独特な風味が特徴のパクチーは、水耕栽培で育てることができます。この記事では、パクチー(コリアンダー)をペットボトルで育てる水耕栽培の方法や、発芽率をUPする方法などわかりやすく説明します。
パクチーの水耕栽培のポイント
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
葉物の野菜は水耕栽培向きで、ハーブ類は少量ずつ収穫して、いつでもフレッシュな香りを楽しめるため人気があります。大葉やバジルなどは生育が旺盛なので初心者向けです。パクチーは発芽がポイント。発芽できれば水耕栽培でも育てやすいハーブです。
パクチーの水耕栽培は、播種(タネまき)、苗から始められます。ホームセンターなどで販売されているポットの苗から始めるのが一番簡単です。種は、ダイソーなどの100均などでも手軽に買えるのでたくさん作りたい人には種がおすすめです。
タネまきから始めるパクチーの水耕栽培
時期
パクチーの発芽温度は、15℃~20℃。タネまきの時期は、春まきが3月中旬~6月上旬、秋まきが9月下旬~10月中旬が適期です。室内で発芽温度が保てるのであれば、この時期以外でも発芽させることもできます。
種の準備
パクチーの種は、硬い殻に覆われているため発芽まで時間がかかります。事前にひと手間かけておくと、発芽までの時間を短縮することもできますし、発芽率を上げることもできます。
- パクチーの殻を割ります。(コップを種の上で転がす)
- 殻を割った種を、一晩水に浸けておきます。
準備するもの
- 殻を割って、一晩水に浸けたパクチーの種
- スポンジ(キッチン用のスポンジでOK 。メラニンスポンジは不可。やわらかめがおすすめ)
- 水
- ラップもしくはティッシュペーパー
- 竹串(爪楊枝でも可)
- 500mlのペットボトル
- 水耕栽培用の肥料
- カッターもしくはハサミ
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします
スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を3~4粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。上からラップをして、爪楊枝で数か所穴を空けます。
直射日光のあたらない、暖かい場所で管理します。スポンジが乾かないように、水を足して発芽を待ちましょう。7日~15日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、すぐに明るい日の当たる窓際などへ場所へ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
1つのスポンジから複数の芽が出て場合は、元気な苗を残して間引きしましょう。もったいなからといって残しておくと大きく生長しません。
- 手順6肥料を与える
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、肥料を与えて育てます。濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)は3日1度は交換しましょう。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順7収穫する
葉がある程度大きくなってきたら、収穫しましょう。お料理のアクセントにピッタリです。
苗から始めるパクチーの水耕栽培
土で育ったポット苗から水耕栽培を始めるのは簡単です。早く収穫したい人や水耕栽培を早く始めたい人におすすめです。
時期
パクチーの苗は、園芸店やホームセンターなどで3月頃から出回ります。苗を買ったらすぐ水耕栽培が始められます。
準備するもの
- パクチーの苗
- スポンジ
- ペットボトル (苗の大きさに合わせたもの)
- 水耕栽培用肥料
- 水
手順
- 手順1根を洗う
ポットから苗を取り出し、土をほぐして落とします。その後、水でよく洗い流します。シャワータイプのものを使って、根をほぐしながら土をよく落としましょう。
- 手順2ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは不要です。ペットボトルの下部に水をいれておきます。
- 手順3ペットボトルにセットする
苗の根元に中央に切り目を入れたスポンジを挟みます。切り取ったペットボトルの上部を飲み口を下にして、飲み口から根がでるように苗をセットします。
苗が大きく根が全部出ない場合は、飲み口の部分をカットして、根が傷つかないようにして下にだします。スポンジの大きさを調整することで、苗が下に落ちるのを調整できます。
- 手順4肥料を与えて育てる
水耕栽培用の肥料を水にいれて、育てます。明るい窓辺などでに日当てて育てます。日光に当たると藻が発生するのでアルミホイルなどで、ペットボトルをカバーするよよいでしょう。
培養液(肥料を入れた水)は、3日に1度は替えましょう。この時、ペットボトルが汚れていたら洗い流します。
- 手順5収穫
大きくなったら、少しづつ収穫して楽しみましょう。
パクチーの水耕栽培の育て方
日当たり・環境
パクチーの生育温度は、18℃から25℃ほど。暑さは苦手です。太陽の光を好みますが、夏の直射日光はパクチーにとっては暑すぎるため、夏は室内のカーテン越しの光で育てましょう。
水耕栽培は日当たりのよい場所で育てていると、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどを使って、根に光があたらないようにして育てます。水替えは3日に1度。培養液を足して栽培する場合でも1週間に1度は、水替えをして、容器も洗いましょう。
上手に育てていくと、真ん中の茎が太く育ってきます。花をつける前兆ですので、先端に花がつきます。できれば花芽が着く前に先端を切り落としておくと、長く収穫が楽しめます。
肥料について
水耕栽培でパクチーを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
まとめ
パクチーは、好みがわかれる香味野菜です。スーパーなどで売られているのは量が多すぎるというばあいにも、水耕栽培はおすすめです。スープに一枝いれるだけで、簡単にエスニック料理に変身します。発芽率がわるいので、種をまく時には少し多めに撒いて、あとで間引きするのがおすすめです。
水耕栽培は、室内で手軽に始められて虫などの害虫もわきやすいので、手軽に始められます。ハーブなどの収穫を楽しめるものや、観葉植物なども水耕栽培で育てることができます。
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