよいでしょう。
主に、窒素は葉や茎、リン酸は花や果実(実)、カリウムは根の生長をサポートします。
化成肥料
化成肥料は、不足している栄養素を補うために行うため、土によって与える肥料は異なりますが、家庭菜園などでは、N-P-K=8-8-8など窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などがよいでしょう。
キュウリの専用肥料
キュウリ専用の肥料も初心者の人にはおすすめです。
キュウリの栽培に関する記事
鶏糞以外の肥料についてや、栽培の方法などの記事もあります。